お散歩付きヨガとインドスパイスランチ in 箱根

箱根の仲秋から晩秋へとかけての季節はもっとも美しい私の好きな季節です。そろそろ朝夕は、吐く息も白くなります。紅葉の最盛期は11月上旬。箱根は全山紅く染まります。上からだんだん染まって山を下り、下の湯本付近に下りた頃、上では落葉が始まります。
先日富士は初冠雪でそれはそれは美しかったです。一年中で山歩きに最も快適な季節です。散策をしながら、自然の豊かさを体ごと感じ、マイナスイオンをたっぷり吸い込みながらのヨガ、そして体にやさしいインドのスパイスランチでこれからやってくる冬に向けて体のメンテナンスをしましょう!という企画が「箱根やまぼうし・森から海へ」主催で行なわれました。


私も参加しました。まず皆さん元箱根で集合。ヨガの先生のご案内で樹齢400年を超える神秘的な杉並木を歩きます。旅人を守ってくれた杉並木。夏には暑さをさけ冬には寒風を防ぎ、旅人には休息の場として、今では四・五メートルもある巨木。かつては東海道沿いにもっと長く続いていましたが、いまでは芦ノ湖湖畔に残るものだけになってしまいました。足元にはまだアジサイが可憐に咲いています。老化が目立ち始めた杉並木、大切に守らなければ・・・と思いました。我が家の子供たちは、この杉並木を毎日学校に歩いて通っていました。35年近く前のことです。


そこから二百階段を上り恩賜箱根公園へと向かいます。芦ノ湖に突き出た半島が恩賜箱根公園です。半島全体が一つの小山のようになっていて、私の朝の山歩きのスポットでもあります。頂上からは芦ノ湖の水面、緑の外輪。そしてお天気がよければ富士山が絵のように眺められます。その頂上でヨガマットを敷いて約40分のレッスン。森公子先生の静かで心地よい指導のもと体を伸ばし、深い呼吸をします。秋の太陽が体を温めてくれます。無理のないヨガ。心身がリラックスし気持ちの良いこと。お仲間の顔も幸せそうです。園内の林にはウグイス、ホオジロ、シジュウカラ、コガラなど、夏にはキビタキ、クロツムギ、ホトトギスなど、冬にはオシドリ、マガモ、、コガモなどの渡り鳥がやってきます。ハコネバラ(サンショウバラ)、ツツジなど手入れの行き届いた公園は私のオアシス。


ヨガを終え公園を後にし我が家「やまぼうし」へと20分ほど歩きます。到着すると家中にスパイスのいい香り。秋から冬にかけてはアグニ(消化力)が強くなり食欲が増えやすい時期、とスパイス講座講師のミシュラ・京子先生はおっしゃいます。繊維質を摂り消化を助けるスパイス、冷えから守り体を温かくしてくれる根野菜野菜やスパイスを活用して上手にバランスをとりましょうね!と教えてくださいます。京子先生は東京生まれ。様々な国へのひとり旅を経てインド人とご結婚。インド・ボンベイへ渡り毎日がカルチャーショックな生活だったといいます。現在は生活の場を日本に移しておられます。前の日から泊まりがけでの下ごしらえ。デモンストレーションとスパイス講座。フレッシュなスパイスって香りがぜんぜん違うのですね。医食同源ではないですが、理にかなった食べものです。

~ランチメニュ~
・サフランライス(サフランとナッツで見た目もあたたか)
【香りのスパイスはクミンシード】
・里芋のドライカレー
【香りのスパイスはクミンシード・アジワインシード、ターメリック、チリ、コリアンダー ガラムマサラ】
・レンコンのコフタカレー~すりおろしたレンコンにベースン(ひよこ豆)、ガラムマサラ、コリアンダーが絶妙な味。
・大根のカチュンバ~マスタードシードとグリーンチリ(ししとう)、チリパウダー
・最後はインド式のチャイ~カルダモン、シナモンパウダー、ジンジャー、たっぷりの牛乳(豆乳でも)
昔、インド通いをしていたころ、列車で旅をしていると列車が構内に入ると「チャイ・チャイ!」と子どもが素焼の器に作りたての熱いチャイを売りに来てくれ、そのチャイの美味しかったこと。旅の疲れがいっぺんに飛んでしまいます。懐かしい思い出です。
野菜だけのインドカレー。美味しい!美味しい!と 皆さんおかわり。私も2回もおかわりしてしまいました。箱根の豊かな自然の中で仲間と語り合い・ヨガをして、体にやさしいカレーをいただき幸せな一日でした。来年も季節ごとにこんな会を企画たててのんびりしたいです。その時にはご参加ください。
~心も身体ものんびりリラックスな一日~でした。

