唐津・洋々閣への旅

皆さまはゴールデン・ウイークはどのようにお過ごしでしょうか?
私の住む箱根のこの時期は身動きが取れないほどの渋滞になってしまうので、自宅でのんびり過ごすことに致しました。そんなこともあり、先週かねてから念願だった唐津の「洋々閣」に行ってまいりました。そこで「中里隆のうつわ展」が開催されているからです。
「洋々閣」は私の憧れの宿でした。
唐津には何度かお訪ねしているのですが、敷居が高い・・・宿でした。
今回ようやくその夢がかないました。この宿は九州の中でも格別の宿です。
無人駅の「虹の松原駅」から宿にたどり着くまでが、まるでドラマのようでした。
無人駅には藤の花が咲き誇り、旅人を迎えてくれます。
宿には郷土を愛する人々の愛と理想と夢が込められています。
私は、一度親しくなると、人でもものでも、長くお付き合いをさせて頂くのですが、最初の一歩がなかなか踏み出せないところがあります。意を決して泊めていただきました。
“大正解”でした。
まず、中里隆さんの素晴らしい作品に出逢えたこと。かねがね中里さんのお噂は伺っておりました。七十歳で窯変した記念すべき展示でした。
(5月31日まで開催)
世界を旅し、その土地ならではの土を用い作陶に没頭された姿が想像できます。
今回、私は”ピッチャー”をもとめました。
「用の美すなわち日常に使えてこそ”美”は存在すること」を見事に表現してくれた展覧会でした。時を忘れたように、数々の作品に見入りました。
宿のご夫妻の美意識のこだわりを拝見いたしました。
日本の美を体現しているような静謐な美しさをたたえている旅館でした。
玄関を一歩入ると「花守」になる壷の活花。
器好きにはたまらない程の”器と料理”・・・全てが満足の滞在でした。
なによりも感じたことは「宿の主人と作り手の作家との”心の通い合い”」でした。素晴らしい滞在に感謝し、清清しい気持ちで帰路につけたことに心より御礼申し上げます。



浜美枝のいつかあなたと ~ 野坂暘子さん

文化放送「浜美枝のいつかあなたと」(日曜10時半~11時)
今回はお客さまに、小説家・野坂昭如さんの奥様で、
このたび「リハビリ・ダンディ」というご本を書かれた野坂暘子さんをお迎えいたしました。
宝塚歌劇団に在籍中、小説家の野坂昭如さんと知り合い、21歳でご結婚されました。40数年に渡り「野坂昭如の妻」であり、また2人の娘さんの「母」でもあり、同時に画廊の経営者、シャンソン歌手としてもご活躍されています。
このたび脳梗塞に倒れられた夫・野坂昭如さんとの二人三脚の生活を描いた「リハビリ・ダンディー」を上梓。話題の一冊です。
帯には
6年前、72歳の夫が脳梗塞に倒れ、人生の第二幕が上がった。
         半身マヒ、骨折、肺炎・・・・・
    困難にめげず、共演者の野坂に声をかける。
「あなた、私についてきて!二人でカッコいいステージを演じよう」
副題に「野坂昭如と私 介護の二千日」とあります。
脳梗塞で倒れ、緊急入院。
幸いにも命を取り留めリハビリ専門病院に入院された野坂さん。
半年後には「病院を出て家に帰る」ことを決められたそうです。
このままでは、野坂さんの気持ちが萎えてしまう、もう一度書斎の椅子に座らせたい・・・と思われたそうです。
そこから家での介護がはじまります。
スタジオでお会いした暘子さんの素敵な笑顔。
介護がどれほど大変なことかは想像できます。
「何もかもが精一杯だった。それでもがむしゃらに立ち向かっていった日々が思い出される。混乱の渦の中で、私は一人ぼっちだった。よく泣いていた。よく神に祈っていた。私に力をください、私をくじけないように守ってほしいと。私は守られている。今、そう思う。そして私は彼を守っている」
「まかせておいて、私、あなたのお母さんにでも、女神さまにでもなってあげるから」
あら、この先、楽しそうじゃない。
とあとがきに書かれています。
本の表紙の写真は野坂さんが倒れて4年目。次女の亜末さんとステッキを使わずバージンロードを歩かれ、会場には大きな拍手が沸き起こり、幸せな野坂さん、暘子さんの姿が素敵に映っています。
以前、この番組が生放送の頃に野坂昭如さんにご出演いただいたことがあります。
「今朝、出掛けに浜さんとお会いするのよ、と申したら野阪が”リハビリ頑張るからまた呼んでください”とのことづけをあずかりました」と。
野坂昭如さん・・・”スタジオでお待ち致しております”
詳しくは4月26日(日)10時半から11時までの放送をお聴きください。

