間もなく端午の節句、菖蒲の花が美しい季節。葉は細長く剣型で、独特の芳香を放つので、邪気を祓うといわれ菖蒲湯に入り、邪祓いをいたしますね。
皆さまはゴールデンウイークはどのようにお過ごしでしょうか。ちょっと遠出をなさる方、近場で楽しむ方、仕事を休めない方、それぞれですね。
私はラジオの収録があるので東京に出かけました。そして、念願の『東寺~空海と仏像曼荼羅』展を上野の東京国立博物館へ観に行ってまいりました。
国宝の数々、まさに密教の世界へと誘ってくれます。まるで密教の森の中へとさまよっている感覚です。
弘法大師・空海が構想した立体曼荼羅を21体のうち15体が京都・東寺から博物館へ。端正なお顔立の国宝「帝釈天騎象像」など東寺で拝顔するのと違い仏像と仏像のあいだを回廊のように、自由に歩きながら360度観られるのです。
中国から伝わったといわれるエキゾチックな毘沙門天。国宝「両界曼荼羅図」は彩色なされている最古のものだそうです。曼荼羅の外側には星座の十二宮が描かれていてギリシャからインド、中国へと伝わったといわれます。
広々とした空間に一体一体と対峙でき、照明がゆったりと当てられ、台座が低いので細部まで観られます。仏を見上げるのではなく、すべてを受け入れ癒してくれるような仏さま。
国宝「天蓋」は仏像の頭上に揚げられていた飾り。ヒノキ材を蓮華の形に彫刻されている美しいもの。密教美術の奥深さを感じ、密教の世界感を体で感じることのできる特別展でした。空海の直筆の手紙の前では多くの方が見入っていました。
秋になったら高野山に行きたいな~と思いました。そうそう、伏し目のイケメン国宝「帝釈天騎像」はフラッシュをたかなければ撮影可です。私の大好きな仏さま。
今読んでいる本が 「荒仏師運慶」(梓澤要著)なのですが、鎌倉時代の仏師、運慶は21体の仏像を数十名の仏師を引き連れて修理にあたったといわれています。空海の構想に運慶の息吹。ロマンを感じます。(6月2日(日)まで)
天皇陛下の30日の退位に伴い時は「平成」から「令和」
東京国立博物館公式サイト
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