箱根の山歩きをはじめてから15年ほどになるでしょうか。
スニーカーで足元をかため、ジーンズをはき、だいたい1時間半ほど歩きます。心と頭のの整理が、夜の音楽だとすれば、身体の調整を担っているのは、私の場合、毎朝の山歩き。骨粗鬆症予防も兼ねての毎朝の山歩きは私にとって欠かせなくなっています。
我が家から10分ちょっと歩くと、杉木立の道に行き着きます。この道が、杉の枝の間から朝の光がスーッと差し込んで、とても気持がいいのです。
今は夏ですから富士山は冠雪はしておりませんが、真冬にはまだ暗いうちから月明かりをたよりに歩きます。空気は冴え冴えと冷たくなり、真っ白に雪化粧した富士山が水色の空を背景にくっきり見えるようになります。春夏秋冬どの季節も自然に抱かれて”自然に生かされている”ことを実感します。
紫陽花の花がぼちぼち終わりかけ、山百合が咲き始めました。(私たちはハコネユリとよんでいます)早朝澄んだ空気の中、山道で白く点々と咲く姿。甘い香りを漂わせて咲く大きな花。
ひと晩眠って、前日の疲れがすっきり解消されるのが理想ですが、年を重ねるにつれ、身体がすっきりと目覚める朝ばかりではなくなってきました。疲れを持ち越してしまう朝もあります。
でも、山歩きをしているうちに、身体のこりや疲れが不思議なくらいとれていきます。身体を動かすことによって身体が活性化して、不調な部分が解消されるのではないでしょうか。毎朝、歩きながら箱根のエネルギーをもらっているような気がします。この季節は甘い香りに癒されます。
コロナ禍にあって、巣ごもりが続く方もいらっしゃるでしょう。近くの公園でも、川原でも、ご近所だけでも早朝に少しだけでも歩き、朝陽を浴びてください。心からはよけいな澱(おり)みたいなものが剥がれおち、やがて心も体も活性化してきますよ。
なるべく”日常”を変えずに、この不自由を強いられる暮らしを元気に過ごしたいですね。終わりはかならずくるのですから。
山百合の花ことば 「人生の楽しみ」 「荘厳」