http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=bloghamamiejp-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4120040038&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr

NHKラジオ深夜便「大人の旅ガイド~飛騨市神岡町・山之村」

今夜ご紹介する飛騨市神岡町山之村は、岐阜県の北端に位置し北は富山県、東は高山、南は飛騨古川町、西は宮川町に境が接しています。近隣都市からは、高山市の北へ44.3キロ、富山市から南南東へ48キロの位置にあります。
市街地から22km山間に入った標高千メートルの楽園、
地図にない村”山之村”です。
雄大な北アルプス飛騨側山麓の高原に点在する7つの集落(森茂・伊西・下之本・瀬戸・打保・和佐府・岩井谷)70戸からなる山之村。
ここは昔ながらののどかな山村風景がひろがります。
辺境の集落、そのどの家にも全面が板造りの伝統的な倉庫「板倉」が残っています。700年の歴史をもつこの地域には、茅葺きの家や、地蔵堂や道祖神などがあり、そこには穏やかな空気が流れ、まさに日本の故郷といった感じがします。
全国的に深刻な過疎化と高齢化が進んでいますが、山之村のみなさんは持続可能な村づくりに一生懸命です。現在、市町村合併が進んだなかで、一般的に中山間地域は行政のきめ細かな支援等が行き届かなくなり、更なる過疎化への道へ、との声もありますが、ここ山之村は神岡町の住民との連携もとられ素晴らしい活動をしています。
この村は「にほんの里100選」にも選ばれています。
選定委員長の映画監督・山田洋次さんは
「にほんの里100選というタイトルをはじめて聞かされたときに感じたのは、なつかしい風景や誇るべき暮らしの文化を残しているような地方が、ぼくたちの国に百カ所もみつかるだろうか、という不安だった。しかし、ふたを開けてみて驚いた。寅さん映画の監督として日本中を歩き回った経験など実に貧弱でナンセンスということを思い知らされた。」
と語られています。私もそう思います。
私がこの村を始めて訪れたのは一昨年の12月、この山之村で作られている「寒干し大根」を求めて伺ったのが始めてです。寒干し大根は1、2月の極寒期に天日干しをし、キツネ色に変わり保存食として、どの家庭でも作られています。冬景色の美しさと共に、その美味しさはまた格別なものです。
その「寒干し大根」を作り続けてきた「すずしろグループ」の皆さんが「食アメニティコンテスト」で農林水産大臣賞を受賞なさいました。軒先に藁で吊るしていたものを串にさして、そろばんを縦型にしたような干し台が工夫されまさに、村の風物詩として全国に知られるようになりました。
「すずしろグループ」も創立20周年を迎えられました。
今は自然食ブームなので売り出せますが、当初は大変なご苦労だったと思います。
「毎日毎日積もる雪、いつになったら春が来るのかと思っていた。雪よけをしながら山々を見ると、木々にも雪が積もっている。いつになったら雪がとけるのだろう。この長い冬を何か利用することがないか、楽しみはないかと思っていた頃、昔から山之村には保存食としての「寒干し大根」がある。これを生かし、冬にしかできない食文化を大切にしよう」
と思い皆さんでとりくまれたのでした。
美しい暮らしを残す・・・という事は、そこに人の営みがあって初めて守られるのですね。
北ノ俣岳(2,661m)登山の中継地としても知られ山之村には、コテージ、バンガローを備えたキャンプ場があり、奥飛騨山之村牧場では白樺の森に囲まれて、牛たちとのんびり、草を食む緑のまきばでのんびりすることが出来ます。(4月29日オープン~11月の頃・雪が降るまで)
旅館や民宿もあり、豊な自然を満喫できます。
先ほど申し上げた「寒干し大根」は山之村牧場で購入できます。3月下旬に再び訪ねたら、まだ小雪が舞い春にはあと一歩・・・というところでしたが、代表の清水利子さんは「今年もいい味になりました!」とおっしゃっていました。さっそく私も帰宅してから料理しました。シンプルに煮物も美味しいし、中華風に椎茸、白菜、キクラゲ、エビを油で炒めてみました。
バスで山ノ村から神岡町に戻ったら、市街地を散策してください。神岡町市街地は大洞山(1,348m)直下の盆地にあるため、湧き水が豊富で至る所に地元の人々が共同で管理している水車があり、年中冷たくて美味しい水が流れています。
疲れたら、平成17年4月にオープンした「平成の芝居小屋・船津座」でひと休み。船津座は飛騨の匠の伝統の技を結集した建物です。
飛騨は春夏秋冬・それぞれの自然が楽しめます。その中にあって”あるがままの自然”と共に暮らす神岡町の奥座敷”山之村”をご紹介しました。

