風景画家・コンスタブル展

先日仕事で東京に出かけ、その帰りに丸の内の三菱一号館美術館で開催されている「テート美術館所蔵 コンスタブル展」に行ってまいりました。

”あぁ~旅がしたい!”そんな日々を送っている私。

最初のひとり旅は、1961年10月末から約20日間。行き先はイタリア、フランス、イギリス、オランダ、デンマーク。

安いチケットを見つけ南回りで30時間近くかけての旅でした。ラフなプランのもとに旅立った当時の私ですが、なにぶん半世紀以上前のこと。自分のオリジナルツアーにしたいという一念で出かけた旅だったことは、現在でもよい思い出です。

ロンドンに着いてから最初に行ったロンドン・ナショナル・ギャラリーで初めて見たジョン・コンスタブルの風景画に魅せられました。

イタリアでの刺激的な旅のあと、穏やかな田園風景は旅の疲れを癒してくれました。19世紀イギリスの風景画家・・・という認識くらいでしたが、その田園風景は英国の「自然」が表現されていて”雲”の描き方に自分の暮す故郷への愛情が深く感じられ魅入りました。

今回のコンスタブル展はテート美術館所蔵の作品がメインで、国民的風景画家の、35年ぶりの大回顧展です。

ジョン・コンスタブル(1776~1837)は終生描き続けた故郷サフォーク州のイーストバーゴルド村周辺ののどかな情景は何だかイギリスの田舎を旅している気分にさせてくれます。

イギリスのもう一人の風景画家ターナーはずい分旅をして描いていますが、コンスタブルは生まれ育った故郷周辺をおもに描いているからでしょうか・・・とても懐かしさを覚える絵画なのです。

半世紀以上前に観たときの”雲”の印象は今回の展覧会でその意味を知ることができました。天候の移り変わりの激しいイギリス。私も一年だけですが暮してみて実感しました。

刻々と変化する空・雲。そして夕立を予告するような空・雲。よほど”自然”と向き合っていなければ描けない絵画です。そして、木々の表現。描かれるごくごく普通の人びとの表情。家族や友人と過ごした場所での制作。

ひたすら日常の中で自身の生活や環境から離れることなく描いた世界。暮らしを慈しみ、大切にしていること。

「イングランドの風景」の版画集も素晴らしいです。

コロナ禍の中での日々の暮らし。時には気分転換が必要ですね。特に私はイギリスの田舎が好きです。60年間に何度も訪れ、その”自然を美しく保つ”ことに国民が誇りを持っていることに感動を覚えます。

こうして、展覧会に行くだけでも旅ができるのですね。
展覧会は5月30日までです。
公式サイト
https://mimt.jp/constable/

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