英国ポタリーへようこそ

今回も素敵な一冊に出会えました。
「英国ポタリーへようこそ」。
世田谷区深沢にある、現代イギリス陶芸専門店「ギャラリー・セントアイヴィス」店主、井坂浩一郎さんが「英国ポタリーへようこそ カントリー・スタイルの器と暮らし」を上梓なさいました。
井坂さんはかつてはロンドンのアメリカ系金融会社で働いておられました。
ロンドンで暮らしていた1998年初め、休暇を利用してはイングランド南西部へ車で出かけたとのこと。90年代後半は日本の銀行や証券会社が倒産し、日本企業担当だった井坂さんは突然解雇。金融業界にもどるよりも、イギリス陶芸の魅力をそれまで感じていたので、迷わずこの道におはいりになりました。
イギリスには2000以上のポタリー(陶芸工房)があり、ヨーロッパ随一の陶芸大国だそうです。この本は”窯元めぐりの旅”です。イングランド南西部やウェールズなどの息をのむような美しい田園風景の中で暮らす20人の陶芸家を訪ね、伝統的なスリップウェアをはじめ、日本人が馴染みやすい温かみのある陶器の数々が紹介されています。
不思議ですね、日本民藝館で開催されている「濱田庄司生誕120年展」をご紹介いたしましたよね。今から約100年前、英国の陶芸家、バーナード・リーチは東京で民藝運動の中心となった柳宗悦や河合寛次郎らと知り合い、そこで濱田庄司とも出会い、その濱田と一緒に帰国し、イングランド南西部の港町、セントアイヴィスに登り窯を築いたことなどお話ししましたね。その『リーチ工房』は今でも見学可能です。彼らからの影響を受けた陶芸家が数多く誕生し、現在にいたっています。
「日本の美の哲学」は、海を越えて英国にわたり、そして日本との交流によって進化し続けているのですね。使ってこその器、日常の暮らしを豊かにしてくれる器。美しい田園風景の広がる景色の中に工房があります。イギリスを旅して感じることはその農村風景の美しいことです。
このご本では陶芸家の手作りの暮らしを美しいカラー写真でみることができます。やはりお話が聞きたく、ラジオにお招きいたしました。井坂さんはおっしゃります。
「私が英国ポタリーのとりこになった理由は作品の魅力・陶芸家の人柄・多くの陶芸家が風光明媚な田園風景の中に住んでいること・・・など等、そしてもっとも魅力を感じるのは「無理のない暮らし」「ゆったり自分のペースで暮らしていること」「古いものを大切にする暮らし」です。」
そうですね、現代の日本での暮らしは少し忙しすぎますし、自分の物差しでは暮らし辛いこともありますね。ぜひご本を手にとりイギリスの田園を旅してください。そしてラジオをお聴きください。
文化放送「浜美枝のいつかあなたと」8月3日(日)10時半~11時です。
それにしても、いつか窯元(ポタリー)めぐりの旅にでたいです。


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