【旅の足】
富山から~高山本線で猪谷(46km,33分)バス40分神岡市外
        神岡~バス・車(22km,40分)
名古屋から~高山本線で古川(2時間25分)バス45分神岡市外
松本からは車の場合、安房トンネルを抜け乗鞍スカイラインで高山へ
新宿駅西口から高山まで高速バス有。(約5時間30分)
大阪(近鉄なんば)から高山まで高速バス有。(約5時間20分) 

【お問い合わせ先】
社団法人 飛騨市観光協会
TEL 0577-74-1192
FAX 0577-73-0099

浜美枝のいつかあなたと ~ 養老孟司さん

文化放送「浜美枝のいつかあなたと」(日曜日10時半~11時)
今回は2本分を収録いたしました。(4月12日、19日分)
お客様に、解剖学者の養老孟司さんをお迎えいたしました。
養老さんは1937年、鎌倉のお生まれ。
1981年、東京大学医学部教授に就任。
専門である解剖学や脳の働きについての先端的な研究・発言をされ、
注目をあつめます。95年に東京大学を退官されて以降は、社会現象や
人間のありかたに関するご本を多く書かれ、2003年に発表された
「バカの壁」はベストセラーになりました。

養老さんの最新刊「読まない力」を1本目は中心に。(PHP新書から発売中)
ちょっと変わったタイトルですので、どんな意味があるのか・・・。
(言葉を信じすぎないこと。言葉に振り回されないこと等。)
養老さんは7歳で終戦を迎えられました。
終戦前と後では、大人たちや学校の先生の言うことががらりと変わり、
その辺りが”言葉”に大きく影響しているとお見受けしました。
「読まない力」のご本の中で、養老さんはアメリカなどの経済大国と中国、
インドなど、近年、エネルギーの消費量が急成長している国との関係も分析されています。
そして、欧米諸国の「欺瞞」が「地球温暖化問題」の語られかたに現れているのではないかとも・・・。また、「文明という秩序は、それと同じ量の無秩序と対になっている」とも記されています。
“人間の脳にも、同じ法則”があるとか・・・。
後はぜひ、番組をお聴きください。
分かりやすい言葉で解説してくださいました。
2週目(19日放送)はプライベートでの養老さんのお話を伺いました。昆虫採集、日本の教育制度、「京都国際マンガミュージアム」の館長として、現代の子供達の置かれている環境、日本の農業・農村の問題、興味深かったのは「現代人も参勤交代」をするべき!とのご発言。
こちらも是非ラジオをお聴きください。
今回も素敵なお話をしていただきました。
養老先生ありがとうございました。

