わたしの秋

私はいつも「今」を起点にして少し前はどうだったのか、ずーと前は?それよりもっと昔はどうだったのか、と「今」の根っこを追い求め旅を続けてきました。

ダムの底に沈む集落や、手仕事をこつこつしているお婆ちゃんを訪ね、農村や山奥の集落の人々の暮らしの歴史や文化を見て回るうちに、人間という存在の原初のエネルギーと高度な文化性、知恵と本能、生と死、伝承のうつろいなどにふれることができました。

そこには人の生きてきた連綿たる歴史があり、そして未来を見るヒントがかくれています。

集落を歩いていると爽やかな秋風に揺れる穂は、野山を黄褐色に染め、日の光に輝く美しさといったら、ため息がでます。でも日が陰り夕暮れ時には寂しい風情へと変化します。

そんな美しい日本の秋をたくさん旅し、たくさんのことを学んできました。『野にある花のように生きたい』と想ったのもそんな秋の季節だったと記憶しています。秋の花には人生を重ねることができます。

たとえば”野アザミ”。

どの角度からみても野あざみは、花弁をとがらせ、外に向って虚勢を張っています。本当は誰よりも弱い自分だから、角のようなとんがりで、自分を抱いているのです。小さな頃の私は、まるでいきり立った野あざみのようでした。自分というものがまだどういう人間なのかわからない頃、爪の先から頭のてっぺんまで、ツンツンにとがらせて、私自身を防御していたような気がします。

 

さすがに70代後半になった私は昔々ほど強く元気なトゲではなくなりました。

先日思いたって仙石原のススキ草原へ行ってみました。少し早めだったので銀色にキラキラと輝いていて草原の遊歩道が真っ直ぐに伸び、小雨降るなか秋の匂いが心地よかったです。まもなく黄金色の穂が風にゆれて本格的な山の秋をむかえます。このような見事なススキは、3月中旬~下旬には自然体系を守るために山焼きが行なわれます。

そして、歩いて湿生花園へ。私の大好きなところです。四季折々にここでしか見られない風景と湿原の可憐な花々を楽しめます。  落葉広葉樹林区ではコナラやケヤキなど雑木林とその中に咲く草花。低層湿原区、ヌマガヤ草原区、高山に咲く花々、箱根仙石原湿原区、湿生林区など、ほとんど人もいなく秋の花が楚々と咲いていました。

”春の七草”は七草粥。”秋の七草”は花の美しさを愛でる。どちらも好きです。
ホトトギス・エゾリンドウ・ワレモコウ・アサマフウロ・オミナエシ・ヤマハギ・マツムシソウ・・・そうそう、ホトトギスにこんな種類が豊富だったと初めて知りました。

どうぞ秋の草花をお楽しみください。そして秋の美しさが際立つ時期、”秋日和”には箱根にお越しくださいませ。

箱根湿生花園公式サイト
https://hakone-shisseikaen.com/

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