世界報道写真展 2018

恵比寿にある「東京都写真美術館」で今年も「世界報道写真展」が開催されています。

今年で61回目を迎えます。私は5年ほど前から毎年観にまいります。『記録された瞬間 記憶される永遠に』とありますが、さまざまな事件、事故、自然破壊、会場に一歩足を踏み入れ、目の前の写真に胸をえぐられそうになったり、直視できないような写真であったり、考えさせられる写真であったり・・・ニュースでは知っていたことが、目の前にリアルに差し出される世界の「いま」。克明に伝える写真の数々が紹介されます。

世界中の約100会場で開催される世界最大級の写真展です。今回は、125の国と地域から4、548人のフォトグラファーが参加し、73、044点の応募があったそうです。

その中から「現代社会の問題」、「一般ニュース」、「長期取材」、「自然」、「人々」、「スポーツ」、「環境」の8部門において、22ケ国42人が受賞しました。

「一般ニュースの部」ではイヴォル・プリケット(アイルランド)が撮影しニューヨーク・タイムズに掲載されたイスラム国(ISIS)からのモスル奪還を巡る戦闘に巻き込まれる市民や廃墟と化す街。

また、「人々の部」ではイスラム過激派の誘拐から逃げ出し、自爆用爆弾から免れた少女たちの姿。密猟者からの保護のため自由を脅かされざるを得ない動物や、大統領に対するベネズエラでの抗議活動、デモ参加者が警察機動隊と衝突した際、洋服に引火し炎に包まれた28歳の青年(命は助かったそうです)。

「現代社会の部」ではアメリカ・ナショナルジオグラフィックに掲載された組写真、中国では、所得水準の急上昇に伴い人々の食生活が変化し、食肉、酪農製品、加工食品の需要が増大しているため、世界の耕作可能な土地の約12パーセントを使って、世界人口の19パーセントに迫る割合を占める自国民を養っていかなければならないそうで、町中を無造作に肉を運ぶ姿を写した写真には考えさせられました。衛生面など大丈夫なのでしょうか。

そして、私が深く考えさせられたエジプト「現代社会の問題の部」での組写真。カメルーンでは、思春期に達した少女の胸のふくらみを抑え、その発育を食い止めるるためにマッサージや圧迫を行う”ブレストアイロニング”呼ばれる風習が残っているそうです。

なぜか・・・これによってレイプや性的な接触をさけられると信じられているそうです。この現代において青春を謳歌し、成長を喜ぶ親としての姿はそこにはありません。これが「現代社会」の現実かと、考えさせられました。

会場には老若男女一人ひとりが、真剣に写真に見入っていました。外国人も見られました。

世界の報道は新聞やテレビ、ラジオで見聞きしますが、「写真」のもつ圧倒的な力、説得力・・・やはりリアルに「いま世界」で何が起きているのか・・・を知る貴重な『世界報道写真展』です。

8月5日(日)まで。
休館日・毎週月曜日(但し716日(月・祝)開館、翌17日休館。
恵比寿駅より徒歩約7分。

世界報道写真展2018 公式ホームページ
https://www.asahi.com/event/wpph/

東京都写真美術館公式ホームページ
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3060.html

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