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親子で学ぼう!春の温暖化防止スクール

先日楽しいイベントに参加いたしました。
「親子で学ぼう!春の温暖化防止スクール」です。
小田急電鉄が運行する 臨時列車「エコ・ロマンスカー」に一般親子50組100名をご招待し、ロマンスカーには環境大臣、箱根副町長、小田急電鉄社長、小田急箱根ホールディングス社長、気象予報士、森田正光さん、そして私でした。
このイベントは3月から始まった「箱根がエコになる!低酸素社会づくりキャンペーン」の一環として開催されました。新宿駅に集合しロマンスカーに乗り込みました。約1時間半の小さな旅です。
気象予報士ハレルヤの方々による気象実験教室、森田さんのお話「気象と地球温暖化の影響」はとても分かりやすく、楽しみながらの勉強に小学生の皆さんの目は輝いていました。
私は住民代表としてこんなお話をさせて頂きました。
「箱根に住んで30年。最初は子育てに良い自然の環境に惹かれて移り住んだのがきっかけです。
まず今日皆さんに一番お話したいと思っておりましたのは、「地産地消」のことです。「地産地消」とは、神奈川県にお住まいならなるべく神奈川で採れたもの、東京の方なら近郊のものを進んで食べるようにすれば、食べ物を遠くから運んでくるのに排出されるCO2の量を減らすことができます。
フードマイレージという言葉を知っていますか?
食べ物の量と運ぶ距離をかけたもので、この数値がとても高いのが日本なのです。日本はそれだけ遠くの国から食べ物を運んでいます。運ぶためには飛行機や船やトラックなどを使うため、沢山のガソリンが必要となり、その結果CO2排出量が増えてしまうのです。
フードマイレージを小さくするために一番良いのが「地産地消」なのです。皆さんが地元のお野菜などを進んで食べるようにしていただけると、この数値がどんどん減って環境への負担も軽くなります。
それから皆さんにお願いしたいのはご飯を残さず食べること。生ごみを出さないということもエコ活動につながります。
お父さん、お母さん達にも是非お願いしたいことがあって、実行されている方も多いようですが、日ごろからエコバックを持ち歩いて欲しいということです。
エコ活動は何も難しいことではなくて、こういった日々の生活の身近な部分にも私たちができることは沢山あります。大切なのは一人ひとりがちょっと気をつけること。皆んなで頑張っていきましょう。」
と、このような話をさせて頂きました。
ドイツの環境規制は世界一厳しいといわれます。
私も、グリーンツーリズムの旅で何度もお邪魔していますが、その徹底ぶりにはいつも舌をまいています。ドイツも、日本同様、戦後、環境破壊が進みました。しかし1980年代に入って、国をあげて自然環境保護に取り組むようになったのです。今、ドイツに広がる緑豊かな森の多くは、破壊から再生への道をたどったものだそうです。
こうした、自然環境保護を支えるのが、環境教育です。
子どもたちに自然を身近に感じてもらうために多くの学校が環境に配慮した校庭づくりをし、そこにビオトープ(生物の生息場所)を作っています。自然を身近に感じることが、自然を大切にすることの原点であるという思想がそこにあるような気がします。
ご一緒した50名の小学生の皆さんが”何か”を感じてくれたはずです。
皆さんには、この日のために特別に、特製地産地消弁当とロマンスカー・MSEランチボックスが用意され、のんびり楽しい旅でした。

