広島への旅

台風の前日、紅葉にはまだひと足早いのですが、広島の厳島神社に行ってまいりました。
海に浮かぶ姿が幻想的で、1400年の歴史を持つこの神様に思わず手を合わせました。背後に山をひかえ、前面が海の社殿は神々しく感じ、自然を崇拝して、山などをご神体として祀られている姿はまさに日本の宝、いえ世界の宝・・・だと実感いたしました。

厳島神社は平成8年12月にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
厳島神社の主祭神は市杵島姫命、田心姫命、湍津姫の三女神です。
自然に神をみる日本古来の信仰をそのまま形にした美しい神社です。宮島は昔から神の島として崇められていたので御社殿を海水のさしひきする所に建てたといわれています。まもなく山々が紅葉し、さぞ美しいことでしょう。

船乗り場までの裏道を散策していたら美味しい「もみじ饅頭屋」を見つけました。小豆の皮をむき、餡子にしているのです。甘さも程よく、店先では饅頭とお茶、またはコーヒーがいただけるのです。外国人2組が美味しそうにお饅頭を食べていたので私も仲間入り。
ふと、今は亡き宮島の「しゃもじ作り」の名人、三宅さんを思いだしました。
あれは23、4年前のことです。テレビの取材でお訪ねしました。そのとき三宅さんは私に向ってこう仰いました。
「浜さん、僕の作るしゃもじは、お母さんのおっぱいと同じですよ、原木から乾燥させ、おしゃもじのカタチを作ります。でも本当のおしゃもじにするのは、お母さんなのです。」
私も4人の乳児は母乳で育てましたが、意味が分かりません。
「何故ですか?」と伺うと
「よそみをしながらお乳をあげていませんか?心こめていますか?私のしゃもじも心を込めて、ご飯をついでほしいのです。」・・・と。
旅って出逢い・・・と、しみじみ思ったものです。