箱根の山も春色に染まり始めました。淡い若草色や薄紅色の霞がかかったように、山がふんわりしています。本当に山が笑っているかのようです。
今朝も、山をゆっくり歩いてきました。小鳥のさえずりが木々の間に、明るく響いていました。山が笑っているように見えるのは、さまざまな色合いの新芽がいっせいに伸びだすからなのかもしれません。
生活の中心であったレギュラーの仕事を卒業し、寂しさを感じたり、抜け殻のようになってしまうかもしれないと少しばかり危惧していましたが、どうやらそれは杞憂でした。
朝4時に起き、掃除やベッドメークを済ませ、7時半に「いってらっしゃい」と学校に行く孫たちを見送りし、山を歩き、新聞を読み、切り抜きをして……一日の過ごし方も、以前とさほど変わりません。
けれど長い間背負っていたものをようやくおろしたような、はりつめたものが溶けていくような……そんな柔らかな時間を今、はじめて味わっています。それがとても新鮮です。
よく晴れた朝、ふと思いついて『ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ』に足をのばしました。
『ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ』は、フラワーボックスをはじめとする、スカンジナビアスタイルと和を融合した独自のデザインで花の新たな魅力を紹介し続けている、デンマーク出身のフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン氏が作り上げた箱根・強羅にあるガーデンです。

















土地を大切に扱ってくれる人を長年探していた所有者と、この地に魅了されたニコライ氏とが出会い、ニコライ氏になら手渡せるという信頼をかちえ、土地を譲りうけたとか。自然を守ることをプロジェクトの核とし、原生林で覆われていた地を整え、遊歩道やカフェまで、全て自分たちで作ったのだそうです。
長い時をかけてじっくり作り上げられた空間。私の箱根の家とどこかつながる気がして、季節が巡るたびにこのガーデンを訪ねたくなります。
箱根の自然を生かしつつ、ニコライ氏ならではの美しさもいたるところに感じられ、とても美的で、人を癒すような包容力も。
吹く風も心地よく、心が洗われるような気がしました。
旅が大好きで、これまでは仕事の合間をぬって、列車や飛行機に飛び乗っていた私。
これからも、こんな風に小さな旅を、気軽に楽しんでいこうと思います。