箱根ラリック美術館を訪ねる旅

東京からは、例年より早い桜の便りが届きましたが、ここ箱根ではまだ固いつぼみが、春の訪れを待っています。そんな午後、我が家から車で約20分のラリック美術館に出かけました。
私にとって美術館は、心を支えてくれる場所。
20歳からは日本全国のみならず海外にも旅しているのですが、見知らぬ街を訪ねたときにはできる限り、私はその街にある美術館を訪ねるようにしています。アート自体に感動すると同時に、そこに住む人々が大切にしているアートに触れることで、その街をより深く理解できるような気がするのです。
24年前にはNHK「日曜美術館」のキャスターを務め、多くのアートや芸術家の人生にも向き合い、さらにアートは身近なものになりました。そしてすぐれたアートとは、生きる力を与えてくれるものだと確信するようになりました。
実は、私が住む箱根には素敵な美術館がたくさんあります。ポーラ美術館、箱根美術館、彫刻の森美術館、そして私がもっとも頻繁にお訪ねするこのラリック美術館……。
ルネ・ラリックは、アール・ヌーヴォー、アール・デコの両時代を代表する芸術家。1925年のアール・デコ博では、会場のモニュメントとなる高さ15mのガラスの噴水「フランスの水源」を制作しました。また、オリエント急行や豪華客船ノルマンディー号などの室内装飾にもその才能を発揮しています。
私はラリックのアートが大好きで、箱根の我が家でもラリックのキャンドルスタンドやガラスの大皿、香水瓶、シャンパングラスなど、愛用しています。ガラスの透明な美しさ、写実的で力強いモチーフ、彫刻といっていいほどの造形力……日々の何気ない暮らしを美しく彩ってくれる、私の大切な道具たちです。
ラリック美術館には、さらにすばらしい世界が広がっています。創作活動のドラマチックな全貌がつかめる、圧巻のコレクションです。写真やカタログでは伝わらない本物の魅力と迫力に、私はいつも感激してしまいます。
その上、館内から一歩外に出ると、そこは見事な庭園が広がっています。ラリックの余韻にひたりながら、ラリックの大好きな植物や自然を感じながら、ランチをいただいたり、コーヒーを味わったり。それも、この美術館ならではの楽しみです。
ラリック美術館をはじめとする美術館は、箱根に暮らす私に喜びを与えてくれる大切な場所なのです。そんなラリック美術館など、私の箱根のお気に入りのスポットを、ひとりでも多くの人に味わって、愛していただきたいと、今、プランを練っています。たとえばラリック美術館では、学芸員の案内で芸術品に関する説明をうけ、より深くアートと向き合う……心がきらりと光り、明日へ向かう気持ちをそっと後押ししてくれるような、小さな旅です。
そこで感じる私の喜びや感動をお話しするために、もちろん私も1日、ご一緒させていただきます。もし、ご興味がありましたら、このブログの左上にある「Mie’s Living~浜美枝があなたに贈る素敵な暮らし方」をクリックしてみてください。
また、これから「Mie’s Living~浜美枝があなたに贈る素敵な暮らし方」では、私が暮らしの中で考えてきたことなどをじっくり、お話していきたいと思っています。私の日々と活動をつづるこのブログと合わせて、「Mie’s Living」もお楽しみいただければ、嬉しいです。


