映画 『木漏れ日の家で』

「木漏れ日の家で」という映画を観てきました。
岩波ホール、開場まえからかなりの長い列ができていました。
ポーランド映画界から、新たな珠玉の名作が誕生しました。
ワルシャワ郊外の森、木漏れ日の中、91歳のアニュラと愛犬の物語です。
主人公はアニュラと同じ91歳のダヌタ・シャフラスカ出演。
芸歴は83年におよびます。
木漏れ日に一面のガラス窓が輝き、その窓際から外を眺めています。
年老いても瑞々しい感性、ひとりで誇りを持って生きる姿に胸をうたれます。
社会との関わりをもち、時には息子との縁を切っても、この思い出のある建物を守り続け、自らの人生の終焉を迎えます。
モノクロームのもつ陰影が見事です。新鮮です。
今ではそのほうが、はるかに手間がかかるのに。
ラストシーンではじめて「木漏れ日」を通して樹々の優しさに触れた時、はじめて監督のドロタ・ケンジェジャフスカは語っている言葉の意味を理解します。
「アニュラほど前向きで、勇敢で、実際的な人はほんの少ししかいません。また、誠実な(せめて自分自身にたいして)人もごくわずかです。だからこそ私は、一般には敗北者と思われている老いた女性、しかし、人生最後の日々においてすら、他の人々に善を与えることのできる女性について物語ることが、自分の義務であるとおもったのです。」・・・と。
素晴らしい映画を観ました。
ゴールデンウイーク、お勧めの一本です。
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近畿大学

明日(23日)から昨年に続き近畿大学「総合社会学部」での講義が始まります。
『現代の先達に学ぶ~自分らしさの発見ー暮らし・食・農・旅がもたらすもの』をテーマに昨年は授業を致しました。特に「現場を歩く大切さ」について学生たちと学びました。
机を前にして考えることも大切ですが、机の上の資料には限界があり、現場を足で歩かない限り見えてこないことがあることを、40年近く農山漁村を歩き回ったフィールドワークから感じた実感です。
現場を歩くなかで、人は一人生きているのではない、多くの人に支えられて生きているのだということを、学生に感じ取ってほしい・・・との願いがあります。
 ”他者を理解することは、自分を理解すること。”
大地を歩き、人に出逢い、話を聞き、語り合い、その中から見えてくる切実な現実から導きだされた問題解決法にこそ、真の力が宿るということを知ってほしいのです。
フィールドワークでは、伊勢湾に浮かぶ「答志島での寝屋子制度」について学びました。
若狭の我が家では合宿をし、地元の方々と語り合いました。きっと、「何か」をつかんでくれたことでしょう。
今年は日本観測史上最大の地震・津波・原発事故と戦後最大の困難に立ち向かっています。
「共同体」というもののあり方を改めて考えさせられる時代です。
学生たちと「新しい歴史のときに立つ」・・・をテーマに、この美しいキャンパスを港として、みなさん、どんどんフィールドワークに出かけましょう!と呼びかけるつもりです。
明日、どのような学生に出逢えるか・・・楽しみです。
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浜美枝のいつかあなたと ~増田明美さん

文化放送「浜美枝のいつかあなたと」(日曜10時半~11時)
お客さまにスポーツ・ジャーナリストの増田明美さんをお迎えいたしました。
増田明美さんは1964年、千葉県のお生まれ。
高校に在学中、長距離種目で日本新記録を樹立。 注目を集めます。
92年にマラソン選手の現役引退されるまで、数々の最高記録を更新されています。
現在はスポーツ・ジャーナリストとしてマラソン解説や多方面でご活躍です。
現役を引退して20年近くがたつ現在も、ご主人と一緒に毎日10キロはランニングされているそうです。
今頃は目黒川沿いの桜がさぞ美しいことでしょう。
日々走ることは肉体的の維持だけではなく、精神的な充実も味わえるとおっしゃいます。
私がお会いしたい・・・とかねがね思っておりましたことに、増田さんの解説なさる”日本語の美しさ”です。その秘密はラジオでお聴きくださいね。
そして、増田さんの人間的な優しさはどこから生まれるのかしら・・・ということです。増田さんはラオス(インドシナ半島)の子供たちを支援されています。(NGOプラン・ジャパン)では学校建設、予防接種、など特に増田さんは「幼稚園」の建設に力を注がれています。
ラオスでは公用語の他に民族言語があり、慣れない子は小学校進学をあきらめてしまうそうです、特に女の子は。
明美さんには「マラソン」「走る」という技術があります。
最初は中々打ち解けてくれなかった子供たちが「あの坂の上まで走ろうか」というと花びらのような笑顔で走り始め、足元をみると、裸足の子供が多く、小さな子どもが泣いてしまうと少し大きな子がなだめて・・・又走る。
赤土の道を一緒に走っていると「私が幸せをもらえる」とおっしゃいます。
スポーツって言葉以上の心を通わせる力を持っているのですね。
収録の日もご主人とご一緒にスタジオに入られ、スポーツマンの彼はマネジャーとして彼女をサポートしています。
とても・とても、お幸せそうでした。
豊かなこと=幸せ”ではないし   
貧しいこと=不幸ではない
とおっしゃいます。
素敵な時間でした。
明美さん、ありがとうございました。
「放送は4月17日と24日、2回です」  お楽しみに!
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「白洲正子の世界」

