はるにれ

長女が幼稚園に通っている頃に、『はるにれ』(写真・姉崎一馬、福音館書店)という絵本をよく読みました。読むといっても、その絵本に文字もなく、絵もなく、あるのは写真だけ。その写真が素晴らしく、語りかけてくるものの力強さに圧倒され、子どもよりも私のほうが夢中になってしまったのです。

主人公は北海道の十勝平野に立つハルニレの大木。

春、ハルニレは命の開花をします。芽吹きの葉の美しさは輝くばかり。夏に向け、枝は緑の葉を青々と繁らせ、充実の時をむかえます。

そして秋、葉は色を変え、まろやかに穏やかに変貌しはじめます。茂り実り、燃えるように色づき、ある日一陣の風が吹き、季節は冬に。ハルニレの木は、寒風に耐えつつ凛と枝を伸ばし、太い根は雄々しく大地をつかみ続けます。

そんな一本の木の、一年のさまざまな表情とドラマを、私たちに見せてくれる本でした。

私にとって木は特別なものです。

樹齢何百年という大木のそばに行くと、その太い幹にそっと体をすり寄せたいという衝動にかられます。手で触れると、何か人知を超えた天空の意思を感じ、その木からエネルギーのようなものが体の中にどっと流れ込むのを感じます。

太古に通じる水脈から命を得、時空を超えて屹立する木には、人を癒し、浄化し、勇気や元気をくれる力があるように思います。

コロナ禍のなかにあって、私たちは息苦しさを感じ、乗り越えようとしています。あと少し、あと少し・・・深呼吸をして。人は人と出あうことで悲しみを分かち合い、喜びを倍にできる・・・あと少しです。

『はるにれ』の木が見守ってくれています。

「はるにれ」への3件のフィードバック

  1. ありがとうございます!
    東北の奥深さに魅せられながらも、この冬の寒さに負けていましたが、暖かな陽の光を頂きました。一歩踏み出します。

    1. 渡部沙織さん

      投稿ありがとうございます。

      生きることは、ひとすじがよし 寒椿

      この句は、映画界の大先輩である五所平之助監督が詠まれた句です。
      木枯らしの吹く季節になると、自然とこの句が思い出されます。
      雪が積もっているなかで、鮮やかに咲く寒椿。

      「はるにれ」からも私たちは強さ、優しさ・・・
      自然への畏敬の気持をいただきますね。

      お風邪など召しませんようご自愛くださいませ。

      浜 美枝

  2. 浜美枝様
    こんばんは。
    初めてコメントさせて頂きます。
    昨年12月30日、当然に勝手ながらメールを送信させて頂き失礼致しました。姓名・住まい・年齢は先日メールさせて頂いた通りです。
    さて、小生、本年1月14日のJR大人の休日倶楽部主催の講座「浜美枝さんの箱根の邸宅を訪ねて学ぶ」「明日を素敵に生きる」に応募させて頂きましたが、今回催行中止との連絡が届きました。
    映画「007は二度死ぬ」の以来、ボンドガールの浜美枝様が気になっており、どうしても浜美枝様にお会い致したく思っております。
    次回是非とも浜美枝様にお会い致したく、今年の目標に掲げたしだいです
    お忙しい中、誠に勝手ではございますが、宜しくお願い致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です