アメリカを代表する絵本作家ターシャ・テューダー。
私がもっとも憧れる人、尊敬する女(ひと)。
ターシャを世界的に有名にしたのは、絵本だけではありません。1971年、56歳のターシャは、バーモント州の山奥に土地を購入し、その後、息子のセスが建てた18世紀風の農家に移り住み、2008年92歳でこの世を去るまで植物や動物をこよなく愛し、私が理想とする”スローライフの暮しを実践し、また子ども4人を育てながらも四季折々の行事を大切にし、それはそれは素敵に暮しに取り入れているのです。
生誕100年となる2015年には、ターシャの世界を紹介する展覧会が日本でも2年をかけ巡回し、全国で約38万人の人々が魅了されました。
この度の映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』を観てまいりました。
タイトルの・・・とは「静かな水のように穏やかであること。周りに流されず自分の速さで進むこと」というターシャの言葉からとられているそうです。監督の松谷光絵さんが10年間にわたり取材してきた”自然体”の”等身大”のターシャには感動します。
パンフレットにはこのように書かれています。「思う通りに歩めばいいのよ」と微笑む、自由な精神あふれるがのこしてくれた、「人生を存分に楽しむヒント」をあなたに・・・・と。
映画の中に登場する絵本や書籍、料理のレシピ集やライフスタイル本などわくわくします。そして、宝石のようなことばの数々。
一生は短いんですもの。
やりたくないことに時間を
費やすなんて、もったいないわ。
何かに夢中になるのは
大事なことです。
何でもいいの。
それが人を前に進ませます。
家事も仕事も完璧になんて、
いくわけがありません。
だいたい、世の中に、
完璧なものなんてないでしょう。
開花したばかりの花や、生まれた
ばかりの赤ん坊くらいじゃない?
やりたい仕事は、
労働ではなく
楽しみになるのです。
心は一人ひとり違います。
その意味では、人はいつも
”ひとり”なのよ。
近道を探そうとしないこと。
価値のあるよいことはみんな、
時間も手間もかかるもんです。
ね、素敵でしょ!
私は昨年6月に「孤独って素敵なこと」(講談社)を出版しました。”終わりに”でこのようなことを書きました。
孤独だからこそ、自由でいられます。自分を知り、自らに優しくも厳しくもなることができます。家族や友人をより深く愛し、孤独の先にこそ幸せと豊かさがあると感じます。
こうして自分自身を振り返ると、ターシャ・テューダーさんから多くのことを学び、影響を受けてきたことに気づかされます。
箱根の自然に生かされ、スポットライトの下の自分よりも、箱根の古民家に一人いる時間が好きです。
有楽町 カドカワシネマ他にて
ターシャ・テューダー~静かな水の物語
[画像出典:映画公式サイトより]