ラ・ラ・ランド


(写真出典:映画公式サイトhttp://gaga.ne.jp/lalaland/)

映画『ラ・ラ・ランド』を観てまいりました。
アカデミー賞主演女優賞はじめ数々の賞を受賞した作品。
まず冒頭のシーンではタイトルが出る前に圧倒され魅了されました。その高速道路でのシーンでは埋め尽くされた車の列が映し出され、車の屋根やボンネット、そして道路で群集が踊り歌い、それを4分40秒まるでノーカットのように見せる映像とメロディーにいっきに心奪われます。本格的なミュージカル。かつてウエストサイドストーリーや数々のアメリカのミュージカルを見ていた60年代。日本でも「かつてない衝撃」と絶賛された「セッション」から2年、熱望していたデイミアン・チャゼル監督の最新作が『ラ・ラ・ランド』です。
舞台はハリウッド。映画スタジオのカフェで働く女優を目指すミア(エマ・ストーン)。オーデションを何度も受け続け夢に向かって進む彼女(アカデミー主演女優賞受賞)。そしてピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)。渋滞の高速道路で中で偶然出逢ったふたり。今回の映画はニューヨークではなくロサンゼルスが舞台。だからでしょうか、二人の出会いと恋、夢、それを「冬」から「秋」へと季節ごとに章分けで描かれるのですが、原色を強調した色彩がとても美しいのです。
衣装・部屋・照明、景色、空の色・・・かつてのハリウッドミージカルを彷彿させる豪華なセット。歌と踊りだけではなく、ふたりが夢を実現させるためには別れも訪れる。切ない人生と夢をドラマティックに描いていきます。それにしてもライアンが弾くピアノの見事なこと!「ずっと習いたかったピアノを習える絶好のチャンスに飛びついた」と語っていますが3ヶ月の猛レッスンであそこまで弾きこなすとは見事なプロ根性です。エマ・ストーンの踊りと歌も完璧すぎないリアルさが心地よいです。直前まで舞台「キャバレー」に出演していたとのこと。
先日、鈴木清順監督が93歳でなくなりました。
この「ラ・ラ・ランド」のチャゼル監督は、清順監督の美学に刺激され影響をうけたといわれています。それが、何かは・・・観ての楽しみにしてください。久しぶりに音楽への愛、情熱を堪能いたしました。
そうそう、映画の開巻、画面が横に長く広がり、『シネマスコープ』と出てきます。このワイドスクリーンはハリウッドの黄金時代のミュージカル大作に多く使われていました。しかし、見事なまでに「今」の時代のミュージカル映画です。

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