年の瀬を迎え何となく慌ただしさを増す日々の中で、一息つきたいと展覧会に行ってまいりました。
「グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生」。
この画家の名前は、アンナ・メアリーロバートソン・モーゼス。多くの人々からは親しみを込めて、”モーゼスお婆ちゃん!”と呼ばれたのですね。
彼女は1860年、アメリカ・ニューヨーク州の北部で生まれました。しかし、同じ州内でも大都会・ニューヨークとは全く趣を異にする、カナダの国境に近い農村地帯でした。 そして、そこで生まれ育ったことが彼女の人生とその後の創作活動に大きな影響を与えたのです。
27歳で結婚した彼女は夫と一緒に農業や牧畜に従事しながら、10人の子どもをもうけます。そして、少しでも家計の足しにしたいとバターやジャムなどを作り、販売したのです。
今から100年以上も昔、女性の自立の原点がアメリカの農村にもあったのですね。そんな彼女ですが、70代半ばにリウマチを患い、楽しみの一つだった刺繍を断念しました。そこから彼女のもう一つの人生がスタートしたのです。 ”遅すぎるデビュー”ではありませんでした。
80歳の時に初めて個展を開き、たちまち大評判となりました。大地に根を張り、自然と共に生きる。そして地域の人たちとの触れ合いを何よりも大切にする。そうした堅実な日常を絵画の中に再現していったのでしょう。
素朴で倹しい毎日の暮らし。それは開拓民であるアメリカ人が、当時でも失いつつあった”原風景”を改めて思い出させる”心の玉手箱”だったのかもしれません。
作品に雪の光景が多くみられたのは、寒い北部ニューヨークへの彼女の思い入れの強さだったのでしょう。
”遅咲きの画家”は101歳の長寿を全うしましたが、世を去るわずか半年前まで、絵筆を持ち続けたのです。最後の作品には、大自然の中で人々と家畜がゆったりと暮らしている光景が描かれていました。
そして、空のかなたには山や畑を見つめる、どこか優しそうな虹が顔をのぞかせています。この作品のタイトルは”虹”でした。
彼女自身の言葉が残されています。
「人生は自分で作り上げるもの。これまでも、これからも」
10人の子供を産んだ彼女でしたが、5人を早く亡くしています。繰り返しの悲劇を乗り越えながらの生活と芸術。
この展覧会は入場者の9割以上が女性でした。アメリカのみならず、世界中の女性たちから愛され続けているグランマ・モーゼス。 東京の世田谷美術館には、彼女がそっと優しく私たちを抱きしめているような空気が満ちていました。
今年のクリスマスは、ことのほか素敵なプレゼントをいただきました。
ありがとうございました!グランマ。
展覧会公式サイト
https://www.grandma-moses.jp/
大好きな素敵な浜美枝様
Merry Christmas🎶
イヴの今日、とっても嬉しいプレゼントを頂きました✨
朝日新聞の語る-人生の贈りもの
来春から掲載されるのですね。
楽しみにお正月を迎えることが出来ます。
いつも心暖まるお話ありがとうございます。
小林圭子様
こちらこそ、嬉しいお便りありがとございました。
朝日新聞「人生のおくりもの」は20回の掲載で
現在インタビューをして頂いております。
私自身これまでの人生を振り返ることができ感謝しております。
何だか落ち着かない日々ですが、お互いに
”心豊か”に過ごしたいですね。
”メリークリスマス”
そして佳い新年をお迎えくださいませ。
浜 美枝