松の内

雪一日 日和一日も松の内   原 石鼎
と申しますが、皆さまは新年をどのようにお迎えになられましたか。
お正月らしい晴れやかな空気は昨日まで(関東では)。我が家では昨日(7日)、玄関のお飾りをはずし2016年仕事はじめです。と、申しましても私は12日の文化放送「浜美枝のいつかあなたと」の収録が仕事始めですが、その前にゲストにお招きする方の本をお正月から読み始めております。
それにしても、暖かなお正月でしたね。
元旦、御節で新年を祝い、私のお正月は「箱根駅伝」で始まります。本格的に箱根に戻り、この十年は2日、3日は私にとっての大事な駅伝応援です。私の住む箱根町は駅伝のゴール・スタート地点です。2日は選手が元箱根に着くまでは、ラジオ、テレビでの観戦。そして、新春の陽光にてらされアンカーがゴールにさしかかる前に家を出て選手をむかえます。



昨年、「山の神」としてその名をとどろかせた青山学院の神野大地選手が、あの険しい箱根の山を美しい走りで目の前を駆け抜けてゴール。おめでとう!と思わず声にだしてしまいました。故障に苦しんだ1年、そして重圧。その重圧をはねのけての堂々とした5区のゴールでした。
箱根湯本駅から本格的な坂が始まります。標高差は約860mに及びます。選手一人ひとりにドラマがあります。たった5秒差で襷を渡せなかった神奈川大学の選手はさぞ悔しかったでしょう。沿道にはたくさんの応援する人々、富士山もその走りを応援するような美しさで迎えます。往路は青学の圧勝でした。10位までのシード権争いでは、順大、日体大、帝京大がトップ10に返り咲きました。


3日早朝、まだ月、星が見える6時過ぎにはスタート地点に行きました。私は8時スタートまでのこの時間が至福のひと時です。昨年は-5度の寒さでしたが、今年はそれほどの寒さもなく、周辺を歩きました。テレビクルーやラジオクルー、そして各新聞社のカメラマンの方々などがスタートに向けて様々な取材や準備をしています。こうしたことが、画面や紙面、そしてラジオ生中継にいかされるのです。前日の走者が周辺に集まることもあります。私のもっとも好きなところは応援する人たちです。最後の走者が終わるまで大きな声で応援し続けます。
2016年「第92回東京箱根間往復大学駅伝」は往復217.1キロ、
青山学院大が往路に続いて完全優勝で連覇を達成しました。
なぜここまでこられたのか・なぜあれほどまでに”のびのび”と選手が走れるのでしょうか。それはやはり原監督の哲学にあるのでしょうか。原監督はたえず「陸上界を変えたい」とおっしゃっています。監督は奥さんとともに選手寮に住み寝食を共にしています。奥さんは選手達の母親代わり。ビジネスの世界に長く身を置いた監督は陸上界のあしき因習にとらわれることなく、専門トレーナを招き、独自のトレーニングを続けてきたといいます。何よりも、その信頼関係は選手にとってどんなにきつく辛い練習も笑顔に変えられるだけの環境が整っているのでしょう。
「箱根駅伝」は優勝したチームだけではなく、挫折や栄光、さまざまな経験をする若者達選手に私達は眩しいような”何か”を与えてくれます。選手たちはもう来年に向けて始まっているのでしょうね。4年生は人生の新たなスタート地点に立ちましたね。ありがとう!選手の皆さん!


そして、4日は夜明けとともに箱根神社に参拝します。
“どうぞ2016年が世界平和でありますように”と、祈願いたしました。


5日は恒例の上野「鈴本演芸場・新春爆笑特別興行」で初笑い。落語、漫才、曲独楽、に講談、ものまね、お正月ならではの寿獅子、林家正楽師匠の紙きりでは、お客様からの要望で「箱根駅伝」「猿と門松」など。粋な三味線は小菊さん。そして、落語家の贅沢なこと。柳家権太郎・喬太郎師匠。そして・・・追っかけを自認する柳家小三治師匠に、トリは弟子の柳家三三師匠。並んだかいがありました。
幸せ・幸せ。
さ~あ、今年も”がんばろう”というルンルン気分で山に戻ってまいりました。


松の内最後の朝は「七草粥」をいただきました。
春の七草(せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ)若葉をそろえ、包丁でトントントン。豊作や無病息災、長寿を祈ります。
皆さま健康にご留意され今年も佳き年にいたしましょう。
まどろめるわれを見守り福寿草   河部みどり女

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