展覧会のご案内です。

『秋のアート三人展』

夏も終わり、秋草の花が咲き乱れる箱根の山の秋は澄んだ空気、穏やかな陽射し、爽やかで気持のよい日がつづきます。

とてもラブリーな展覧会を我が家『やまぼうし』で10月4日(金)~7日まで開催いたします。

ニットアートの石井麻子さんはグラフィックを学び、その後ニットデザイナーとして活動を続けておられます。京都・山科でショップを30年続け、世界を旅しながらその風景や花や天使など・・・誰からも愛されるニットを創り続けてこられました。

私も大ファンの一人です。カジュアルで着心地がよく、ラブリーな気持ちにさせてくださるニットやタペストリーなど、今回はどんな作品に出逢えるのでしょうか、今から楽しみです。

そして、考古学的なアクセサリーデザイナーの田部洵子さんの作品も楽しみです。ニューヨークで彫金を学び、イスラエルやシリア、インドなどを旅して探し出した貴重な石を細工し、豊潤を意味する葡萄を銀細工で表現し、ローマングラスのネックレスも魅力的で興味深いです。

もうお一人は石井さんのお嬢さんのAYUMIさん。まだ、誰も取り組んだことのない分野を開拓し繊細で透明感のある作品を創り上げておられます。素材は紙を用い糸で幾何学柄を刺繍すると、光線により濃淡が現れるそうです。私は今回はじめて出逢います。

箱根に暮して40年の私。近くには美術館や素敵なカフェもあります。”ちょっとお洒落して”の箱根暮らしにはラブリーなこのような作品が似合います。カジュアルに着られ、優しい気持になれるニットやアクセサリー。女性はいくつになってもお洒落を楽しみたいですよね。

10月4日はお三方と私のギャラリートークが「やまぼうし」で行なわれます。(参加費・無料)

ご予約はメールまたはお電話で。予約優先で、満席になりしだい締め切らせていただきます。お三人にはアートに対する想いなどを伺います。もちろん会場には作品も展示しております。

「秋麗・あきうらら」そんな秋の箱根にお越しくださいませ。お待ち申し上げております。

展覧会ホームページ
http://mies-living.jp/events/artexhibit.html

奈良大和四寺のみほとけ

東京国立博物館本館で「奈良大和のみほとけ」展が9月23日まで開催されております。

安部文殊院・長谷寺・室生寺・岡寺。奈良県北東部にある4つの古刹の名宝があつまりました。国宝4点、国の重要文化財9点が一堂に会しました。

奈良市内の大寺に比べれば地味なお寺さんです。これら四寺はいずれも7~8世紀に創建された古刹です。その中でも私が一番心惹かれるのは”室生寺”。それにはわけがあるのです。

写真家の「土門拳の古寺巡礼・第五巻 室生寺」に出逢ったからです。もう半世紀ほど前のことです。「室生寺はいつ行ってもいい。ぼくは ただ室生寺のあれこれを、また撮られずにはいられない」と記され、「釈迦如来坐像」(国宝)を「日本一の美男子」と称えた平安初期の仏像です。

10代だった私が土門先生に出逢い『本物と出会う』ことを教えられてはじまった骨董や仏像に出会う旅。今回の展覧会でも流麗な衣文線がなんとも美しく、女性的で優しい雰囲気をたたえた十一面観音菩薩像(国宝)など・・・時のたつのを忘れて魅入りました。このような”みほとけ”を拝観できるなんて・・・なんと贅沢なことでしょう。

「魅かれるものに魅かれるままジーッと眺める。モノを長く眺めれば眺めるほど、それがそのまま胸にジーンとしみて、僕なりの見解が沸く。要するに余計なことを考えず、ただ胸にジーとこたえるまで相手をじっと見る。見れば見るほど具体的にその魅かれるものが見えて来る。よく見るということは対象の細部まで見入り、大事なものを逃さず克明に捉えるということなのである。」(土門拳「私の美学」あとがきより)

古寺も仏像も、土門さんにとっては、ひとしく、美たりうるものであったのでしょう。

写真集「古寺巡礼」の撮影中に一度倒れられ、不死鳥のように立ちなおり、強い意志でもって復帰なさったのですが、再度、倒れられ、車椅子の不自由なおからだになった土門さん。

奈良の病院で療養をなさりながら、1939年(昭和14)初めて室生寺に行ったときから30回近く通うも「雪の室生寺」が撮れない、撮りたいとの執念で3月に寒波到来を知り、定宿にしている橋のたもとの橋本屋に移り、雪を待ち続けました。

12日、二月堂のお水取りの日の早朝、橋本屋の女将が「先生、雪が・・・」と。土門さんは涙を流したといわれています。うっすらと雪の鎧坂が表紙になっております。私の宝ものです。

雪降るなかの五重塔、杉の木立の階段、梅の匂いに包まれた季節、椿、石楠花、そして紅葉、と何度訪れたことでしょうか。”みほとけ”に出会うために。

今回は博物館でこんなに身近で出会えました。優しいほとけさまたちと。

そして、みほとけ のなかから土門先生が現れました。先生が仰られた「胸にジーンとしみてきました」

もう次の旅を計画している私。箱根から室生寺、そして高野山への旅を・・・晩秋かしら、初冬かしら、令和になったのですもの、やはり大和の紅葉の季節かしら、万葉の心にふれる旅をしたいです。

東京国立博物館サイト
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1966