「麺の科学」(講談社) 山田昌治著

皆さまは”麺”というと、どんな麺を想像なさいますか。私たちの食生活には欠かせない麺類。うどん、素麺、蕎麦、パスタ、ラーメンなど、どんな麺類がお好きですか?

私はどれも大好きな麺好きです。これまで深く考えずに食べていた麺類。麺の原料としてもっとも使われている小麦粉と、それ以外の穀物など「麺の科学」を読むとまぁ~知らないことばかり。

このご本を拝読していると山田先生は『食の伝道師』です。山田先生の言葉を借りるなら「麺はもはや文化」ですね。科学的根拠に基づいたお話が書かれております。

山田さんは1953年生まれ。1979年、京都大学大学院・修士課課程終了後、秋田大学鉱山学部・資源科学工学科助手を経て、日清製粉に入社し、パスタなどの食品の研究開発に携わりました。2010年から、工学院大学の教授をお勤めです。

詳しくはラジオのゲストにお招きし、大勢の方にもお話を伺っていただきたいと思いました。

なんでも小麦という植物の起源は中近東の高原の砂漠地帯だそうです。そこに自生していた植物を人類が改良して、ヨーロッパやインド、中国に、さらにアメリカ大陸、オーストラリア広がっていったそうです。

高原の砂漠で進化したために、空気中の水分を吸収しやすい構造があるとのこと。窒素分を貯蔵タンパク質としてため込む。その性質は麺類にした時に弾力的に富むということです。

あたり前のように食べている麺。「こしがあるわね~」とか「喉ごしがいいわね~」とかはいいますが、科学的にみるとなるほど、とガッテンがいきます。そうそう、今年、大流行した「タピオカ」も麺に多く使われているそうですよ。タピオカはカッサバの根茎からえられるデンプンです。それでモチモチ感がでるのですね。

ご本の中には小麦粉・蕎麦粉・米粉・麺を作る粉の科学から、麺の栄養学、そして、科学の力で麺を美味しく食べるコツなどが書かれております。

皆さんは麺を茹でる時に、吹きこぼれてしまう時はどうなさっておられますか。

『うどん、冷や麦・スパゲッティ・日本蕎麦、いずれも沸騰状態を保つことが麺のゆで方の基本です。』と書かれております。でも、難しいですよね、沸騰し泡がどんどん発生し、吹き零れてしまいます。私は”さい水”をします。

ラーメン店などでも見かけますよね。でも家庭の場合とは違うのだそうです。そもそもなぜ吹きこぼれるのか、を教えていただきました。

「麺をゆでていると、麺に含まれるデンプンが溶けだします。その状態で沸騰が始まると、できた気泡がデンプンの膜によって壊れにくくなり、気泡が急激に増えます。気泡のサイズは小さく、それが嵩高くなります。その結果、気泡の体積が急激に増え、鍋の外にあふれるわけです。」

まだまだ科学的なお話は続くのですが、”さし水”ではなく温度調節をコンロでするのがよいとのこと。あとは灰皿!(もちろん新品ので)をひっくり返して鍋の底にいれる。これ、昔はやっていましたよね。灰皿に抵抗がある場合は100円ショップで灰皿に似た形状の吹きこぼれ対策専用グッズが売られているそうです(これはさっそく買いましょう)

お話を伺っておりますと、知らないことばかりです。当たり前に日常麺を茹でておりますが歯ごたえのあるあるうどんの増す方法など・・・スパゲティを茹でる時に、食塩を入れるのは科学的にはどうなのか、など等。たっぷり「麺の科学」を教えていただきました。

ぜひ、番組をお聴きください。
文化放送 10月27日放送
日曜日10時半~11時まで

「「麺の科学」(講談社) 山田昌治著」への2件のフィードバック

  1. 浜さん、先週土曜日に台風19号が発生して、浜さんが現在住んでおられる箱根町の方にも大きな被害をもたらしましたが、あれから1週間経った現在、そちらの状況は如何でしょうか?

    あの時は、私の住む関西方面への大きな被害は無かったのですが、テレビのニュースにて「神奈川県箱根町の被害が非常に大きい」ということを知り、非常に驚くと共に、非常に心配しております。

    年々、地球温暖化に伴う自然災害の発生が相次ぐようになりましたが、東京大学の山本良一名誉教授は「こうした自然災害が頻繁に起きるということは、もう既に地球全体が“地獄の1丁目”に入りかかっているということ」と仰っているそうで、もはや地球温暖化も後戻りできない状況にあるのかもしれませんね。

    改めて、自然災害の恐ろしさを思い知らされました。

    現在箱根町に住んでいらっしゃる浜さんを始め、この度の台風19号発生に伴う被害に遭われた皆さま方に、改めてお見舞い申し上げます。

    中村 有香

    1. 中村さん

      お見舞いありがとうございました。
      私の住んでいる箱根も、観測史上初めてという豪雨に見舞われました。
      屋根をたたく雨音のはげしさに48時間に1000ミリの雨がふるということは、こういうことなのだと、自然の猛威を思い知らされたような気がいたしました。
      我が家は幸い水が少し地下室にはいったくらいでしたが箱根登山鉄道では土砂崩れで陸橋の一部が押し流されたために、全線復旧には時間がかかりそうです。

      大きな爪痕を残した、この度の台風。
      日本の、いえ、世界の自然環境が変わっていると思わざるをえません。

      こうした異常気象の原因は地球温暖化のせいだとも言われますが、そればかりではないという研究者もいます。

      われわれ一人ひとりがこの環境に向き合う必要がありますね。

      被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

      浜美枝

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