『骨まで愛して 粗屋五郎の築地物語』

ご存知、発酵学者の小泉武夫さんが、魚の頭や骨などの「粗」をテーマにした小説をお書きになりました。皮からジュルジュルコラーゲン、骨酒グビグビコピリンコ、目玉の周りはトロットロ!と帯に書かれております。

これが実に美味しそうで、読んでいるとお腹がグーグー鳴り、ヨダレがでてくるほどなのです。あらすじは福島県いわき市出身の主人公が集団就職で上京して以来、築地一筋。築地ナンバーワンのマグロ捌き職人として有名でしたが、55歳で勤めていた仲卸をやめて、子どもの頃から好きだった魚の粗だけを使うお店をオープンさせます。

場所は、築地四丁目の路地裏。鳥海五郎の人柄と腕にひかれた様々なお客さんがやってきて・・・という風に物語りは展開していきます。

小泉さんは東京農業大学名誉教授・農学博士で、鹿児島大学、琉球大学などの客員教授を務めるかたわら、食に関わる様々な活動を展開し、和食の魅力を広げ、辺境の旅を愛し、世界の珍味、奇妙な食べ物に挑戦する「食の冒険家」でもあります。

とにかく小泉さんは大変な”くいしんぼう”。といってもご自分で何でも料理をしてしまいます。このご本に出てくる料理のレシピはほとんど小泉さんのもの。

烏賊の腸煮、皮剥の肝和、煮こごりをぶっかけ丼・・・などなど食前酒にはヒラメの骨酒、河豚の鰭酒、暑い日にはキリリと冷やした日本酒に海鼠の腸をいれた海鼠腸(このわた)酒。

調味料にもこだわり、醤油は千葉・銚子や和歌山湯浅の老舗から。味噌も赤は仙台、豆は尾張・・・というように。

料理好きな小泉さんは「食摩亭」と名付けた自宅の台所でご自分で粗もさばいているそうです。福島県小野町出身。母を早くに亡くし、祖母のこしらえる料理で育てられ「うまい、からだにいい」粗料理で育てられました。

ご著書を拝読していて粗は無駄でなく立派な食材であると教えられます。そういえば、亡くなった私の熊本の祖母も「骨まで愛して」派、煮魚の残った骨にお湯をかけ美味しそうに最後まで食しておりましたね。

ぜひお話を直接お伺いしたいとラジオのゲストにお招きいたしました。

一番好きなのは書くこと。出された本は140冊は超えているそうです。小説の中に「食品廃棄物」の問題も出てきます。食には恵まれた日本。でも”フードロス”は国民みんなで考えなければいけない問題ですよね。

スタジオの小泉さんは「うま味と甘みがチュルチュルと」「ペナペナとしたコクが囃して」「見るだけで涎がピュルと沸きでて」など音で表現する様に、もう~たまりません。

ご本の中には千葉にある「粗神様」もでてまいります。

スタジオの小泉さんはおっしゃいます。「この本には5つの学問がある」と。

『調理学・環境学・民俗学・芸能・発酵学』

飽食社会への警鐘・・・とも受け取れます。かたや「子ども食堂」の問題が全国にひろがりつつあります。世界に目を向ければ飢餓に苦しむ子ども達がいます。『食の問題』は深いですね。

文化放送「浜 美枝のいつかあなたと」
4月14日 日曜日
10時半~11時 放送

「『骨まで愛して 粗屋五郎の築地物語』」への1件のフィードバック

  1. 今回の浜さんのブログ記事の中に、今や全国に広まりつつある「子ども食堂」のことや、世界中で飢餓に苦しむ子どもたちのことについて触れられた箇所がありましたが、私もここ数年のうちに、そうしたことに関心を寄せるようになりました。

    ちなみに、私の勤務先では、2015年から昼食時に“一汁一飯”という取り組みを始めていまして(月1回程度)、ご飯とお味噌汁だけの食事を取ることで、世界中で飢餓に苦しむ人々に思いを寄せながら、美味しく食事をいただけることに感謝するという意義をふまえ、有り難く食事をしております。
    なお、その時の昼食代は、毎回「国連WFP」に寄付していまして、現在もそれを継続しているのであります。

    浜さん自身、こうした“一汁一飯”という取り組みは、初めて耳にされることだとは思いますが、それに対してどのようにお感じになりましたでしょうか?

    それから、子ども食堂の件に関しましても、今月中旬に我が家に届いた「いのちの環(わ)」というタイトルの雑誌(もともとは、一昨年12月に亡くなった祖母が年間購読していたもの)の中に、それにまつわるインタビュー記事が掲載されていまして、子ども食堂の現状が色々と書かれていましたので、非常に興味深く読みました。

    私も今後、浜さんのブログはもとより、こうした雑誌からも色々と学んでいきたいと思っております。

    中村 有香

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