ひと足早いクリスマスの集い

先日、箱根やまぼうしに雑誌ゆうゆうの読者約40名の方がお集まりくださり
「クリスマスの集い」で楽しいおしゃべりをさせていただきました。

私が大好きな西伊豆・間菜舎の焙煎コーヒーのおともには、昨年小田原にオープンされたパティシエ・鎧塚俊彦さんのお店から「ムッシュ・キタノ」と名づけられた美味しいケーキをお出しさせていただきました。
鎧塚さんはカカオにこだわりを持ち、当日のケーキはピンクペッパーと花山椒をベースとした大人の味。美味しいコーヒーとケーキでホッと一息、とても幸せな時間です。

「ゆうゆう」は4年連載をさせていただき、「凛として、箱根暮らし」という本になりました。
当日は同世代、少し先輩、少し年下の方々。
三分の二はおひとりでの参加です。
北は北海道から南は熊本まで。
我が家で過ごしてからは山のホテルで一泊。
翌日は箱根神社参拝や美術館巡り
日ごろは家事に追われている皆さまに申し上げました。
「ご自分へのご褒美よね!」と。
おひとり・おひとりに人生があります。
女性の人生は、家族を精神的に支えることが求められるだけに、男性より悩みが複雑かもしれません。けれども、その大変さを乗り越えることで、より豊かな自分になれるのではないでしょうか。
かたい握手をしながら「浜さん、私がんばれそうです」とおっしゃった方。「明日からまた日常に戻り、主婦を楽しみます」とおっしゃった方。
そうですよね。
人生の中に楽しいことや嬉しいことばかりでなく、苦しかったことや悲しいことなど、ぎっしり詰まっていますよね。
皆さんのお顔が輝いておられました。
素敵な出逢いをありがとうございました。

長岡エンジン02

「長岡エンジン02」に招かれ、温泉エッセイスト・山崎まゆみさんとのトークに参加致しました。
テーマは「ニッポン女旅学~暮らすように旅する」
まゆみさんは秘湯や、町の銭湯のような湯でおじいちゃん、おばあちゃんなどと混浴し、その土地の文化を紹介しているとてもチャーミングな女性です。私も一人旅が多いので「暮らすように旅する」は大賛成。温泉の入りかたから、入浴のコツ、など楽しいお話が伺えました。

いつものことながら仕事の前日には到着し、周辺を散策しました。
まずは長岡市内の朝市へ。秋の味覚キノコ、食用菊など豊富な野菜に出合いました。その後はまゆみさんと、友人、女性3名で「寺泊」に行きました。

鎌倉ゆかりの寺泊は歩くにかぎります。
民俗資料館から白山愛神社、古くから海上安全の神として崇拝されてきた神社。江戸時代の寺泊は、江戸や大阪、四国を出帆し、能登半島を廻って、北海道へ交易した北前船の寄港地であり、海上交通の要津として栄えた場所でもあります。
眼下に日本海。遠く佐渡が見えます。
多くの歌人が逗留されたところでもあります。
良寛はすでに家運が傾いていた生家には立ち寄らず
来てみれば
わがふるさとは荒れにけり
にわもまがきも 落ち葉のみして
と詠み半年後、いずこともなく行方を絶ってしまいます。
再び放浪の旅から寺泊に帰ってきたのは45歳くらいのときだったといいます。
かつて遊郭のあった路地を通り、群生する石路や藪椿を見ながら高台に出ると急に視野が広がり街なみや港が一望に見渡され、佐渡も手に取るように眺められます。

そして、街に下り魚の市場通り(通称=魚アメ横)では取れたての魚は圧巻でした。
午後には長岡市内に戻らなければいけないので、今回は温泉はパス。そのかわり、お昼に食べたキンキの焼き魚の美味しいこと!!!
油がのっているのに新鮮だから身がプリプリしているのです。真冬の2月ころにはタコの内臓が食べられるそうです。これは食堂、市場にも出回らず、漁師さんたちの楽しみの味とか。
あ~!食べたいな。
今度は雪深い2月に行ってみたいです。

