『正直』

この本をお書きになったのは松浦弥太郎さんです。
松浦さんのことはかねがね”気になる”方でした。「暮らし手帳」の元編集長。民藝運動にたいして、というより「人の手」を感じられる「手仕事の道具」に対しての考え方に大変興味深い文章を読んでおりました。民藝に対して疑問に思うことも私自身と共通しておりました。ひと昔前は民藝は土臭いというイメージでしたが、実は非常には洗練されていて、もしこの民藝という「手仕事」が、また「民藝運動」がなければ私達日本人の暮らしはどのようになっていたか・・・と時々考えるのです。
さて、今回はその松浦さんが昨年春にお書きになられた「正直」を読んで、大変感銘を受け、ぜひスタジオで直接お話を伺いたいとお招きいたしました。
松浦さんは、1965年、東京生まれ。18歳で渡米し、アメリカの書店文化に惹かれ、帰国後、オールドマガジン専門店「m&co. booksellers」を赤坂に開業。2000年、トラックによる移動書店をスタートさせ、その後、中目黒にCOW BOOKS」をオープン。2006年、「暮らしの手帳」編集長に就任。9年間務めた後、去年、日本最大の料理レシピ投稿検索サイト「クックパッド」に入社されました。なぜ180度違う世界に飛び込んだのか・・・・その辺もうかがいたかったのです。
著書も数多く、「本業失格」、「くちぶえサンドイッチ」、「おいしいおにぎりが作れるならば」などがあります。本、雑誌、ラジオ、インターネットなどあらゆるメディアで、今、幅広い世代から注目されている松浦さん。今回の本「正直」には、仕事をはじめ、何かを懸命に頑張っている人たちの背中を押す言葉が数多くつづられています。
仕事とは何か、を考える本でもあります。
成功している人はなぜ成功しているのか、答えをしりたくて1年考え続け『成功している人は、人を助けている』と気づいたそうです。現代社会はお金優先が多いです。「全ての仕事は人を助けること。」そうですね・・・。そしてこうもおっしゃいます。「人生で、自分に関係ないことはひとつもない。学び、そして好奇心をもつこと。無関心が一番怖い」たしかに無関心な人が増えているとおもいます。
「人間はみな、弱くて狡くて不完全だ。全員が悩み、苦しみながら生きている。だからこそ、何かあっても許し、受け入れ、人は信じ合い、許しあってこそ、関係が築ける」と考えているそうです。「成功の反対は、失敗ではなく何もしないこと。」とてもあたたかな人生の応援歌、教科書です。
50歳を迎えるときに、リスクを自覚しながら、新たなフィールドに飛び込む松浦さん。かっこいいです!ぜひ、ラジオをお聴きください。そして本を読んでください。
文化放送「浜美枝のいつかあなたと」
1月31日 日曜10時半~11時まで。

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