NHKラジオ深夜便「大人の旅ガイド~神奈川県南足柄市・千津島地区」

今夜ご紹介するところは神奈川県南足柄市・千津島地区です。
千津島地区は南足柄市の北東部に位置し、酒匂川の開口部に位置した美しい農村地域です。
南足柄は私の住む箱根町のお隣の市です。南足柄は「古事記」などによると、官道であった足柄道を通じて、都の文化が東国に伝えられたと記録され、「万葉集」には足柄道をいく旅人の歌がいくつも収められています。
箱根・仙石原から「金時登山口」を経て金時山を抜け、静岡県の県境に、足柄峠・金時山ハイキングコース、足柄峠から万葉ハイキングコースもあり一度は歩いてみたいコースです。
以前、NHK・BSで「日めくり万葉集」に出演したことがあり、箱根にちなんだ歌を選んでほしいとのご依頼があり、
「足柄の 箱根の山に 粟蒔きて 実とはなれるを あはなくも怪し」
を選んだことがございます。「農の歌編」です。私は詠み人知らずの歌がとても好きです。その土地を旅している気分になれるからです。南足柄の地は、古来より歴史とロマンに彩られてきました。
この歌を詠んだ女性は、山を切り開いたような畑で粟を育てていたのでしょう。険しい山間で粟を育てるのはさぞかし大変だっただろうと思いますが、おおらかで、素朴な言葉遊びの歌に読み込まれた女性の心を想像するのは楽しいです。「粟は実ったのに、あはない」の素朴な掛け言葉に、ふられた女性の何か突き抜けた感じ、ちょっとした心のゆとりを感じました。
粟は今だと5月頃に種を蒔き、10月から11月にかけて収穫します。ですからこの女性は、もう半年も、男性との逢瀬が途絶えているのかもしれません。そして、当時の人々は、絶えず神や自然に対する信仰心や恐れを持っていたのでしょう。とりわけ、足柄峠には、荒ぶる神が御座す、と考えられていたと思います。
私は古代料理研究家の方に教えていただいて、当時の農民の方々の主食を再現してみました。粟8、玄米2の割合で釜で炊いてみましたが、美味しかったです。「南足柄市観光マップ」を見ながらそんなことを思い出しました。
さて、千津島地区には小田原から大雄山線に乗って”まさかり・かついだ金太郎”を目指してガタゴトと地味ですが、とても貴重な名物車両に乗り、終点の大雄山駅で下車します。
箱根外輪山や丹沢山系の稜線を遠くに眺め千津島地区まではのんびり歩いて30分ほどです。農道では、夏にはピンクの「ハナアオイ」と黄色の「キンケイギク」が、9月中下旬には「酔芙蓉(すいふよう)」や「彼岸花」が季節の移り変わりを告げてくれます。
ふくざわ公園を中心に四季折々の花々が地域の人により大切に育てられています。この地域は住民による手づくりの地域づくりを行政がサポートして作り上げられてきました。「地域づくりは人づくり」をモットーとし、作業に参加した人々の和が固い絆で結ばれています。
公園とその周辺で「菜の花・春めきまつり」が3月14日~22日まで開催されています。会期中、メイン会場では昔懐かしい童謡が流れ、のどかな農村景観は、まさに美しい農村の原風景があります。家族でゆっくり春の風を感じてください。
そして、大雄山駅に戻り、隣の駅「富士フイルム前駅」から徒歩5分のところに、中沼地区があります。南足柄市を流れる狩川沿いの小道「春木径(はるきみち・右岸)」、「幸せ道(左岸)」に菜の花が河原を埋める黄色いジュータン。そしてピンク色に染まり始めた早咲き桜「春めき(足柄桜)」が満開を迎えています。私は先週行ったので5分咲きでしたが、今週末が一番美しいようです。幅約2m、長さ約200mにわたって続く花ロードは地元のボランチィアグループの人たちが、植栽したそうです。
「あしがら花紀行」は花による地域おこしです。派手な観光資源はありません。
「だからこそ、花というきっかけでこの地に足を運んでもらって、平凡だけど心地よい風景や感動に出会ってほしいのです。」、「歴史に根ざした未来志向の地域づくりを目指しています。」と住民の方は仰います。
都心から80キロ圏の首都近郊都市。
「南足柄」はその利便性でさまざまな旅が楽しめます。
春木道・幸せ道の桜並木でも、「桜まつり」が行われています。
20日(金)、21日(土)、22日(日)には、地場野菜や加工品、足柄人形などの販売の他、名物の焼きそば、こんにゃく味噌おでんなども楽しめるようです。
ちょっと足を延ばすと、さまざまなハイキングコースがありますし、市内散策では
○古え物語コース
○伝承の旅人コース
○故事伝来コース
○天狗伝説コース
○金太郎伝説コース
など、市が発行している「南足柄市観光マップ」に詳しい説明とわかりやすい地図が載っています。JR小田原駅の観光案内所もしくは、大雄山駅で手に入れることが出来ますので、それをお持ちになって歩くことをお勧めいたします。
見所は、あじさい・藤棚・紅葉の美しい「大雄山最乗寺」、万葉集に詠われた足柄道に関連する7つの歌碑がたち、万葉の花木が植えられている「足柄万葉公園」、酒匂川の上流内川にかかる落差23mの滝で金太郎が産湯をつかった滝と伝えられている「夕日の滝」は新緑・紅葉ともに美しく、夏はキャンプ場が開かれ水遊びで賑わいます。