露木清高展『箱根寄木細工の伝統と未来』


皆さまは箱根寄木細工、というとどのようなイメージをおもちになられますか?
「お土産屋さんで見かける箱や手鏡」などでしょうか。
たしかに素晴らしい箱もございます。
露木木工所・3代目の清勝さんのつくられる箱もの、また清勝さんのお爺さまの清吉さんの「市松寄木伸縮式文机」の素晴らしさは思わずため息が出てしまうほほどのものです。
平安の昔、都から木地師たちは小田原を木地引きの里と定め仕事をはじめたそうです。それだけ箱根・小田原地域の自然が豊かだったということですね。
常に伝統を踏まえながらもその時代に合った新しいモノ作りへの精神は、四代目の清高さんにしっかりと受け継がれています。
私は驚きました。
以前ラリック美術館で清高さんの作品とルネ・ラリックのコラボレーションがありました。その作品を拝見したときに『ラリックは箱根寄木細工を見ていたのに違いない!』と思うほど影響を受けていました。
今回の清高さんの作品はさらに進化しています。
「伝統と未来」を感じ、日常の暮らしの中に取り入れていただきたいと思います。紅葉の深まる箱根の森にぜひご覧においでください。帯留とかんざし、テーブル、トレイなどきっと暮らしを豊かにしてくれるはずです。
お越しをお待ち申し上げております。
http://www.mies-living.jp/events/2014/yosegi.html

『50歳からの勉強法』童門冬二さん

50歳からの勉強法』   童門冬二
 「死して朽ちない」ために何をまなぶか
    第一章 柔軟で、型にはまらない勉強法
    第二章 頭をやわらかく、心をゆたかにする思考法
    第三章 人生の余白を広げる学び方
    第四章 「終身現役、一生勉強」の行き方を貫く
童門冬二さんは、1927年、東京のお生まれ。
今年86歳。明後日19日に87歳を迎えられます。
人生の先輩に失礼ですが、「なんてチャーミングな方なの」がお会いしての第一印象です。お顔もツヤツヤ、包容力のある笑顔。1944年、海軍・土浦航空隊に入隊し、特攻隊志願。終戦後、東京都庁に勤務し東京都立大学・事務長、知事秘書などを歴任。1979年、美濃部都知事の退任とともに都庁を去り、作家活動に専念。「小説 上杉鷹算山」「小説 西郷隆盛」、「戦国武将に学ぶ、危機対応学」など、数多くの著書があります。今の視点から歴史をとらえ直し、組織のありかたや人材育成をテーマに、これまで多くの読者の心をつかんできました。
それにしても、お元気です!
朝は4時ころ起床。7時まで新聞やテレビ、朝食。その間に30分ほど散歩にでる。執筆は午前中。ナント「休肝日」はないそうです。・・・よかった!私がそうですから。そして「ここが私の書斎でございますとおさまりかえるには、どうも、ぼくという人間は俗気がありすぎるようで、ぼくは家の外のあちこちに「書斎」をもっていて、そこがぼくの勉強法にとって書斎以上の位置をしめています。」とおっしゃいます。
「電車やタクシーの中など世間のあちこちに学びの場所はあります。そして、駅の売店で新聞や週刊誌などたくさん買い込み、勝手知ったる行きつけの飲食店に行き、そこでかなりの長い時間飲み食いをしながら情報収集。気になったとこはビリビリ・・・と破きあとは店に寄付(笑)です。わっはは」・・・いいですね、こういうの。
つまり「学びの姿勢は自由でいい」、「教科書は世間にある」、「孤独を覚悟せよ」 そして「おのれの精神活動を時計ごときにしきらせるな」、「やりたくないことから真っ先に手をつけよ」・・・そうですね!
「怒りは身の毒、腹がたったら一日置け」と。「でも腹がたち一日置いても治まらないことはないのですか?」と私。「そういう時はオールナイト上映を見て、ビジネスホテルに泊まり一人格闘技などをして狂気を放出します、わっはは。」そうですよね、そうでなければ30年近く都庁のお仕事、知事秘書なんて勤まりませんでしたよね。 映画大好き、落語ファン、人間への深い愛情、洞察力はまるで落語の高座をきいているような心地よいひとときでした。そして、「50歳からは人間関係の絞込みをおこなうべし」には大きく頷き70歳の私は10代にかえったような気分になりました。
童門さんにはラジオへのご出演をいただきました。
本を、そしてラジオを是非お聴きください。
文化放送「浜美枝のいつかあなたと」日曜10時半~11時まで。
放送は10月26日です。


