梅雨も明け猛暑日の午後、ラジオ収録後に上野の国立西洋美術館を訪れました。
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」が開催されています。本来ですと3月3日からの予定でしたが、延期となりようやく観られるようになりました。
あらかじめチケットはネットで購入していたので、これまでだったら話題の大型展だったら大行列するでしょうけれど入場者を制限し、30分単位での入場ですからとてもスムーズに入ることができ、会場も人の頭越に作品を見ることもなく、快適に鑑賞することができました。
今回は感染予防対策としてのシステムですが、これからもこのような新しい方法での鑑賞ができたらいいですね。
ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、”みんなに開かれた誰でもが来られる美術館”を目指し1824年5月10日に開館しました。
市井の人の寄付、コレクターの寄贈などでできあがりました。そして、ロンドンでは入場は無料です。(私もロンドン滞在中には何度も訪れました)
今回の作品はすべて日本初公開の作品ばかり。ギャラリーはまもなく設立200年を迎えますがこれまで一度も外国で展覧会を開いたことがないそうです。
そして、これらのコレクションが、王室などを由来としたヨーロッパの美術館と異なり英国民の手で英国民のために作られたとか。今回は61点の作品に出会えますし、まさに西洋美術史の教科書を学べるように、イタリア・ルネッサンスが花開いた15世紀からポスト印象派に至る19世紀末までの名品ばかりが集まっています。
私は展覧会の鑑賞の仕方として、全て観てクタクタになるのは苦手ですので、あらかじめ自分が見たい作品を6,7点決めておいて真っ直ぐその作品と対面します。
一番観たかったフェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女性」。
そしてフィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」。
ゴッホが共同生活を送る親友ゴーギャンの寝室を飾るために描いたこの作品。歓びの後の哀しい結末・・・この絵を見つめているとゴッホの喜びが伝わります。
モネ、ルノアール、レンブランド、ターナー・・・宗教画・神話画・風景画・肖像画・風俗画。バルトロメ・エステバン・ムリ-リョの「窓枠に身を乗り出した農民の少年」これも見たかった一枚です。タヒチ時代にはヨーロッパから球根を取り寄せ育てた花の絵は以外にもゴーガン。花も好きだったのですね。
というわけで、あっという間の2時間でした。上野から東京駅に。新幹線で真っ直ぐ小田原に出て山に戻ってきました。”巣ごもり”でも工夫してこのような時間はやはり必要ですよね。