伊東建一~御所人形の世界

『箱根やまぼうし』からのお知らせ
伊東建一~御所人形の世界
11月18日(日)~25日(日)※21日休館
11時~17時(最終日15時まで)
御所人形にはじめて出逢ったときの感動は忘れられません。
「十二世 伊東久重 御所人形展—慈しみのこころ—」展でのこと。
透き通るような白い肌に真っ黒な髪。
そのふくよかな姿の愛らしさ。
完成までに一年近くの年月がかかること、
すべての工程にを自らの手で創り上げること・・・
などお話を伺うとその伝統の奥深さを感じます。
その伝統工芸の御所人形がご子息の長男・建一さんに
しっかりと受け継がれています。
天皇をはじめ高貴な人々に愛された人形のもつ品格と技が
しっかりと継承されていて思わず抱きしめたい衝動にかられます。
我が家でその御所人形は赤い着物をきて優しく佇んでいます。
私の大切な大切なお人形。(伊東久重作)
この度は「箱根やまぼうし」で建一さんの素晴らしい作品の
展覧会を開催させていただけることになりました。
また、十二世 伊東久重氏の作品も展観したします。
ぜひ生活空間の中で御所人形に出逢ってください。
晩秋から初冬へと移り変わる美しい箱根。
ぜひお越しをお待ち申し上げております。
展覧会の詳細はホームーページをご覧ください。
http://www.mies-living.jp/events/2012/goshoningyo.html

萩への旅

今回の旅はちょっと硬いテーマ。
全国農村アメニティー・シンポジュームで「農業の危機の克服に向けて」~農業と集落の再生へ~という会に出席いたしました。
第一部の講演は萩の野村市長と私でした。
そして第二部はシンポジューム。

私はこのような仕事のときはなるべく早めに現地入りし、現状をしっかりと見せていただくようにしています。2日前に萩入りし、まずはどうしても拝見したかった山口県立萩美術館・浦上記念館で開催されている「古萩・江戸の美意識」展に行きました。
「一楽・二萩・三唐津」と謳われ、侘び数奇に適う茶の湯のお道具として高い評価を得てきた萩焼の茶碗。これほど見事なお茶碗をこれだけ一同に拝見したのは初めてです。
“江戸の美意識”
その多様性にとんだ豊かな美意識に圧倒され、声も出ないほどの感動でした。その後は小雨降る中の城下町を散策。国指定史跡に指定されており、周辺は今も江戸時代の地図がそのまま使える程町筋が残っています。萩藩御用達の豪商菊屋家やなまこ壁の土蔵、高杉晋作誕生の地、など往時の面影をとどめたものがたくさんありました。
夜は旅の楽しみのひとつ、一人でのんびり、地のものをいただき、熱燗でのひととき。至福の時間です。40年近く旅を続けてきて、その町を知るにはこの”ひとりの時”がとても大切なのです。
翌日は役場の方のご案内で萩市内を1日かけて拝見したしました。
萩市は合併により、東京23区くらいの広さです。
旧萩市中心部は平坦な地形が多いですが、ほとんどが山間地にあります。

そして、6つの離島「萩・六島村」。
農林水産業と観光都市として有名ですが、山間地においては過疎化が進み、耕作放棄地も増えてきました。高齢化も進み、これから何が必要か・・・そんなことを考えながらの一日でしたが、はじめに向かったのが、「萩をまるごと詰め込んだ市場」の”萩しーまーと”。鮮魚や水産加工品、地元産の野菜に果物。地元生産者が集結して運営されているこの市場は漁港直結だからでしょうか、町の市場より安く新鮮です。鮮魚は持ち帰れないので乾物のあれこれ、野菜、果物などを箱根に持ち帰りました。
そして、地域に根ざした三見(さんみ)シーマザーズで昼食。海のお母さんたちの作る定食の美味しいこと!日本海を見ながら獲れたての魚は最高ですが、ここも高齢化率は40%を越えています。
漁業者は40名程度で、中心は60歳から70歳、若者は6~7名です。
でも、海のお母さんたちは元気いっぱい。
創意工夫した、いか寿司やあじの押し寿司など・・・美味しかった!
おばちゃんたち・・・ご馳走さまでした。

