昨日、首里城の正殿、南殿、北殿が焼失しました。
首里城は、私にとって、特別な思いのある場所です。
民藝の柳宗悦先生に導かれるように、私が初めて沖縄の地を踏んだのは、まだパスポートが必要だった時代でした。そこで、琉球時代から伝わる織物、塗り物、焼き物など、素晴らしい作品を作り続けていた人々と出会いました。
太平洋戦争の激戦で多くの人命が奪われた沖縄で、悲しみをこらえ、再び琉球の文化を次世代へとつなげようと、もう一度、立ち上がった人たちでした。
そうした人々が30年という歳月を費やし、建物はもちろん、内部の道具類に至るまで復元したのが首里城です。細部に至るまで清らかで美しく、琉球の心に触れる思いがしました。美に抱かれるとはこのことかと思いました。
多くの人々の英知、技術の粋、琉球の心が詰まった首里城が失われたと思うと、あまりに残念で、悲しくてなりません。
涙を流しながらでもいい、私にできることは何だろうか、みんなでどう応援すれば沖縄のためになるだろうか、と、考えていきたいと思います。