映画 CAROL

「キャロル」を有楽町のTOHOシネマズみゆき座で観てまいりました。
私はキャロル役のケイト・ブランシェットのファンです。オーストラリア・メルボルン生まれ。「エリザベス」でイングランド女王エリザベス一世を見事に演じ、ゴールデン・グローブ賞など数々の賞に輝き、大人の女を見事に演じられる演技者です。また大女優キャサリン・ヘップパーンを演じアカデミー助演女優賞を受賞するなどの実力者です。最近では「ブルージャスミン」(13年ウディ・アレン監督)で主演女優賞に輝いています。
日本経済新聞(夕刊)シネマ万華鏡には「近年まれな、しっとりとした情念をたたえた恋愛映画の秀作である。題材は女性同士の愛だが、これ見よがしの描写はいっさいなく、にもかかわらず、切迫した人間的エモーションを生々しく伝えてくる。本年屈指の一本。」と書かれていました。
舞台は1952年のニューヨーク。その時代の背景・美術、きめ細やかなセット。衣装は華やかではないのですが、シックでその時代の上流社会の大人のエレガンスを堪能できます。
原作は「太陽がいっぱい」で有名パトリシア・ハイスミス(私はこの原作者が女性であったことを知りませんでした)。ミステリー作家で今回の「キャロル」は彼女の唯一の恋愛小説だそうです。心理描写が繊細で、女性にしか書けない・・・と思わせる見事さ。脚本はすべて原作に忠実かといえばそれは違い、トッド・ヘインズ監督の繊細な計算されつくした描写は見事です。
このように書かれています。原作では(ふたりの視線が出会ったのは、ほぼ同時だった)しかし監督は、この出会いの場面で、若きテレーズにキャロルを見つめさせ、その後キャロルが彼女の視線に気づく。監督の言葉をかりれば”視線と視点”「視点の変化」が効果的に観客をこの映画を自然に導いて”心の旅”へと誘ってくれる。
クリスマスを間近に控えた高級百貨店の玩具売り場でアルバイトをするテレーズ役のルーニー・マーラー。彼女の美しさと演技力に魅了されます。二人の出会いはキャロルの忘れた手袋を届けたことから、お礼に昼食に誘われます。初めての会話なのに互いの境遇を知ります。キャロルには別居中の夫がいますが、離婚すれば娘の親権を奪われる可能性があります。ただ飾り物のように振舞うことだけを求められているような上流階級の妻の座。テレーズには結婚を求める恋人がいますが、なにか人生の方向が見出せません。
“心に正直に生きるための旅に出るふたり”
画面展開が素晴らしいのです。
映画ですから詳しくは書きませんね。
ただ、レスビアン・・・とかたずけられない人間のガラス細工のような繊細でもろくで、しかし”真実”に向かう姿勢には感動をおぼえます。
舞台となった1950年代はまだ世の中には偏見があり受け入れられなかった愛。
ちなみに原作者のパトリシア・ハイスミスもレスビアンだったとか。それにしても主演女優の二人の素晴らしい演技。人間が自然に恋におちてお互いを必要とした世界が見事に表現されていて、女性の心理をよく理解している監督が見事です。
ケイト・ブランシェットのファンの私には贅沢な映画でした。
仕事で東京に出かける時は、時間を作って映画館や美術館に足を向けます。ほんとうは舞台もコンサート、落語にももっと行きたいのですが、限られた時間の場合はこの二つが至福の時間に変わります。
今を大事に丁寧に生きたい・・・と切に思うようになりました。
やりたいと思ったら、いつかと先送りせず、即、行動する・・・それが、この頃の私です。
映画公式HP
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「映画 CAROL」への4件のフィードバック

  1. 浜様
     至福の時間を過ごされて来たようで何よりでしたね。
    私も「キャロル」観たいと思っています。
     
     昨日もFMから流れてきた、昔観た大好きな映画「フォーローミー」の中のサウンドトラック版に涙してしまいました。  
     今、そんな時間を持てる事も有難く幸せな事と痛感しています。
    インフルエンザが流行しています。どうぞご自愛下さいますように。
                                   郁代

  2. 春めいてきました。一昨日千葉の里山でふきのとうつみをし、ふきみそをつくりました
    浜様私もエルザべスみてケイトブランシェット大好きになりました
    新聞今日見ていきたいなあと思っていたところでした
    先日の愛しき—-もいってきました
    素敵な映画紹介ありがとうございます、素敵な感動をそんな日々を過ごしたいと思っています

  3. 郁代さん
    今日の日のような雨は雨水・・・うすい、というのでしょうか。
    3月にどか雪!が降らないことを祈るばかりです。
    「キャロル」はいろいろ考えさせられる映画でした。
    題材は女同士の愛ですが、「自分に正直」に生きることの難しさ、
    自分の内面を正直に見つめる・・・それは生きていく上で大切なことなのですね。
    映画や美術を通し、至福の時間は持ち続けたいと思います。
    郁代さんもお身体ご自愛くださいませ。
    浜美枝

  4. nakazawayoshikoさん
    蕗味噌ですか!
    春寒のなかで確実に春の足音が聞こえてまいりますね。
    山の桜、コメ桜は4月の下旬ころには満開になります。
    小さな花びらが恥ずかしそうに下を向いて咲きます。
    山にはようやく本格的な春の訪れです。
    ”ケイト・ブランシェット”素晴らしいです。ぜひご覧ください。
    繊細な心理描写には、ただただため息がでました。
    大女優の仲間入りですね。
    どうぞお元気で。
    浜美枝

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