那須への旅

あれは秋深い、風の心地良い朝のことでした。
那須を訪れた時のことです。那須は十数年ぶり。
朝食をとるために階下のレストランに行くと、目に入ってきた美しい「ワインクーラー」。シャンパンが入れられ、グレープジュースと一緒に飲みました。
「このワインクーラーはどなたが作れれたのでしょう」と伺うと那須在住の若手作家とのこと。魅せられました。ダイナミックで、そしてエレガント。色は軽やか。
「このワインクーラーにシャンパンをいれクリスマスに飲みたい!」
そんな思いがいたしました。
そこで今週はじめに、その作家の方をお訪ねしてまいりました。雑木林の中にたつアトリエ。でも、作品からは海の香りがするのです。
沓沢佐知子(くつさわさちこ)さんは1976年三重県尾鷲のご出身。
子供時代を海のそばで暮らされたとのこと。
全関西美術展 彫刻 第一席受賞。
京都教育大美術科 大学院終了。
かずかずの立体個展をなさってこられたのです。
ご縁って不思議ですね。美しいものを探すきっかけってこうして出逢うのですね。美術館に収められている作品ももちろん素敵です。でも、私は毎日使うことが大事で、そこに遊び心があったら申し分なし。新しいとか古いというよりも、「自分の好きなもの」に心惹かれるのです。

アトリエの作品を拝見すると、海の匂いと森の空気が融合しているのです。そして、横には素敵なバーがあるのです。声楽家だったご主人が料理を学び、カクテルをつくり、そこには”大人の空間”がひろがります。
箱根の森の「やまぼうし」で展覧会をしてください!佐知子さんの作品、ご主人のカクテルに料理で。とお願いをさせていただきました。「湘南の海で貝殻や砂など素材をさがしますね」と佐知子さん。
再来年の夏の終わり虫のすだく声を聞きながらの展覧会。
きっと素敵だと思います。
楽しみにしていてくださいね。
その前に・・・来年のクリスマスイブまでにキリッっとシャンパンを冷やすワインクーラーをお願いいたします、佐知子さん。

浜美枝のいつかあなたと ~柳家三三さん

文化放送 浜美枝のいつかあなたと (日曜10時半~11時)
先日、来年お正月明け(9日)放送分の収録をいたしました。
お客さまは、落語家の柳家三三さんです。
柳家三三さんは1974年、神奈川県・小田原のお生まれ。
1993年、柳家小三治師匠に入門。
1996年に二つ目昇進し、柳家三三(さんざ)と改名。
2006年、真打昇進されています。
若手落語家の実力者として早くから注目をあつめ、これまでに文化庁芸術祭「大衆芸能部門 新人賞」、国立演芸場「花形演芸大賞」などを受賞され、寄席や高座や、全国の独演会、落語会で大活躍なさっています。
何度かブログにも書きましたが、私は三三さんの師匠の柳家小三治師匠の
“おっかけ”に夢中です。師匠の高座を拝見したとたんに、ときめきが始まったのです。「もう恋なのかもしれない・・・というときめき。そんな小三治師匠の高座で三三さんの落語を聴く機会に恵まれました。
今、年間600以上の仕事をこなす”売れっ子”
この番組には、過去二回、小三治師匠においでいただいたことがあります。以前、「小さん師匠からは落語の稽古を受けていない」と仰っていましたが三三さんもそうだそうです。三三さんの落語は「クラシカルだけどモダンな落語」と言われていますが、まさにそうです。小三治師匠とはまた違った芸風。そして、見えないところで努力の人。古典落語の舞台になった土地に出向き、その空気、風景など体で感じ取ってくることなど興味深いお話を伺いました。詳しくはラジオをお聴きください。
文化放送・1月9日(日曜10時半~11時)
それから・・・8年ほど前になるでしょうか。ここ箱根「やまぼうし」でなんと小三治師匠に落語を聴かせていただいたことがあります。今思えば何と贅沢なことだったでしょうか。知らない強み、あつかましさ。30名限定でした。
そのことを三三さんもご存知で「箱根・三三落語会」をやってくださいませんか?との申し出に「いいですよ」!・・・とのお返事。これから年に春・秋と2回はさせて頂きたいと思っております。お楽しみに。
大の甘党の三三さん、当日はどんな春のお菓子をご用意いたしましょう。

