素晴らしい本に出会いました。
今、コロナ禍が人と人の営みを分断しています。このような時期に、今一度私たちの暮らしを見つめ直すことも大切なのかも知れませんね。
先祖が長く営んできた暮らし。例えば自然の恵みを受けたり、四季折々の行事など、かつては人びとの暮らしの中に当たり前のようにあった文化や、自然の理にかなった習慣や四季の移ろいによって美しく変化する国の景観や・・・そうしたことの尊さは、人びとの心の拠りどころであったはずなのに知らぬ間に軽んじて、捨て去ってきてしまったようにも思えます。
時代はたえず変化しつづけます。情報化の時代でもあります。しかし、こうしてコロナ禍にあって『普通に暮す幸せ』をもう一度見直し、”美しい日本の暮らし”を考えることも大切なことではないでしょうか。
私は幼い頃にそうしたことを経験した最後の世代です。ならば次世代に引き継いでいく大事な使命を担っているように思います。
そこで、出会ったのが神崎宣武さんの「日本人の原風景」です。
神崎さんは1944年、岡山生まれ。
武蔵野美術大学在学中から、民俗学者・宮本常一に師事し、国内の民俗調査研究に、長年、携わっておられます。
また岡山県の宇佐八幡神社の宮司や「旅の文化研究所」の所長もお務めです。「社(やしろ)をもたない神々」「神主と村の民俗誌」など。
そして今回の「日本人の原風景」です。難しい話しではなく「田植え祭り」はなぜあるのか、神田祭り、浅草の三社祭り、6月には赤坂・日枝神社の山王祭り。都市でのお祭にはどんな願いが込められているのか。
また旅のお話ですと旅が大衆化された江戸時代「一生に一度のお伊勢参り」落語にもある「大山参り」など等。もう一つ、旅といえば、「男はつらいよ」の寅さん。
神崎さんのご専門の民俗学は人と人との営みがベースになっています。その営みが遮断された現在の私たちの暮らし。「普通に暮す」ことの大切さは昔も今も変わりません。不自由ですよね。辛いですよね。
そこでラジオのゲストにお迎えし、「日本人の原風景」を語っていただきました。何だか”幸せ”を感じられました。ぜひラジオをお聴きください。
文化放送「浜 美枝のいつかあなたと」
4月4日 日曜日
9時半~10時