アンティークフェアーIN新宿

10月10日(金)から12日(日)までの3日間、アンティークフェアが新
宿で開催されます。
娘の鎌倉のショップ「FLORAL」(フローラル)も初めて出店いたします。
FLORALは小さなスペースですが、西洋アンティークから和骨董まで、160もの店舗が出店するそうです。とても楽しそうなので、これから私も店番をかねて行ってみようと思います。今日(10日)はお昼ごろから夕方まで。明日(11日)はお昼頃数時間行く予定です。フローラルはエリア「B」だそうです。
私がアンティークに目覚めたのはいつの頃からでしょうか。
「なぜ骨董がすきなのですか?民芸に惹かれるのですか?」
これまで多くの方から尋ねられました。
私は骨董だからいいとか、民芸だから好きとか、思いこんでいるわけではあ
りません。ただ、私が「いいなあ」とため息をついたり、ちょっと無理してで
もほしいと思うものが、アンティークだったり民芸のものだったりすることが多
いのです。
でも考えてみると、ものが長い年月を、生まれたときの形を保ちながらいきつづけているということは、小さな奇跡ではないでしょうか。そのものに、人を魅了する力があったから、たいせつに丁寧に、グラス・器なら器が人から人へと伝えられてきたのではないかしら。そんなふうに思います。
気が向いたら覗いてみてください。
その前に「FLORAL」のブログをご覧ください。
新宿でお逢いできたら嬉しいです。
http://blog.floral-antiques.jp/

日本酒で乾杯

10月1日、「日本酒で乾杯推進会議」が明治記念館で開催されそのフォーラムに私も出席させていただきました。
テーマは『和食と日本酒~日本のかたち、日本のこころ~』です。


基調講演は西村幸夫氏(東京大学副学長)、テーマは「世界文化遺産と無形文化遺産のこれまでとこれから」でした。大変興味深く、世界の文化遺産の知らない世界のお話を聴かせていただきました。
パネルディスカッションのテーマは「祭りと酒菜」。料亭「青柳」のご主人、小山裕久氏と京都大学大学院農学研究科教授の伏木亨氏。コーディネータは民俗学者の神埼宣武氏。そうそうたる方々ですが「和食と日本酒」について楽しく分かりやすいお話でした。
そもそも、この推進会議は私たち”最近のニッポン人には日本が足りない”、”多くの心ある日本人は今日の日本、明日の日本に危惧の念をいだいているのではないか・・・”ということで日本酒造組合中央会を中心に「100人委員会」が10年前に発足しました。各界の方々が参加し、日本文化や良き伝統を守りたい・・・という思いで生まれました。
日本酒は美味しく飲む前にまず、神仏にお供えします。そこから始まる文化ですよね。日本の四季の行事には、やはり日本酒は欠かせません。そういう意味で日本酒は非常に身近であるのと同時に、特別なお酒だという思いが私の中にはあります。だからでしょうか、私は日本酒をいただきながら、「人々の祈り」たとえば「人々の幸福を願ったり」「人とのつながりを大切にしたい」といった「美しい」心みたいなものを一緒に味わっているような気がすることがあります。こんなお酒はほかにはありません。
私が日本酒をたしなむようになったのは民藝の柳宗悦先生の考え方に憧れ、先生の足跡を追うようになった頃からです。美しい暮らしの道具が見られるのは地方が多くお酒の場のお誘いをいただくようになりました。共にお酒をいただくことで、人は非常に親しくなれることを知りました。そのお宅のおばあちゃんがナスやキュウリの漬物をどんぶりにどっさりだしてくれるんですけど、ほんとうに美味しい!こういう酒の肴が最高です。
それから強く印象に残っているのは、30歳のころ、女性6~7人でで金沢を旅して芸者さんにも来ていただいて(女性割引!があるのですよ(笑))踊りやお三味線、笛などをそのお座敷で聞きながら、懐石料理と日本酒をいただきました。日本酒の作法といいましょうか、飲み方の美しさを、そのときに学びました。以来、人と親しく交わり、美しくいただく。それが私の憧れる日本酒の飲み方となりました。
「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本人の食生活も大きく変化してきました。日本では、世界中の料理、お酒を飲むことができます。そこでもう一度『國酒』としての日本酒を考えてもいいかもしれませんね。日本の風土の恵みの米と水でつくられているお酒。「地産地消」そのものですものね。日本酒の海外への輸出も増えているそうですが、それは「日本文化」の輸出でもあります。
女性も日本酒を粋に飲んでみませんか。
シャンパン・ビールで乾杯も素敵ですが「日本酒で乾杯!」なんてお洒落ですよね。皆さんのお話を伺いながら、あらためて「和食と日本酒~日本のかたち、日本のこころ~」を考えました。