【旅の足】
~電車~
小田原駅から伊豆箱根鉄道大雄山線で終点大雄山駅下車。
全長9、6km―単線のローカル私鉄。ほぼ終日12分の運転間隔なのでとても便利です。無人駅が多いが、ICカード乗車券Pasmo・Suicaは使用可能です。
~車~
東名大井松田ICから県道78号線で約15分。金太郎歓迎塔手前の交差点を右折してしばらく行くと千津島地域になります。
詳しくは、南足柄観光マップをご覧になるか、南足柄市役所商工観光課にお問い合わせを。
電話0465-74-2111(代表)

浜美枝のいつかあなたと ~ 鷲田清一さん

文化放送 ”浜美枝のいつかあなたと” 京都編
放送3月22日 10時半~11時
今週も、先週に引き続いて、スタジオを飛び出しての外禄で京都に行ってまいりました。先週は、滋賀県・高島市・針江地区をお訪ねし「伝統的な生活に学ぶ、私達の暮らし」の旅。
今週は、京都です。
ここ京都も、伝統的な暮らしが息づいている街です。
寺島アナウンサーと風情ある祇園の石堀小路を歩き、高台寺・圓徳院に向かいました。高台寺、塔頭の圓徳院は豊臣秀吉の妻、寧々が生涯を終えたお寺です。その一室で、生まれも育ちも京都という、哲学者の鷲田清一さんにお話を伺いました。
鷲田さんはご専門の哲学書のほかに、京都の日常の魅力について書かれた「京都の平熱」というご本もあり、生活者から見た素顔の「京都」をお話頂きました。
私自身「大の京都好き」ですが、知らないことばかり。
鷲田さんは「京都市バス206系統」に乗ると京都の素顔がよく分かるとおっしやいます。バスで市街の外側をぐるっと一周すると、周囲に「聖・俗・学」が揃っていると。ぜひ、「京都の平熱」を手にとってみてください。
さて、番組では大変興味深いお話を伺いました。
いまの日本社会からは、「待つこと」「聴くこと」が失われた・・・と。
あまりにも社会が効率優先化、短絡化している。戦後、文明社会が大きく飛躍したが、それと同時に人間の欲望も大きくなり、ここらで「欲望のリセット」が必要なのではないかと提言なさいます。そして、現代の日本人に関して「命の世話さえ自分でせず、サービスを買う消費者になった」・・と。「文明の発達によって、人間一人ひとりはかえって弱くなったのではないか」と述べられております。
詳しくは番組をお聴きください。
鷲田さんはここ10年ほど「哲学カフェ」という場を設けてこられたそうです。10~80代の各世代から男女一人ずつ、15人くらいのまったく見知らぬ人同士で、年齢も職業も名前も出身地も言わず4~5時間議論をするのだそうです。
「他人がわかるということはどういうことか」、「私はだれか」、結論はあえて出さず、世代を超え議論が楽しいそうです。「異質な価値観を知る体験をなさってください」と。私も一度ぜひ参加させて頂きたいです。
帰り際、「僕、007よく観ましたよ!」とかつて映画青年の素顔も見せてくださった、哲学者、大阪大学総長の鷲田清一さんは1949年のお生まれ。
この番組は私にとって”宝もの”です。
今回も素敵な出逢いをいただきました。