生産現場は「千石台だいこん産地」とトマト生産者を訪ねました。
千石台は戦後開拓でこの土地に入り、農業共同組合を設立し、黒色火山灰土が大根の生産にふさわしい・・・ということでがんばっておられます。トレーサビリティーへの確立にも積極的です。
周りを山々に囲まれての収穫。
共同体のシステムが和む地域でもありますが、朝は3時には起きて収穫し、新鮮な野菜を消費者に届ける・・・土とともに生きる人たちの顔は輝いています。
「山口あぶとトマト」の生産現場も徹底した土づくりを基本にし、選果場のパート等が地域の雇用の場を創出していました。熱いハウスの中での作業も女性は「すごいですよ、頑張りは女性のほうが上です」とご案内くださった男性が語ってくださいました。部会全員がエコファーマーに認定されています。
最後に合併には入らなかったお隣の阿武町まで足を延ばし、友人達にお会いしてきました。元気に加工品をつくり、こちらも頑張っておられました。

帰りは菊ヶ浜の海岸線を見ながらホテルに戻りました。
ここは「日本の夕日百選」に選ばれた絶景です。
本番のシンポジュームでは『農のある風景』~これからの地域活性化に向けて~というテーマでお話をさせていただきました。
○グリーンツーリズムについて。
気候風土の違い、生活スタイルの違い、休暇にたいする意識の違い、日本では週単位の長期休暇制度が確立されていませんから、ヨーロッパとは比較できませんが、これからの新しいライフスタイルとして、「農」のあるライフスタイルは人びとの望むところです。そのためには農村は美しく、農村が農村でなければなりません。「都会の人たち」のために農村があるのではなく、そこで暮らしている方々が快適に過ごす事が重要です。「主人公はあくまでも自分たち」を守っていただきたいと思います。
○『農村は、私たちの心の故郷』です。
共にヨーロッパでグリーンツーリズムを学んできた仲間の女性の活動を報告しました。岐阜県山県市美山のとびきり魅力的な女性たち「ふれあいバザール」。バザールが発足して今年で15年が経ち、女性ならではの素晴らしい底力、しなやかさには目をみはります。オープン以来の黒字経営。生産、加工、食堂経営とサポーターの生産者、地元の方々、他県の人・・・非常にバランスのとれた「人と産物と環境」を感じる活動です。
○最後に、「なんもない・・・」から「クールな田舎へ」をテーマに「クールな田舎をプロデュースする」独自の理念を挙げ、交流人口の増加を目指して観光コンサルティング会社「美ら地球」(ちゅらぼし)をスタッフ6名と立ち上げ今年で3年目を迎え、活動をしている方々をご紹介しました。
リーダーの方は国立大学院を卒業後、5年前までは米国や日本のコンサルティング会社で企業変革の支援プロジェクトや社員研修などを担ってきましたが、「ちょっと休み、日常と異なる世界に身を置きたい・・・」とそんな思いで奥さんと約2年世界を旅し、日本の「イナカ」に対する外国人の関心の高まりと、海外で日本の地方を知る機会の乏しさを実感したといいます。

「自分も戦前からの暮らしや文化が残る地域に住み、海外の人との橋渡しする仕事がしたい」そう思い飛騨古川に築約100年の家を購入し自宅も兼ねて起業しました。
木造建築は、飛騨のみならず、世界に誇る日本の財産です。
そんな古民家が空き家になってきました。
飛騨民家プロジェクト」を立ち上げ、「飛騨民家のお手入れお助け隊」ではボランティアが都会から来て、梁、柱、床などを磨き、美しい町並みを保存し、「古民家貸し出し」に大きな反響があり、IT企業を誘致しました。これは地元の建設会社と共同です。環境省などが主催したエコツーリズム大賞、特別賞にも選ばれた「飛騨里山サイクリング」は外国人には地元住民との交流が出来ると好評だそうです。

少子高齢化や都市への人口流失、地方を取り巻く現状は厳しさを増していますが、「否定的なイメージしか持たれていない田舎も、実は我々や次の世代の生活の場としてすごく理想的。必要な役割を担っていきたい」・・・と語ります。
これから、新たな世代に挑戦の場を準備することも大切でしょう。
地方部の景観や営みの存続、継承は「需要側」の間だけではなく「供給側」にも問題があるのかもしれません。
飛騨古川に素晴らしい若者たちが”新しい風”を吹き込みます。
今回の3日間の旅では、私自身大いに学び、刺激を受け、また「現場を歩く大切さ」を実感致しました。
民族学者、宮本常一は山口県周防大島の出身です。
心の師を持つ幸せも実感しながらの旅でした。

