海は燃えている

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久しぶりに静かな感動をおぼえる映画に出会いました。
また、報道では伝えられない真実を知ることができました。
想像力に富み、現代を生きる私たちに必要な映画。今すぐ見なくては!
(女優メリル・ストリープ 、第66回ベルリン国際映画祭審査委員長)
 
やさしい映画。お互いを思いやり、手を差伸べ合うことがたいせつ。そう気づかされる(フランシスコ・ローマ法王)
印象派の絵画のように、観るものを夢中にさせる(ニューヨークタイムス)
無関心への有効な一撃 (リベラ シオン)
この映画は、第66回ベルリン国際映画祭・金熊賞(グランプリ)を受賞。監督はジャンフランコ・ロージ。1964年、エリトリア国マスマラ生まれ。独立戦争中、13歳で家族と離れてイタリアへ避難。青年期をローマ、イスタンブールで過ごします。その後ニューヨークに移住し数々の国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しています。
あるとき、私は地中海に面したチュニジアに行きたくて計画をたてていました。具体的に決めさぁ行こう!というときに「アラブの春(ジャスミン革命)」が2011年に始まり残念ながら見送らざるをえませんでした。2015年のノーベル平和賞がチュニジアだけに与えられました。民主化に成功した「国民対話カルテット」が受賞の理由です。
この映画はチュニジアからもっとも近い、地中海のシチリア南方にあるイタリア領最南端の島・ランペドゥーサ島が舞台です。面積は鹿児島の与論島とほぼ同じくらい。島の人口は5500人に対して年間5万人を超える難民、移民がやってきます。
監督が始めてこの島に行ったのが2014年秋、国際映画祭で上映する10分の映画を撮るためだったそうです。そこで出会ったひとりの医師が20年もの間、救助された移民、難民の上陸に全て立会ってきたことを知ります。病院にいくも者、難民センターに行く者、死亡した者を振り分けるのは彼です。彼は相手が映画監督とは知らずに医療施設、人道救護などについて語ります。
濃密な話し合いの後、「自分の手で触れるよう」にと誰にも見せたことのない写真を見せられ、それを胸がはり裂かれるような思いで見つめ、これは自分の次回作にしなければ・・・と思ったそうです。そして1年半、島で暮らし地元の人々と知り合い、語り合い、その日常生活、リズムなどを経験します。映画の重要な役割を担う少年との出会い、島に暮す少年の慎ましい日常や医師、島民たちの暮らし・・・などがベースになっています。
その一方で、アフリカからの難民がヨーロッパへの通り道として上陸する島。その島を舞台に、現代社会が抱える問題についても描かれています。真正面からではなく、過剰なナレーションもなく、主観も入れず、静かに映像は、私たちに語りかけます。人間の尊厳、優しいまなざし・・・ロージ監督が映す画は、淡々としながら威厳があり、私は「どこか人事のように思っていた」ことに深いため息がでました。
それにしても美しい映像です。難民と島民が二重構造で描かれ、大量の死が私たちの間近にあることを知らずに生活していることを、考えさせられました。
渋谷・文化村で3月中旬頃まで上映されています。
映画の公式サイト
http://www.bitters.co.jp/umi/

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