近畿大学でのオープンキャンパス

私は来年、2010年から東大阪にある近畿大学に新たに開設される「総合社会学部」で、客員教授を拝命することになりました。
そこで、私は「自分らしさの発見~暮らし・旅・食がもたらすもの」というテーマのもと、授業を担当いたします。
先日オープンキャンパスにお集まりのご父兄、高校生の前で話す機会を得ました。私が講義を担当することになる学生さんたちとのやり取りを通して、私もまたもう一度学び直したいと、今からわくわく胸をときめかせております。
私自身、男の子二人、女の子二人、計四人の子供を育てました。
四人子供がいると、まさに四人四様で、反抗期が激しい子もいれば、黙っていうことをきかない子もいるし、勉強をコツコツやる子もいれば、自分の好きなことしかやりたがらない子だっています。
同じように育てていると思っているのに、それぞれの個性が育っていて、人は実に多彩な大人への道をたどるものなのだと感じさせられることもたびたびでした。
子育てを通して自分の長所にも短所にも気づかされました。
子育ては一筋縄ではいきません。
大学生になる子供に対して何ができるのでしょうか・・・。
私は思うのです。
「親は子供の成長を認める必要があるのではないか」と。
大学に入って卒業するまでの4年間は、子供たちにとっては激動の時代です。息子、娘から小さな大人になるためのステップを歩むときです。
大学時代は、モラトリアムの時期ともいわれます。心理学者エリクソンによって導入された概念「大人になるために必要な猶予期間」。大学時代は、まさにそのモラトリアムを体験することで、自分の輪郭を把握し、これから飛び込む、きびしく、喜びに満ちた社会を生き抜く覚悟と基本的なスキルの芽を育てるときだと感じています。
もし考えにつまった時には、現場に赴きましょう。
現場を歩いて学ぶことも大事だと思います。
自分の足で歩き、目で見、肌で感じ、たくさんの人々と出会うことでの発見。
大切なのはコミュニケーション。
失敗しても試行錯誤を繰り返しても、またいつからでも人は立ち上がることができます。どんなことがあっても、いつも心に希望を抱き、前に進んでいける、しなやかな心と知性を、大学で身につけていただきたいと願っています。
と、こんなことを1時間お話しし、その後に高校生と語り合いました。
来年の4月、キャンパスでお目にかかれることを楽しみにしております。