八幡平のブナの紅葉

一度は訪れたかった秋田、八幡平の紅葉を見てまいりました。
平地とちがい、高山の紅葉はそれはそれは美しいのです。けっして平地では見ることの出来ない色彩。その鮮やかさに言葉を失うほどでした。大沼周辺、夕日が射すブナ林の紅葉、黄・緑・紅・赤・・・

今回の旅は女友達3人と一緒でした。
私は20年前から農村・漁村の女性たちと勉強会を重ねてまいりました。その女性たちと15年間「グリーンツーリズム」の研修でヨーロッパ、また国内を旅し、共に学んできた仲間です。
グリーンツーリズムとは「自然環境や農村景観といった農山漁村の良さを残した場所で、都会の人が農家民宿など体験し、楽しんでもらうこと」です。そんな仲間の一人が八幡平で素敵なホテルをご夫妻で経営しています。と、言っても生易しいものではありませんでした。

8年前、大雪の中、二人は八幡平にやってきました。
だれもいないホテルの館内は静まり返り、震えるように冷えきっていました。
二人で決心してきたからには何とか活気のある、温かみのホテルにしようと考え、「湯めぐりツアー」がはじまりました。千葉や埼玉からバスで訪れます。
健康をテーマに、近隣の温泉にご案内し、なによりも大切な「食」は地元の食材で。料理してくださる方たちも地元の女性たち。美味しいのです、とても。
お客さまの中には、故郷のない又は遠のいた方たちも多いそうです。
『おかえりなさい、高原の我が家へ』と出迎えてくださるご夫妻の優しさはきっと故郷へ帰ってきたような、温かみを感じるからでしょうか、リピーターが多いと伺いました。90歳代の方、若い人たち、中高年のご夫妻など、食堂は家族が集って食事をしているようなそんな和やかさです。
「生きているということは、生きた言葉をかわし合っていること」と以前、お坊さまに伺ったことがありました。
八幡平は標高1、613m、北東北の高地にある豪雪地、雪解けは遅く6月ころに春の訪れを迎えます。厳しい環境を耐え抜いた花々、きっと凛と輝いているのでしょうね。
その頃はミズバショウ、ヒナザクラ、ワタスゲなど高山植物の花が一面に咲き誇るそうです。

春になったら、八幡平山頂の「花あるき」をしましょう、と友と誓ってローカル線に乗り、盛岡では女同士「盛岡冷麺」を食べ家路につきました。

友人のホテルは
十和田・八幡平国立公園『八幡平高原ホテル』です。

ウナギの話

大変興味深いお話を伺いました。
古代ギリシャの哲学者・アリストテレスの時代から2400年もの間、人類が誰も見ることことの出来なかった”天然ウナギの卵”を、3年前の夏、ついに発見!ウナギの産卵や生態の謎が解明された瞬間でもありました。
とにかく「神秘の世界」です。
文化放送「浜 美枝のいつかあなたと」(日曜10時半~11時)
ゲストに40年に渡り、太平洋でウナギを追い続けた東京大学大気海洋研究所・教授、塚本勝巳さんをスタジオにお招きいたしました。
独自の仮説に基づき、2009年夏、北太平洋・西マリアナ海嶺南端部、海山域で世界で初めて天然ウナギの卵を採ることに成功なさいました。また産卵場所も特定しました。
「世界で一番詳しいウナギの話」(飛鳥新社ポピュラーサイエンス)が好評発売中です。世界のウナギ博士のお話は、ただただ興味深く知らないことばかり。
「うぁぁ、きた、きたぁ~!これは間違いなく来たよォ~!」
そう、心の中で叫んだそうです。
塚本さんは1948年、岡山県生まれ。
農学博士で、専門は海洋生物学、魚類生態学です。
最初は魚類の回遊現象、「なぜ魚は回遊するか」を考えているうちにウナギにたどりついたそうです。
人間以外の動物は、それほどの知能も情報も持っておらず、その時々の気分、あるいは感覚で移動するそうで、動物の移動は目的のない「旅」。
なぜ旅をするのか・・・
ウナギの嗅覚の良さは定評があり、魚ではウナギは犬並みの優れた嗅覚を誇っているそうなんですが、先生はどうしてそんな事が分かったのでしょうか。
ウナギは生まれた海の匂いを記憶していて「ここが約束の場所だ」と感じて長旅に終止符をうち、その時を待つのでしょう」とおっしゃいますが・・・それにしても不思議・不思議!あの広い海で、ウナギが卵を産み採取なさったなんて、お話を伺っていても、良く分かりません、私には。
何しろ世界のウナギ消費量の約7割は日本人が占めているのですから、この問題は重大です。私たちの食生活にはウナギ文化は欠かせません!
詳しくはぜひラジオをお聴きください。
(放送は10月28日と11月11日の2回です)

