美智子さまと星の王子さま

先日、本屋さんで素敵な本に出逢いました。

美智子さまと星の王子さま”です。
鮫島有美子さんの文章で彼女の歌と朗読のCD付きです(文藝春秋)。

美智子さまが半世紀前に紡がれた可憐なメロディ、歌曲『星の王子の・・・・・』を知っていますか?と帯に書かれていました。

え、美智子さまが”星の王子さま”にメロディを? 『星の王子さま』の翻訳は内藤濯(あろう)氏。メロディは内藤さんの和歌にでした。

いずこかに
かすむ宵なり
ほのぼのと
星の王子の
影とかたちと
(内藤濯氏によるものです)

ねむれ ねむれ
母の胸に
ねむれ ねむれ
母の手に
(以下略)

「シューベルトの子守唄」の訳詩もされた方です。世界中で親しまれ、読まれてきた「星の王子さま」。中でも内藤さんの訳が私は一番好きです。翻訳された時は内藤さんは70歳になられておられたとのこと。なんと瑞々しく、優しく、どこかロマンチックで美しい日本語なのでしょうか。日本でも600万人を超える読者に親しまれているそうです。

内藤氏の訳本、『星の王子さま』が最初に店頭に並んだのは昭和28年でした。しかし一色刷りで、本来の美しさではなく内藤氏はお気に召さなかったとのこと。発売から十年の歳月を経て、昭和37年に現本通りに多色刷りの挿画が実現されました。そうなのですね~・・・私はこの愛蔵版が(岩波少年文庫版)出版された時に購入し、夢中になって読んだのですね。

昭和38年の春、当時皇太子妃であられた美智子さまのお手元に届けられたそうです。ご存知のように美智子さまは童話や絵本にも造詣がお深くていらっしゃいます。でも当時内藤さんの『星の王子さま』をご存知でいらっしゃらないと耳にした内藤氏が献上され、『星の王子さま』を読まれた美智子さまから内藤氏にお礼のお手紙が送られてきます。

「あまり美しい物語だったためでございましょうか、読み終えて少しさびしくなりました。よい御本を頂いて、本当にうれしゅうございます」(美智子さまと星の王子さまから)

こうして交流がはじまったお二人は親子ほどの年のひらきはあるものの”美しいことば”を通し、交流を深められていらしたのですね。美智子さまからのお手紙を女官が時折お届けの時は文箱の上には、東宮御所のお庭で摘まれた小さな花が一輪、さりげなく添えられていたそうです。美智子さまは時折小さな花束をお持ちになり被災地をお訪ねになられますね。

枯野の箱根の山で青空の広がる午後のひととき、こうして「「美智子さまと星の王子さま」を読み、まもなく訪れる「聖夜」に想いを馳せ、太陽の新生を祝いたくなります。バックに美智子さまが半世紀前に紡がれた可憐なメロディが流れています。

素敵な本に出逢いました。

『平成』という時代に美智子さまと共に歩んでこられたことに深い感謝の気持ちでいっぱいです。

「美智子さまと星の王子さま」への2件のフィードバック

  1. 浜さん、はじめまして。今年の夏頃にインターネット検索をしておりましたところ、浜さんのブログと出会い、それ以来閲覧させていただくようになりました。

    これまで読んだ中では、熊のプーさんにまつわるブログ記事や、女優の原節子さんにまつわるブログ記事が印象に残っております。
    (私はまだ30代なのですが、いわゆる昭和の映画界を彩ってこられた銀幕のスターの方が大好きなんです。)

    今回の「美智子さまと星の王子さま」というタイトルの書籍について紹介してくださったブログ記事も、非常に興味深く拝見いたしました。
    機会がありましたら、またお邪魔させてくださいませ。

    追伸 去る12月19日の夜、テレビ朝日系にて「決定版!日本の名曲グランプリ」という番組が放送されましたが、その中で浜さんが、石原裕次郎さん・ペギー葉山さん・藤岡琢也さん、そして今年5月に亡くなられた星由里子さんと共に「銀座の恋の物語」を歌っていらっしゃるお宝映像が映りましたので、思わずテレビ画面に釘付けになってしまいました。
    私は、ペギーさんも星さんも大好きなスターのお1人ですから、お2人とも亡くなられてしまったのが本当に淋しいです。

    また、浜さん自身のブログの中で、星由里子さんとのエピソードも綴っていただければ幸いです。

    1. ハッスル・レディーさん
      ブログへの投稿ありがとうございました。
      綴りはじめて10数年がたちます。日々感じたこと
      観た映画や展覧会。そして、旅など自分の日記のようなつもりで毎週金曜日に更新しております。

      文化放送(日曜10時半~11時)「浜美枝のいつかあなたと」へご出演くださった方々のお話も。

      お蔭さまで、日々充実した時を過ごしております。
      あなたのようなお若い方が読んでくださるのは嬉しいです。

      間もなく平成の時代も終わります。
      新たな年が佳い年となりますように。

      これからも気ままに、綴ってまいりますので、お時間のある時には覗いてみてください。

      先日のテレビ朝日の映像、私も見ました。懐かしかったです。裕次郎さんとは映画でご一緒したり、テレビでは「太陽にほえろ」でもご一緒させていただきました。お人柄も素晴らしく、映画の黄金期でした。

      私自身は40歳で演ずるという女優は卒業しましたが、華やかで輝いていた映画時代は私の”宝”です。

      良い年をお迎えくださいませ。

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