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浜美枝のいつかあなたと ~ 滋賀での外録

文化放送”浜美枝のいつかあなたと”の外録で 滋賀・京都・大阪の旅をしてきました。いつものスタジオを飛び出しての収録です。
1週目は3月15日(日)10時30分~11時放送。
旅のテーマは「伝統的な生活に学ぶ、私たちの暮らし」。
古き良き伝統的な生活風景から、私たちの現代の暮らしぶりを改めて見直してみよう・・・というものです。
伺った先は滋賀県・新旭町・針江という地区。琵琶湖の西側になります。
街の中を縦横に水路が走る「水の街」。いたるところから湧き水が溢れ、それをためて生活に生かしています。これを「川端・かばた」と呼ぶのだそうです。
水の流れと人々の暮らしが密着しています。
水場では飲み水はもちろんのこと、炊事や洗濯にも利用します。
各家庭の元池(もといけ)から湧き出した生水(しょうず)は一番綺麗な水が溜まる壷池(つぼいけ)に入り、お料理・野菜洗い・洗顔などに使われ、そこから水は端池(はたいけ)へと流れこみます。
端池には鯉が飼われ料理の野菜くず、鍋釜の米粒などを食べ浄化してくれます。水は家の前の小川に入り、そして隣の端池に入りまた川に戻りやがて琵琶湖に流れて行くのです。
江戸時代から、この地域は大切に大切に水を守り、暮らしに生かしてきました。比良山系に降った雪、雨水が何年もかかり伏流水となりこの地域に潤いを与えています。
「水の神様に感謝ですね」・・・と語ってくれた、おばちゃん。
地域の子ども達はこの川で遊びます。
水が清らかなので、米・大豆なども美味しく、熱々の揚げたての油揚げの美味しかったこと!あとはラジオで、水のせせらぎの音を楽しみながらお聴きください。
現代社会は水道水になれ、水はペットボトルで・・・というのが日常ですが、「伝統的な生活」から学ぶことは多いのですね。
この地域の家庭へ無断で入ることはできません。
必ずボランティアガイドさんの案内のもとで見学してください。

Mie’s Living 開設のお知らせ

この度、Mie’s Living~浜美枝があなたに贈る素敵な暮らし方~を開設いたします。
箱根の森の中に家を建て、もう30年になろうとしています。ここでは、日時計がなく年時計があり、春がくるたびにひとまわりするような時計に支配されているような感覚があります。淡い春の訪れが、樹々の色みの変化で知らされます。若葉がチラッと目に付く前に、全山ぼおっと薄赤くなるんです。
箱根の山がふんわりと山法師(やまぼうし)の花でおおわれる初夏、見事な開花は十年に一度とか・・・。この山から子ども達は巣立っていきました。今は小鳥たちのさえずりが、”おはよう、朝ですよ”と起こしてくれます。
思い出がたくさん つまったこの箱根の家。
60代半ばを過ぎると、10年サイクルで物事を考えることは難しいかもしれませんが、箱根で静かに暮らすのが、私の今の幸せの形。それは確かなのですが、ただ静かにしているのを私はまだまだ望んではいないのでしょう。箱根には素晴らしい美術館やアートの世界が広がっておりますし、山の植物も素敵です。そんな私が大好きな箱根を一人でも多くの皆様に満喫していただこうと、4月より新しいプロジェクトを始動したいと思います。
日々の暮らしのなかで、ほんのちょっとの時間”自分へのごほうび”のためのステージを計画しております。まず最初は、箱根を訪れる旅から開始いたしますが、今後は30年前に建てたこの箱根の家を拠点に皆様の暮らしをほんのちょっぴり上質なものへの変化させるお手伝いができる企画をたてていきたいと思います。
年代を問わず私、浜美枝とご一緒いたしませんか。
“やまぼうし”は私の大好きな花です。
たちまち流れた30年の歳月。
私も”やまぼうし”のように、咲きたいものです、みなさまとご一緒に・・・。
アクセスお待ち致しております。
Mie’s Living ~浜美枝があなたに贈る素敵な暮らし方