毎週日曜の朝にお伝えしている「浜美枝のいつかあなたと」(文化放送)は、東京・浜松町のスタジオがホームグランドです。私は大きすぎず狭すぎずの、あの空間が大好きです。ゲストの皆さんやいつもご一緒の寺島尚正アナウンサーとの距離感も快適です。
でも先月からは感染症拡大防止のため、私はスタジオを離れ、自宅からの電話出演となりました。やはりこの時期、密閉空間を避けるのは当然のことですね。
番組が始まって20年は経ちますが、初めてのことです。しかし、出演者の方々や寺島アナ、そしてスタッフの頑張りでリスナーの皆様のもとへ毎週、番組をお届けしております。
箱根の自宅からの会話、少し慣れてくると、私にはそれほどの違和感はありません。窓から見える木々や山々。時々、深呼吸をしながらのやり取りを自分なりに楽しんでおります。
寺島さんが以前私に聞いくださったことがありました。
「浜さんは、なぜ箱根に住むことになったのですか?」
「本当に好きだからです!」とお答えしました。
映画にでるようになってしばらくたったころ、時間ができると、無性に一人になりたくなりました。そこで、自動車の運転免許を取って小さな中古車を手にいれました。暇ができれば湘南海岸から山道を駆け上がり、箱根周辺に向ったのです。
私は海派ではなく、山派でしたね。1962年3月に開通した自動車専用道路の「箱根新道」は走りやすく周囲の風景を見ながらの運転は最高でした。
そんなことを繰り返すうちに、街の人たちとも知り合いになり、移住するなら箱根だと思うようになりました。ここには「日時計」はなく、「年時計」はともかく、「季節時計」が動いていると感じるようになりました。長い冬からゆっくりと季節は春に移行します。自然のデリケートな変化は、まさにドラマチックです。
その後、私は結婚し、子供を持ち、彼らを大自然の懐にゆだねたいと思ったのが今から40年も前の事でした。それでも、最初は家の建築も簡単にはいきませんでした。
今でこそ古民家再生の技術が蓄積されていますが、当時は2×4が全盛の頃で、古民家という言葉も一般的ではありませんでした。試行錯誤を重ね、費用の問題もありました。最初の3年は台所も風呂も完成しておらず、プロパンガスの簡易ガス台でご飯を作り、近くの旅館にもらい湯にいったほどでした。「ママ、毎日キャンプみたいだね!」子どもたちと顔を見合わせながら笑ったことも、今では懐かしい思い出です。
そしてこの春、我が家の庭には、コメ桜、モクレン、ツツジ、そしてシャクナゲが満開です。まもなく箱根バラが咲きはじめます。
わが家の屋号は「やまぼうし」。
箱根の山がふんわりとヤマボウシの花で覆われるのは初夏ですが、見事な開花は10年に一度といわれています。「友情」という花言葉を持つヤマボウシ、この夏はどのような姿を見せてくれるのでしょうか。
箱根への私の想いを書かせていただきました。
もうしばらく、在宅生活を続けましょう。
5月24日(日)午前9時30分から、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」で箱根のお話をさせていただきます。どうぞお聴きください。箱根の写真は息子が撮ってくれました。
番組をお聴きしながら書いています。
素敵!ご子息様の写真にも癒されました。箱根に行きたいです。終の住処に私もしたいくらい。年を取ってからの移住は厳しいかもしれませんけれど・・・。
毎週のラジオ楽しみにしております。是非お元気で、長く、末永く放送されますように!
寺島アナウンサー、スタッフの皆さま、多くの関係者の皆さま本当にありがとうございます。
小野博子様
ブログへの投稿ありがとうございます。
昨日のラジオ聴いてくださったのですね。
このところ箱根からの出演になっておりますが、早くスタジオに戻り、寺島アナウンサーやスタッフの方々とご一緒したいと思います。
リスナーの皆様からのお便りを普段より多くご紹介できるのは嬉しいです。
20年続けてきて、皆様に聴いていただけて励みになります。
箱根は初夏を迎え、これからも花々が美しい季節です。
まだまだ”自主自粛”が続きます。
お身体ご自愛くださいませ。
浜 美枝