ナイルの畔で~タペストリーとキャンドルで迎えるクリスマス

ネフェルギャラリーのオーナー・金田理恵さんが箱根「やまぼうし」で素敵な展覧会を開催してくださいました。

エジプトカイロ近郊のしばらく行ったところにハラニアという小さな村があります。この村にエジプトの田舎の風景を色鮮やかに織りなす機織りの職人がいます。全て天然のもので。なんと美しいことでしょうか。そこには清らかな泉があります。その泉は知恵と愛情がいっぱいの暮らしから生まれます。豊かさの中にいる私たちは、地球の自然の営みからはたして彼らのような「美しい営み」を紡ぎだせるでしょうか。
いさかいのない世界
人々のぬくもりを感じ、キャンドルを灯してともに祈りました。

金田さんはご主人の仕事の都合でエジプト・スペイン・インドなどで暮らされました。エジプトは観光で成り立っている国ですが、私たちの目にはふれることのない部分もあるそうです。
女性や子供の生活環境はかなり厳しく、過疎地域では狭い家に大人数の家族が住み、かまどのすぐ近くで寝ていたりしていて、目が行きとどかないためにかまどに落ちてしまう事故や虐待も後をたたず、悲惨な状況が続いているのです。
今回の展示会に合わせ展示したクリスマスの人形とオーナメントの収益金135,600円の全額は、金田さんが支援しているミニアの火傷施設に寄付されます。
今回展示したタペストリーや刺繍製品などの多くがエジプトの女性たちが経済的な自立への第一歩として作ったものが多く、どれもほんとうに素敵な作品でした。現地の女性や子供をただ単に援助するのではなく、その次のステップとしての自立も視野に入れながら活動されている金田さん。まさにこれこそが「ソーシャル・ビジネス」の在り方のような気がいたします。
そして、今回も大勢の方々が箱根「やまぼうし」にお越しくださいました。
ありがとうございました。

「JA横浜・FOODで風土フェア」

先週末、晩秋・晴天の下、素敵なフェアに参加してまいりました。
「食と農のとの距離を近づけるために」をテーマに消費者と生産者が一緒になり、収穫体験をいたしました。ご存知ですか?神奈川県の中でも横浜は農地と住宅街が混在した都市なのです。「横浜のどこに農地があるの?」と首をかしげるかも知れません。それが、びっくり!ランドマークなどの商業施設が並ぶ西地区を除いてすべての区に農地があるのです。野菜・果樹に花き・畜産。港町ヨコハマのもうひとつの顔は「農業都市」でもあるのですね。

当日は仲町台の駅に皆さん合流しました。今回の催しに文化放送の「浜美枝のいつかあなたと」も参加してくださいました。番組リスナーの方、一般から応募された方、150名のご参加です。寺島アナウンサーの号令のもと歩いて、いざ畑へ。「コマツナ・ニンジン・ダイコン・ホウレン草・」を収穫。生産者の方に収穫の仕方を教えていただき、子供連れの皆さんも一生懸命収穫。

そして、JAよこはま きた総合センターに集合し、生産者の方から生産する喜びや大変さ、心がけや工夫などお話をうかがい、消費者の方からも熱心に質問がありました。私も「食と農への想い」についてお話させていただきました。
その後「ヨコハマ・ヤサイ・ワークショップ」が行われました。
講師は 柴田香織さん(フード&コミュニケーション代表)
ヨコハマ・ヤサイと食文化
ヨコハマ・ヤサイと日本の伝統
ヨコハマ・ヤサイの強み
手づくりトマトケチャップのテイスチィングや大根・ホウレン草の食べ比べなど新鮮な野菜(採れたて)がこれほど”美味しい”の!との声・声・声。
賢く食べるのは、よりよく生きること。
農は命に直結している。
と私は考えています。
生産者・消費者という枠を超えて「食は命を育む」・・・こと、と実感した一日でした。生産者の平野フキさん、城田朝成さん、そして柴田香織さん。寺島アナウンサー、JAの皆さま、参加してくださった皆さま。有意義で楽しい一日を有難うございました。
抱えきれないほど野菜を手に帰路につく皆さんの笑顔が眩しかったです。