信州・長野の旅

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長野を2泊3日で旅をしてまいりました。
今回の旅は南健二さんの写真展、柳宗悦展、そして玉村豊男さんの”ヴィラベスト”を訪ねるのが目的の旅でした。
ラジオ収録後、東京駅から長野まで新幹線に飛び乗り南ご夫妻と松本へ。
南さんは何十年も、C.W.ニコルさんに寄り添うように、彼の写真を撮り続けてきました。今年はニコルさんの来日50年記念で、
「けふはここ、あすはどこ、あさつてはC.W.ニコル x 山頭火の世界」というタイトルで写真集を出版されました。
この写真集を見せていただいたとき、ニコルさんと南さんと共に、アファンの森を歩いた数々の日のことが走馬灯のように脳に蘇えり、胸が熱くなりました。
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松本でのギャラリーで見る写真、一枚一枚の何と自然体なことでしょう。
お二人の間には深い信頼関係がなければこうはいきません。
素晴らしい写真展でした。
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松本で宿泊し、翌朝向かった先は、喫茶店「珈琲まるも」です。
この「まるも」にはたくさんの思い出があります。
ありすぎて、とても書ききれません。
松本駅に降りると、いつも女鳥羽川沿いの喫茶店に向かいます。
信州・松本は、私にとって癒しの土地です。
心にふと迷いが出たとき、都会に疲れたとき、私はすぐ特急あずさ号に飛び乗って、信州・松本に旅立つのです。
香り高いコーヒー、そしてクラッシック音楽が静かに流れ、今着いたばかりの旅人をすぐこの土地の人としてさりげなくなごませてくれる、そんな喫茶店なのです。
尊敬する池田三四郎先生にお会いするのに、こうして心のウオーミングアップをいたしました。この喫茶店には英国ウインザー調のテーブルや椅子があり、かつて松本深志高校の青年たちが熱っぽく語りあっただろう雰囲気が伝わってきます。そして、使い込まれた松本民芸家具の椅子に座ると、こんな声が聞こえてきます。
「その椅子は、私がウインザー調の椅子にのめり込んだ最初の頃の作ですよ。50数年浜さんも含めて十万人もの人が座ったんじゃないかな。多くの人に使われても、ビクともしません。自然に磨かれて、皆さんに座っていただいて、なかなか味がでているでしょう・・・」
あのときの先生の声と笑顔が忘れられません。
先生には民藝の世界を30年近く教えていただきました。
先生にお会いするだけで心安らぐ思いがしました。
民藝運動の創始者、柳宗悦先生、濱田庄司先生たちのもと天国でどんなお話をなさっているかしら・・・興味深いです。
確か、私が「美しいとは何か」を問いかけたときでした。
「一本のネギにも、一本の大根にも、この世の自然の想像物のどんなものににも美があるんですよ。問題は、人間がそれを美しいと感じる心を身体で会得しているかどうかなんだ」・・・先生は、淡々と語っていらっしゃいました。私はまだまだ未熟だと思ったのでした。
先生はいつも高慢な精神を戒め、そこにあるものの、あるがままの美しさの会得を教えてくださるのです。
道端の名もなき草花や、すれ違う動物や昆虫。
私たちもそこに置かれている。それが大切なのだと。
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お蕎麦を食べてから柳宗悦展ー暮らしへのまなざし」を観にゆきました。
「天然に従順なるものは、天然の愛を享ける」
無名の職人たちの手によって生み出された日用雑器に美を見出し、独自の審美眼により新しい美の概念と工芸理論を展開した、柳宗悦。私の十代のころからの憧れです。素晴らしい展覧会でした。
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そして、松本民芸館へと向かいました。
ここからふるさとの山となる青葉 (山頭火)
人生の喜びを学んだ私の松本の旅でした。
そして一路黒姫へ。
四季の移り変わりを全身で感じる南さん宅に泊めて頂き、お酒と美味しい料理。とても嬉しかったです。とても幸せでした。
ありがとうございました。
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翌日は黒姫から長野、そして上田へと向かいました。
駅には玉村豊男さんの奥様、抄恵子さんがお迎えに来てくださり、『恵の雨』をお土産にヴィラデスト・ガーデンファームアンドワイナリーへ。
ガーデンには、ルピナス、ムスカリ、サクラソウ、アウリニア、セイヨウミミナグサ、黄色の可憐な花、ギンバカゲロウ、りナムが満開でした。
オダマキも色々な種類があるのですね。
クレマチスも竹の垣根に美しく咲いています。
ため息が出るほど美しいガーデンです。
ランチは農園のカフェで抄恵子さんと久しぶりにおしゃべりをしながらの食事です。ご夫妻が丹精こめてつくってきたガーデンを眺めながら、地元産の野菜の美味しいこと・・・もちろんお肉も。
次回は刻々と変化する夕やけの景色の中、豊男さんが葡萄から生産したワインを飲みながら・・・など想像してしまいました。
実りある豊かな旅でした。
今年は私にとって大きな節目の年です。
旅は「賜る」からきたとか。
たくさんの幸せをありがとうございました。

「信州・長野の旅」への2件のフィードバック

  1. 何と充実した有意義な旅でしょう!
    初夏の緑も美しいですね。
    珈琲まるも、松本民芸館、、。心は既にそこに向かっております。

  2. そうですね、とても充実した旅でした。
    日本は素晴らしい文化の宝庫ですね。
    だから旅はやめられません。
    浜美枝

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