新春の旅 沖縄

早いもので、1月も後半に入りました。
私の新年最初の旅は沖縄でした。

毎年2、3度はお邪魔しておりますが、今回は地元の友人たちから”浜さん、ゆんたく(おしゃべり)しましょ!”とのお誘いを受けての訪問でした。皆さんと喋り、笑い、そして食べ、楽しいひと時を過ごしました。

もう50年以上にもなる私の沖縄通い。いつの頃からか、「第二の故郷に戻ってきた!」という安堵感を覚えるようになりました。

私は、織物や工芸品などから「美の王国・沖縄」に触れ始めたのです。柳宗悦さんの書を読み「沖縄は民芸の故郷」という言葉も知りました。

10代にしては、かなり早熟だったのかもしれませんね。そんな私が一番心惹かれたのが「花織」(はなうい)でした。

沖縄には古くから「紅型」や「芭蕉布」、「宮古上布」など”美の極み”が数多くあります。その中でも、織りかたの複雑さ、微妙で奥深い色合いを誇る「花織」の美しさは、”沖縄の手仕事”の真髄とも思えたのです。

そして「花織」の歴史を知ろうと読谷(よみたん)村を何度も訪ね、与那嶺貞さんという素晴らしい女性と出会うことができました。ご主人を先の戦争で亡くし、お子さんたちを抱えながら「花織」の復元に邁進された方でした。

「このままでは花織が忘れ去られ、消えていってしまう」

戦後の食料難で、子供に紅芋を与えながらの苦しい創作活動でした。でもそのような思い出話を語る貞さんは、決して嘆くわけでもなく、気張るわけでもなく、穏やかな琉球言葉でゆったりと話してくださいました。

この逞しさと明るさ!どんなに辛いことがあっても、空を見上げて、すくっと立ち続ける!その立ち居振る舞いに、私は沖縄女性そのものを見た思いがし、すっかり魅了されてしまったのです。こうして沖縄に教えられ、育てられてきた私。

痛ましい首里城の炎上からまもなく3ヶ月が経ちます。しかし、沖縄の皆さんは深い悲しみの中で、時間はかかっても、きっと立派な首里城を再建されるでしょう。

私も何か、お役に立ちたい。

再び起き上がろうと必死で痛みをこらえている首里城に直接激励の声を掛けたくて、新年の旅に出たのです。

先週、淡いピンクが可憐な「カンヒザクラ」が咲き始めました!例年より早いそうです。沖縄の春を代表する花の一つですね。

この春は沖縄にとって、いつも以上に”空を見上げ、そして城を見上げる”季節になることでしょう。

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