日本橋三越本店・新館7階ギャラリーで18日(月)まで展覧会が開催されています。
「時を越えて魅了するモダン&チャーミング」
と書かれております。
戦前から戦後にかけて、ファッションデザイナー、人形作家、インテリアデザイナーなど多彩な才能を発揮した中原淳一。
展覧会があると、仕事の合間をぬってはよく見にゆきます。
今回も早速行ってまいりました。
昭和21年に「それいゆ」が発刊され毎号、爆発的に売れ、全国に中原フアンが広がりました。私も小さな頃から「それいゆ、ひまわり」のファンでした。でも、本屋さんで表紙を眺めているだけ・・・。だってとても高価な本でしたから、私には。
生前、女優になりたてのころにお目にかからせていただきましたが、憧れの先生は雲の上の存在でした。中原先生のお描きになった挿絵はすべて好きで、さまざまなおしゃれのヒントを本からいただいたものです。でも、あるとき展覧会で、改めて、以前は気づかなかった中原先生の文章に素敵な人間哲学がありました。
そんな文章をご紹介いたします。
『愛すること』 中原淳一
女性は愛情深い人間であって欲しいのです。
朝食の支度をするのなら、その朝食を食べてくれる人のひとり一人に愛情をこめて作って欲しいのです。
窓を開けたら新鮮な空気を胸いっぱいに吸って、幸せを感じ、窓辺の植木鉢にも愛情をこめて水を注ぎたいし、掃除をするならそこに住む人はもちろん家具、柱、壁にも愛情をこめられる人であって欲しいのです。
世の中がどんなにめまぐるしくなっても、そんな悠長なことは言っていられないなんて言わないでください。生きている限り、愛情深い女性でいてください。そういうことを知っている女性が必要でなくなることは、ないはずです。
飾とは、ファッションだけではなく、暮らし、そして生きること全般に美を追求されてきた中原先生の、心底、思うことがこの一文に現れているのだと思います。
「それいゆ」や「ひまわり」はまさに女性にありとあらゆる「暮らしの技術」を教えていることに気づきます。
「愛情深い女性でいてください」
このフレーズがこころにのこります。
【出典:中原淳一・若き日の名作選『中原淳一と少女の友』より】
懐かしい記憶が甦りました。
昭和っていいですよね?!
そんな時代に育ち、育てられた心を
ずっとずっと大切にしていきたいです。
《愛情深い女性》
いい言葉ですね
ひと足早く《春》を感じました。
☆のかけらさん
一歩一歩、春が近づいてまいりましたね。
中原先生の展覧会は素敵で、会場の方々も
じっくり「昭和の時代」に見入っておられました。
大切な「心」を感じながら。
お元気で!
浜美枝