宮城の旅

宮城を旅してまいりました。
今年、6月7,8日と「食アメ」の皆さんと鳴子を旅し、地元の方々との素晴らしい出会いの場がありました。
それから1週間後の14日8時43分ころ、岩手、宮城で震度6強の地震が発生。その後が気になっていましたが、12月26日に仙台で開催されるイベントのため、宮城を一巡り・・・というチャンスに恵まれ伺ってまいりました。鳴子温泉・鬼首(おにこうべ)の方々との再会は逆に私が勇気づけられるほどのものでした。
鬼首の取り組みについては来週「NHKラジオ深夜便」で詳しくお話いたします。
東京から”はやて”で古川へ。
そこから陸羽東線リゾート列車で晩秋の柔らかな日射しの中を鳴子温泉へと向かいます。現代の湯治について熱く語る大沼さんと、これからの湯治について語り合い、農家レストラン「土風里」ではどぶろくと地元野菜の料理を堪能。ここにも豊な食材と笑顔の美しい女性たち、そして、海の豊かさを育む人たちとの出会いがあります。

美味しい牡蠣を作るために、志津川では漁師が山に木を植えています。
“森の栄養が川や海の命を育てる”
「森は海の恋人」という素敵な本に出会ったのは20年ほど前のこと。
主人公は、唐桑町在住の牡蠣養殖業者・畠山重篤さん。畠山さんは、父から継いだ牡蠣やホタテ貝の養殖をしているのですが、1965年頃から、目に見えて海の力が衰えてきたことに気がついたそうです。
「なぜ、海がこんなに力を失ってしまったのだろう」と考えた畠山さんの脳裏に浮かんできたのが、かつて視察で訪ねたフランスのブルターニュ地方の風景だったそうです。ロワール川の河口には、見事な牡蠣が育っています。干潟にはカニや小エビ、ナマコがたわむれていました。その海を見たとき、畠山さんは「これはかつての宮城の海だ!」と感激したそうです。
それから一心に考えました。宮城の海とブルターニュの海と、一体、何が違うか。
“それは、森”
ブルターニュの山々は広葉樹の森が広がっています。
海の源は川であり、川の源は森ではないのか。
もう一度、宮城の海を生き返らせよう、そのために山の森を再生しようという運動を始め「牡蠣の森を慕う会」が生まれ、気仙沼湾に注ぐ大川上流の山に集い、広葉樹の植林を行ってきました。
その村は岩手県の室根村でした。
その思いが志津川の漁師たちにも受け継がれているのです。
現代の日本は、林業という産業が成り立ちにくい社会になっています。
森の豊富な栄養分が水に溶け、川を通って海に注がれ、海の生物たちを育てていくのです。農村の山々の自然が、海の自然に大きく影響していくのです。水は流れ、地球を循環していくということを、私達は忘れてはならないのです。
森、山、川、海、生物の命、そして私たちの命。そのすべてが連鎖しています。
宮城の美しい海がいつまでも守られますように・・・と願いました。
採れたての牡蠣・アワビを船上で食べ、「美味しい!」と思わず叫んでしまいました。

塩竈では”ひがしもの”(塩竈のブランドメバチマグロ)談義。
美味しいネタとは新鮮なだけではなく、寿司屋とマグロを選ぶ「目利き」の仲買人の存在が大きいことを知りました。地酒とひがしもの・・・ごちそうさまでした!

12月26日は杜の都「仙台」を”伊達”に演出するイベント「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン・ファイナルイベント」に参加いたします。