新幹線お掃除の天使たち

来週末からは本格的な帰省ラッシュが始まりますね。
皆さんの中にも新幹線を使って、故郷へ帰る方も多いのではないでしょうか。
私は旅が多いのでよく新幹線を使います。
この3、4年、北に行く際にとても気になる光景を目にいたします。
新幹線の車両清掃している方々です。
特に女性たちの手際のよいこと。それだけではありません。
新幹線が到着すると、整列してビシッと一礼する姿。
なによりも真心がこもっているのです。
こんなことが今年の初秋の頃にありました。
盛岡に行くため、階段を上り新幹線の乗る車両をめがけて歩き始めていたのですが、階段を上りきった所に白い杖をつき、あたりをうろうろしている70代後半らしき男性がいらっしゃいました。
とっさに、あ、号車がおわかりにならないのだわ、と思ったのですが、出発時間になっていたので、私はそのまま乗車してしまいました。窓から心配で見ていたら、清掃の女性が何か話しかけ、切符を確認してから肩をかし歩き始めました。「あ、申し訳ないことをしたわ。それにして何て機敏な行動なのかしら。」と思ったのです。
震災後は「がんばるぞ!ニッポン」のネームプレートを胸につけ
けっして「がんばろう!ニッポン」ではないのですね。
春は桜の小枝、夏季はハイビスカスの花、鯉のぼり・・・と目を楽しませてくれます。
ホームの下に目をやれば、地下をキビキビと足早に歩く姿。
この方々はどのような教育を受け、こうして活き活きと誇りをもって仕事をしているのかしら。気になっておりました。
そこで、出会ったのが「新幹線お掃除の天使たち
「世界一の現場力」はどう生まれたか?
世界最速の「魅せる清掃」!
世界最強の「チームワーク」!
停車中のたった7分間で新幹線をピカピカにする”テッセイ”が各国メディアから大絶賛・・・と帯に書かれています。
さっそく文化放送「浜 美枝のいつかあなたと」(日曜10時半~11時)に著者の遠藤功さんをスタジオにお招きいたしました。
遠藤さんは1956年、東京生まれ。
早稲田大学商学部を卒業後、三菱電機に入社し、その後、経営コンサルタントの道に進みます。現在、早稲田大学での教職に加え、ヨーロッパ最大の戦略コンサルティング会社ローランド・ベルガーの日本法人会長としてのお仕事もなさっておられます。著書も数多く、
現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件
未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある
などがあります。
ご本の中には、新幹線の清掃スタッフが紡ぎ出す、心温まるエピソードがたくさん。遠藤さんは何よりも「現場力」を大事になさいます。JR東日本の清掃スタッフの想像を超える仕事ぶり、魅せる清掃、責任感、プロ意識。
これらは一朝一夕にできるものではありません。
女性の包み込むような優しさが大きな戦力になっています。
会社はJR東日本のグループ会社、鉄道整備会社(通称テッセイ)
そこには真心のこもった、日本人の「おもてなし」の心がみえてきます。
どんな仕事にも、情熱と誇りをもつことの大切さを教えてくれます。
日本人の「礼に始まり、礼に終わる」文化も学びます。
ぜひラジオをお聴きください。
12月23日放送です。