世田谷美術館で開催されている「白洲正子 神と仏、自然への祈り」を観てまいりました。
入り口のアプローチは熊野古道から。
生誕百年を記念しての特別展。
亡くなられてとうに13年が過ぎているのですね。
3月11日以来心がざわついていました。
白洲正子が神や仏を訪ね歩いた足跡を辿って自然への祈りを追体験してきました。
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「旅の楽しさは道草をくうことにある」と何度も随筆で読みました。
春から夏へ、秋から冬へと移り変わる「日月山水図屏風」は室町時代のもの。
「かくれ里」「十一面観音巡礼」などを拝見すると正子さんほど”旅の名人”はいらっしゃらないと思います。
そんな旅の中で出会った 石仏・観音さま、近江の山河・・・
そして能面のかずかず。
心がほっこりしました。
生前、一度だけ鶴川の白洲邸にお招きいただきました。
囲炉裏端でご馳走になった鴨鍋の美味しかったこと。
そして食事の終わるころ、囲炉裏に香が焚かれたこと。
生涯の思い出です。
公園に出ると桜が間もなく満開になる季節。
人々は桜の木の下で静かにお花見をしていました。
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美しい世界を堪能させていただいた展覧会でした。
足元にもおよびませんが、私も旅にでたくなりました。
      白洲正子「神と仏、自然への祈り

全国農業新聞写真コンクール

「全国農業新聞写真コンクール」の審査委員を仰せつかって随分とたちます。
審査委員長 写真家の南良和氏
審査委員  映画監督の神山征二郎氏
審査委員  全国農業会議所事務局長の中園良行氏
そして私です。
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今年も素晴らしい作品が出品されました。
1枚の写真にその時代の問題提起、活動、そして農村風景から見えてくる人の営みや柔らかな土やお日様の香り、緑の葉に美しく照り映える光、優しく頬をなでる風など、日本は「農の国」と実感いたします。
昨年第27回の大賞は「ばあちゃんは牛が大好き」でした。
撮影者は秋田の五十嵐清光さん。
「旧盆行事を撮りに行った際、知り合った牛好きのおばあちゃん。
3年前まで夫と2人で牛を飼っていたが、今は一人で飼っているとのこと。
黙々と働いている姿がとてもたくましく、また優しく感動しました」
と仰います。
私はこのような講評をさせて頂きました。
「応募された作品のどれもが、農村の暮らしや人々の営みをしっかりとらえていた。中でも五十嵐さんの作品は素晴らしい。夫に先立たれた今も、ひとり、ひたむきに牛の世話をするおばあちゃん。その牛を見つめる目の優しさ、手のたくましさ、背中の温かさ、神々しさ・・・農業を支えてきた人々の聖なる心が表れていると感じた。今、日本の農業は岐路にある。しかし、農業は工業と違う。農業が生むのは命である。おばあちゃんの姿に体現されているものが農業には必要なのだ。この心がこれからも日本の農業や農村、人の絆を守り続けていくことを願いたい」
昨年のコメントです。
日本列島が未曾有の災害に見舞われた東日本大震災。
かけがいのない多くの命と営々と築きあげた暮らしが一瞬にして失われ、あの豊かな大地が、美しい海が、そして動物たちとともに生きてきた場所が・・・
人々の笑顔が一日も早く戻りますように。
そして、私たち一人ひとりが手をたずさえて乗り越えてまいりましょう。
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