昼下がりの湿生花園

片岡鶴太郎展の会期中ですが、ふっと秋の山野草や花々が見たくてバスに乗りました。我が家からですと小涌園で下車して「観光施設めぐりバス」に乗り換え、彫刻の森を経由し強羅駅、そしてポーラ美術館、星の王子さまミュージアム、ガラスの森、大好きなラリック美術館を通り、終点の「湿生花園」に着きます。
箱根に住み間もなく40年になりますが、何が幸せって生活空間の近くにこれだけの美術館があること、そして植物に囲まれていること・・・。もし、これらがなかったら穏やかに子育てができたかしら。
子供たちは社会人になり、ずい分と月日がたちました。
箱根の自然は、私自身にも多くの恩恵を与えてくれました。
樹木や花々、雲や富士の山々は、どんなときもやすらぎをくれます。

湿生花園は、仙石原地区に位置します。
山に囲まれた仙石原は、二万年前は湖の底だったそうです。今は干上がった状態ですが、一部残った湿原が湿生花園として、日本の湿原植物を中心に約千五百種の山野草が収集されています。川や湖沼など水湿地に生育している日本の植物や、草原や林、めずらしい外国の山草も含めて多様な植物が四季折々に繁り、花を咲かせ、私はここにくるとえもいわれぬ「至福の時間」を体験できます。
園内の木々もうっすら色づきはじめています。
台が岳に一面広がるススキの穂が午後の太陽の光をうけ銀白色に輝いています。

まず目に入ってきたのは、真っ白な今が見頃を迎えた「ダイモンジソウ」。
北海道~九州の山地の湿った岩地に生える多年草。
薄暗い林内で咲くこの花は可憐です。
白いブラシのような「サラシナショウウマ」名前の由来は、若芽を茹で、水でさらして食べたことから・・・とか。
コムラサキ、ヤマトリカブト、リンドウ、イワシャジン、小さくて可憐なダイモンジソウの花がひっそりと咲き、ヤマトリカブトの濃紫が目をひきます。
秋の企画展「どろぼう草と秋草展」が11月10日まで開催されています。
帰りに「コムラサキ」(紫式部ともいいます)の苗を買ってきました。
バスの車窓からは夕日で赤く染まった芦ノ湖がとても美しい姿で迎えてくれました。

片岡鶴太郎展・こころ色

箱根の我が家「やまぼうし」での展覧会も今年で4回目を迎えます。
あれは6年ほど前のことでしょうか。
新幹線の中でばったり鶴太郎さんにお会いし、我が家の大広間に飾ってあった京都在住の画家・藤井勘介さんの絵をご覧になっていらして「僕、とても好きなんです、勘介先生の作品が」とおっしゃり、ご自身の絵についても語ってくださいました。それがご縁で箱根にお越しくださり、絵を描き始めた動機など伺いました。
ある日、庭に鮮やかに咲く朱赤の椿に出逢い感動し「この花が描けるようになりたい」と思ったことが鶴太郎さんの創作の原点となってるのだそうです。それから、ひたすら筆を持ち、今年で画業17年目を迎える鶴太郎さん。たえずモノの本質を見据え、創作に真摯に取り組んでいらっしゃいます。
今回は初期の作品を展示いたします。
私もたくさんの初期の作品を拝見いたしました。
そこからは、鶴太郎さんの生きることへのひたむきさ、思いやり、優しさのすべてが感じとれます。
私は思うのです。
日々の暮らしを豊かにしてくれるのは「遊び心」「発見」「感動」というようなものではないでしょうか。我が家「やまぼうし」でのこうした展覧会・コンサート・落語会、など等。いろいろな人との出会いもあります。
古民家12軒分を再生してできた我が家、木々たちが優しい空間を作ってくれます。
鶴太郎さんの作品が今回も優しく語りかけてくれることでしょう。
つかの間、日常を忘れてお遊びにいらっしゃいませんか。
お待ちいたしております。
10月14日(日)~21日(日)  ☆17日(水)休館
午前11時~午後5時 (最終日午後4時まで)
入場無料
詳しくはHP「箱根やまぼうし」でご覧ください。

