映画『輝ける人生』

原題は『FINDING YOUR FEET』
どのような訳になるでしょうか。

「自立して歩き出そう」「自分の足で立ちなさい」・・・輝ける人生を送るためには”自分の足で立つ”。もうじゅうぶん人生を経た60代の男女のラブストーリー。この映画は年輪を重ねた人にこそ問いかけたかったのでしょう、監督は。

だって「自立して歩き出そう」って若者に使う言葉ですよね。その言葉をあえて原題にしたのには訳があります。

35年間専業主婦だった主人公サンドラ(イメルダ・スタウントン)が、夫の浮気をきっかけに人生を見つめ直す物語。舞台はロンドン。

35年も連れ添ったマイクは、州の警察本部長を勤め上げた功績が認められて、ナイト爵を授与されました。

家でお祝いのパーテイが行われていた最中・・・(映画なのでストーリーは詳しくは載せませんね)家を飛び出し向かった先はサンドラの姉のビフ(セリア・イムリー)のもと。

サンドラはテニス仲間に囲まれて楽しい年金生活が待っていたはずなのに・・・突然の夫の裏切り。

傲慢に振舞うサンドラ。姉のビフは自由に独身生活を謳歌しているようにみえるのですが、ラストシーンちかくで真実がわかります。

姉は気分転換にとサンドラをシニア向けのダンス教室に連れ出します。教室には様々な事情を抱えるシニアが参加しています。この人間模様が素晴らしいのです。この映画に登場する男女は、真に大人でそれぞれが、自分らしく誠実に生きている。

そうなのですよね~、誠実に生きることの難しさ、窮屈さ、はじめはそんなつもりではなく良い妻、良い母であろうと努力をします。しかし、その窮屈さを感じてしまったら、サンドラの選んだ”道”は・・・やりなおすきっかけはすぐそばにあった。

コメディーとドラマと恋愛をこれほどチャーミングに見せてくれた監督は数々の賞を受賞しているリチャード・ロンクレイン。

モーガン・フリーマンとダイアン・キートン主演の『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』など大人の映画の名手。みんなが踊るダンスナンバーが充実しています。

イギリスの名優たちが演ずるちょっとほろ苦くも優しく愛に満ちた演技は観終わったあとに”女性としてのこんな気持ちを持ち続けていたい!”と思わせてくれるし、人生後半生を、心から楽しむ勇気を与えてくれる映画ですし、生きる力を、そして『自分の足で立つ』ことで”輝ける人生があることを教えてくれます。

最上のラブストーリー!世界的な高齢化時代に伴い、こうしたストリーに寄り添うことの幸せをプレゼントしてくれた映画でした。それにしてもラストシーンの鮮やかなこと!

映画公式ホームページ
http://kagayakeru-jinsei.com/

「映画『輝ける人生』」への1件のフィードバック

  1. やっと暑い夏を切り抜けられました

    シネスイッチのこの映画行こうと思っていた映画です
    浜様もごらんになった由、早速行ってきます
    昨日は雨の中藤田展行って参りました
    年をとるのも悪くないですね
    好きなことが自由に時間をとれます
    ブログ楽しみにしています。

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