昼下がりの湿生花園

片岡鶴太郎展の会期中ですが、ふっと秋の山野草や花々が見たくてバスに乗りました。我が家からですと小涌園で下車して「観光施設めぐりバス」に乗り換え、彫刻の森を経由し強羅駅、そしてポーラ美術館、星の王子さまミュージアム、ガラスの森、大好きなラリック美術館を通り、終点の「湿生花園」に着きます。
箱根に住み間もなく40年になりますが、何が幸せって生活空間の近くにこれだけの美術館があること、そして植物に囲まれていること・・・。もし、これらがなかったら穏やかに子育てができたかしら。
子供たちは社会人になり、ずい分と月日がたちました。
箱根の自然は、私自身にも多くの恩恵を与えてくれました。
樹木や花々、雲や富士の山々は、どんなときもやすらぎをくれます。

湿生花園は、仙石原地区に位置します。
山に囲まれた仙石原は、二万年前は湖の底だったそうです。今は干上がった状態ですが、一部残った湿原が湿生花園として、日本の湿原植物を中心に約千五百種の山野草が収集されています。川や湖沼など水湿地に生育している日本の植物や、草原や林、めずらしい外国の山草も含めて多様な植物が四季折々に繁り、花を咲かせ、私はここにくるとえもいわれぬ「至福の時間」を体験できます。
園内の木々もうっすら色づきはじめています。
台が岳に一面広がるススキの穂が午後の太陽の光をうけ銀白色に輝いています。

まず目に入ってきたのは、真っ白な今が見頃を迎えた「ダイモンジソウ」。
北海道~九州の山地の湿った岩地に生える多年草。
薄暗い林内で咲くこの花は可憐です。
白いブラシのような「サラシナショウウマ」名前の由来は、若芽を茹で、水でさらして食べたことから・・・とか。
コムラサキ、ヤマトリカブト、リンドウ、イワシャジン、小さくて可憐なダイモンジソウの花がひっそりと咲き、ヤマトリカブトの濃紫が目をひきます。
秋の企画展「どろぼう草と秋草展」が11月10日まで開催されています。
帰りに「コムラサキ」(紫式部ともいいます)の苗を買ってきました。
バスの車窓からは夕日で赤く染まった芦ノ湖がとても美しい姿で迎えてくれました。

「昼下がりの湿生花園」への4件のフィードバック

  1. 花が好きで、四季夫々の花を植えたりしていると
    ふと、思う事があります。余談ですが・・・。
    花の育て方は、花に対して優しい言葉を
    かけてあげると、本当に美しく開花します。
    花の妖精は本当にいるのかなぁ・・・・・・。と、
    思わせて呉れます。観葉植物でも森羅万象の
    花々は、人間の言葉を理解する能力があると
    思います。そんな馬鹿なぁと云われる方も
    いらっしゃると思いますが、花は慈しみ育てると
    艶やかな虹彩を放ち、見事に開花します。
    お水を与える時、綺麗に咲いてね・・・。
    可愛く咲いて下さいね・・・。
    言葉をかけてあげると本当に美しい
    実を実らせ開花します。
    花を見ると心が和み、優しくなれます。
    人も、愛する人の一言の言葉だけで
    強い希望と確信をもって生きてゆけるのだと
    信じて止みません。

  2. そうですね。
    おっしゃる通り、植物に話しかけ、愛情をもって
    育てると、ちゃんと返ってきますわね。
    私たち人間は植物なしでは暮らしていけないのでは
    ないでしょか。
    花一輪の命を大切に暮らしたいですね。
    ブログへのコメントありがとうございました。
    浜美枝

  3. 素敵な秋の1日ですね。
    私も今年の秋は草花が気になって、
    蹲に秋草をアレンジして楽しんでいます。
    さりげないその姿に、教えられる事がいっぱい。
    主張せず、ひっそり、でもすっきり晴れる秋空に映える。
    そのたたずまいが大好きです。

  4. ブログへのコメントありがとうございます。
    そうですね、山野草のフアンは年齢・男女を問わず大勢おられますね。
    けっして主張はしないし控えめですが、奥の深さを感じます。
    私は秋田の八幡平に行ってまいりましたが、萌えるような紅葉でした。
    来週のブログご覧ください。
    夏になったら、山野草を見にまた行きたくなりました。
    浜美枝

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