始発電車を待ちながら

東京ステーションギャラリーが5年の時を経て新しいギャラリーとして誕生しました。丸の内北口ドーム内に入り口を移し、以前より広くでも以前の赤レンガを残しつつ設備も充実したスペースとしてのオープン。

先日、行ってまいりました。
「東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語」
2012年10月1日(月)~2013年2月24日(日)
9名の個性豊かなアーティストたちが東京駅と鉄道・・・という独自の切り口での作品が展開されていて、新しい物語が紡ぎだされています。
大洲大作「光のシークエンス」の前で、思わず胸がキュンとしてしまいました。
旅の出発点であり、終着駅でもある「東京駅」。
鉄道の旅の素晴らしさは、なんといっても車窓の風景です。流れ行く車窓から見た風景のかずかず。ある時には郷愁を感じ、またある時には、人の営みを身近に感じ、ある時には雨に濡れる車窓から旅の匂いを感じ・・・窓に踊る光やスピード感、その土地の風物や生活に滲む情感が心を揺さぶります。
大正三年(1914年)辰野金吾博士設計により丸の内に建った趣のある立派な駅舎。関東大震災や戦争の災禍を堪え抜いた姿は、単なる建築物というより、私たち日本の歴史を共有してきたシンボルとして、感動すら覚えた駅舎が100年の歴史を経て平成18年から始まった駅舎保存、修復工事を終え、新しい「東京駅」に生まれ変わりギャラリーも創建当時の煉瓦をそのまま生かした展示室となっているのは嬉しかったです。
展示を観ての帰りは回廊を出て、ドームの内部を見ながら人々の行き交う姿に旅情をかきたてられます。ノスタルジックな雰囲気とマッチしながらもモダンな設備を備えた素晴らしい美術館です。
次回は『東京ステーションホテル』のバーに行きましょう。
一杯のカクテルに会いに。
『カメリア』でのカクテルの再会は楽しみです。バーのカーブした窓、昔のぼこぼこしたガラスは残っているのかしら。そこに映る外の風景、電車が入ってくる、出ていく。それだけの風景なのですが、なぜか味わいがあるんです。厚ぼったいガラスの向こうにユトリロの絵のような電車がボーッと浮かび上がり、うっとりしてカクテルをいただくわけです。
カメリアのキャプテン杉本さん。
また、「ハスカップ・ユーリンス」を作ってください。北海道のハスカップにワインとウォッカとレモンをカクテルしたもの。
北海道への旅情が募る、一杯でした。
通勤客に混ざって、改札口でなかなかさよならできない恋人同士、週末の二人だけの旅に出発する恋人たち。
駅はドラマの始発駅であり終着駅。
いつの時代も駅は、出会いや別れの交差点なんですね。
あ~、又旅に出かけたくなったわ、そんな午後の昼下がりでした。

秋の一日

秋の日はつるべ落としといわれますが、この季節、本当に、ストンと夕闇が訪れます。小田原ではまだ空の夕焼けの赤が残っていても、バスが我が家の近くの停留場に着くころには、とっぷりと日が暮れています。
けれど闇が濃ければ濃いほど、月はいっそう冴え冴えと光はじめます。満月のときなど、光の粒が空から四方に放出されているかのように。
停留場から我が家までは細い道を数分歩くのですが、月がそっと背中を押してくれる、そんな気さえするほど、その光は優しさに満ちています。
我が家の石段をあがると、空がさっと開けて・・・・・家に入ってしまうのが惜しいような気がしてならず、夜風に髪を揺らしながら、全身で月の光を浴びながら庭にしばし佇んでしまうこともたびたびです。
月に照らされて浮きぼりになる富士山や箱根の山々の稜線。
まるで濃淡の水墨画のようなみごとさです。
自然が見せる幻想的な風景に思わず言葉を忘れてしまいます。
『中秋の名月』
どうでしょうか・・・雲などに隠れてしまうと「無月・むげつ」
雨が降ってしまうと「雨月・うげつ」
ほんのり明るい風情もまたいいものです。
ススキを飾り、おだんごをつくりましょう。
生卵を割り入れて、汁と薬味で「月見うどん」をたべましょう。
子どものころのように。