食べる落語

脚本家であり、伝統芸能のジャンルで多くの作品を発表されている稲田和浩さんをお迎えしました。
最新刊「食べる落語 いろはうまいもんづくし」をご紹介させていただきます。
落語に登場する食べ物に焦点をあて、それぞれを落語の面白さとともに解説していらっしゃいます。食べ物に興味のある方はもちろんのこと、落語にまだ馴染みのない方にも是非読んでいただいて落語への入門書としていただきたいと思います。また、江戸の文化風習を知る本としてもおすすめです。
落語に出てくる食べ物、有名なところでは、やはり蕎麦、鰻、秋刀魚、メザシといったこころですよね。それ以外にも、鍋焼きうどん、羊羹、焼き芋、そして、「はんぺん、はす、芋を甘辛く煮たものを丼に二杯」。。お腹がすいてきそうです。
江戸には、精米屋がいて、白米を食べていたこと。それ以外のおかずは味噌汁や漬物ぐらいで質素だったこと。住宅事情により、意外にも外食産業が発達していたことも知りました。ベトナムやタイ、インドネシアなどの国々を訪れると、今でも同じような路地の風景に出会います。
「早朝は、あさり・しじみ、豆腐、納豆。朝になると八百屋、昼間は飴屋、ゆであずき屋、それから屑屋なんかも来て、夕方にはまた旬の食材を売りにくる。夜中は、夜鷹そば、鍋焼きうどん、深夜には稲荷寿司。こうして長屋の一日が過ぎていったのである。」
現代より質素な食事でも、そこに豊かさを感じます。旬の食べ物と地産地消。今私たちが必死に取り戻そうとしていることが、当たり前のようにそこにあったことを思い知らされます。

食べる落語―いろはうまいもんづくし 食べる落語―いろはうまいもんづくし
稲田 和浩

教育評論社 2006-12
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山歩きと地球温暖化

この冬は、箱根も雪が少なく、快晴の日が続いています。おかげさまで、ツンツンと地面から飛び出した霜柱をシャキッシャキッと踏みしめながら、毎朝、山歩きも楽しんでいます。真っ白に雪化粧した富士山もそれはそれは美しく見えます。
以前は1時間歩くと、たっぷり歩いたという気持ちになったのに、このごろではもっと歩きたいと思う自分がいることに、嬉しい驚きも。毎日続けていくうちに、体に力ができてきたのかもしれません。いくつになっても、筋肉は鍛えられるといいますが、本当にそうなんだわ、と感じます。
でも、こうも暖かいと、地球が変わり始めているという事実を、つきつけられているようで、やはり、不安を感じずにはいられません。
先日、アメリカの元・副大統領で大統領候補でもあったアル・ゴア氏のドキュメンタリー映画「不都合な真実 (An Inconvenient Truth)」を見てきました。この映画は、ゴア氏の講演活動を追い、具体的なデータとともに地球温暖化対策の必要性を訴えたものです。 二酸化炭素などの温室効果ガスが増えたために、地球の気温が上がる地球温暖化現象。地球温暖化は、海面の上昇や異常気象、生態系の変化といった事態を引き起こし、やがては植物や動物、そして人類は危機的な状況という事態に……。
環境のために、そして地球のために、この日このときから、私たちは自分たちがやれることをやっていかなくてはならない。それが、スクリーンを通してひしひしと伝わってきました。映画のエンドロールにもあったように、「変わる勇気を持つ」ことが、何より大切なのではないかしら。
時間にゆとりがあるときには、私も小田原から我が家までタクシーではなくバスを利用するようになりました。タクシーなら30分で着くところを、バスは1時間以上もかけて登っていきます。過ぎ行く風景をのんびりと眺めたり、途中のバス停で乗降するおばあさんやおじいさんの様子を垣間見たり。それもなかなか楽しいんです。部屋の暖房の設定温度もさらに一度、下げました。箱根の冬は、そうはいっても寒いけれども、あったかいソックスとセーターがありますもの、大丈夫。

不都合な真実 不都合な真実
アル・ゴア 枝廣 淳子

ランダムハウス講談社 2007-01-06
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