「花咲く ラリックと金唐紙」

箱根ラリック美術館 特別企画展で素敵なルネ・ラリックの作品と金唐紙作品のマリアージュ。
ご案内には「花咲き、鳥たちが歌う。「花鳥風月」の世界あふれるルネ・ラリックの作品。それは自然をこよなく愛する彼がたどり着いた美の境地でした。明治時代、西洋に日本からもたらされた日本工芸の粋、金唐紙。自然の草花から生まれたきらびやかに浮きたつ文様は、まるでラリックに直接影響を与えたかのようです。洋と和の名品が織りなすハーモニーをお楽しみいただけます。」
金唐紙については漠然とは知っていました。江戸末期から明治にかけて日本で発展した工芸和紙。旧岩崎邸や旧前田公爵邸などに使われていて海外に輸出品としてイギリスなど海外でも高く評価されていた和紙。日本国内でも鹿鳴館や国会議事堂といった建築物の壁紙としても使用されていましたが、アール・ヌーボーの衰退、ライフスタイルの変化、その後はあまり見かけることはなくなりました。
もともとはヨーロッパの金唐皮(ギルトレザー)をルーツとしてその皮の質感を手漉きの和紙で表現された高級和紙。1873年にウイーン万博で話題を集めたとの事。その後その金唐紙がどのような道をたどったのでしょうか。
今回の展覧会で謎がとけました。二十世紀半ばに生産が途切れた金唐紙を見事に復元したのが今年80歳になられる上田尚さんです。30年の歳月をかけ復元に取り込まれてきました。明治、大正期の金唐紙は上田氏によって新たな命を吹き込まれました。


強羅から施設巡りバスに乗り、ひめしゃら林道、こもれび坂を抜けるとポーラ美術館、星の王子さまミュージアム、ガラスの森ミュージアムを経てラリック美術館に着きます。我が家からバスを乗り継いで約1時間。「花咲く ラリックと金唐紙」展に行ってまいりました。梅雨の日の合間の晴れた日、木漏れ日が心地よく「幸せだわ~」とつぶやいていました。室内に入ると「花鳥風月」の世界。ルネ・ラリックの花器「きんぽうげ」と金唐紙「鳥とアイリス」。春夏秋冬の上田氏の作品の前にラリックの花器。西洋と日本、和と洋がこんなに似合うなんて・・・明治時代にタイムスリップしたかのようです。

ラリック美術館の企画展にはいつも魅了させられます。ゆっくり時間をかけ拝見できました。そして・・・その後のお楽しみ。年に数回ではありますが、美術館に併設されてある”カフェ・レストラン LYS”でのひととき。遅いランチをいただきます。ひとり庭を眺めながらのシャンパン。至福のひとときです。「明日からの仕事頑張ろう~」などとかってにつぶやき、冷製トウモロコシのポタージュ、和牛フィレ肉グリエ香草マデラソース、そして・・・普段めったに頂かないデザートはタルトフロマージュ”ル・リアン”美味しいのです、とてもとても。チーズケーキでこんな美味しいの始めてです。山本シェフ、ご馳走さまでした。ティータイムも素敵そうですね。


美しい作品に出逢い、美味しい食事ができて・・・本当に幸せです。70代に入ってからはこのような時間を大切にしたいと心から思うようになりました。「本物と出会う」ことの大切さをしみじみ実感できた”小さな旅”でした。
皆さまも箱根ラリック美術館にお越しになりませんか。
期間 2014年6月14日(土)~12月7日(日)
夏の箱根、紅葉の箱根、初冬の箱根、どの季節でも素敵です。
http://www.lalique-museum.com/

「「花咲く ラリックと金唐紙」」への2件のフィードバック

  1. ドルセーの香水瓶のティアラに、枝につかまった二人の女性がサチネで刻まれています。そのアイデアとフォルムに、破格の美しさと時代を超えた普遍性を感じます。岩石の破片だったものが、人の技術と美意識によってここまで昇華するのかと、改めて驚かされました。
    ルネラリックは何年も前に始めて美術館でみて感動しました。繊細なデザインと創造を絶するアイディアにはいつの時代にでも新鮮に映り技術的にも優れこれからも永遠にその魅力を讃えることと言っても過言では無い内容が集約されたものです。

  2. 由美子さん
    ブログへの投稿ありがとうございます。
    そうですねルネラリックは、当初、アール・ヌーヴォーを代表する
    宝飾品の作家として名声を博し、そしてガラス工芸の世界に導いた
    のは二十世紀の高級香水の生みの親」フランソワ・コティーとの出合い
    でしたね。造形的に美しく、グラスなど思わず手にとってしまいたくなります。
    美しいものに出会える・・・って幸せですね。
    浜美枝

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