「徹子の部屋の花しごと」

今回のラジオのゲストは花を活けた回数1万回以上。テレビ朝日『「徹子の部屋」の花しごと」』をお書きになられたフラワーアーティストの石橋恵三子さんです。

石橋さんは1940年、東京・文京区のお生まれ。日本のテレビ黎明期から、様々な番組作りを支えてこられました。テレビや映画で使用される花や食べ物を指す業界用語「消えもの」を日本で始めて担当し、放送開始から42年を迎えた名物番組「徹子の部屋」では、その日のゲストに合わせて初回からずっと花を活け続けていらっしゃいます。

テレビをご覧になった方々も、ゲストのお話はもちろん、中央に飾られている花に目がいきますよね。事前に調べておいたゲストのイメージメモをもとに、アレンジを組み立てていくのだそうです。

その日のお花の状態を見ながら、そしてご自身の直感を信じながら、アレンジしていくとのこと。まさに番組や黒柳さんの伴走者でもあります。番組で飾った花は毎回アルバムに保存し、活けた花の名前も全て専用ノートに毎日記録しているとか。

ラジオではゲストとの”石橋ミラクル”と呼ばれる奇跡を呼ぶお話もうかがいました。事前にゲストが誰かを調べて、その人の最近の出演作や近況からイメージを膨らませて飾る花をきめるのだそうです。

時には季節はずれの花(たとえば桜など)もそろえます。特に想い出深いのは高倉健さん。とおっしゃいます。高倉さんの好きな花が「都忘れ」であると聞き、収録に間に合うように頑張って房総まで調達しに行き、生けたそうです。

せっかくなので花束にして収録後に差し上げたら、その都忘れの花束から1本抜いて「ありがとう」と石橋さんに差し出してくださったとのこと。「なんて粋で素敵な振る舞いでしょう!」とおっしゃいます。

結婚や出産、女性がそれらを仕事と両立させていくにはどれほどのご苦労があったことか。一番の理解者はご主人。輝きながら仕事をする石橋さんを精神的に支えてこられたのですね。

『私にとって花とは何か。あらためて考えてみると、それはやはり「人生そのもの」。花がきっかけで人と出会い、仕事になり、その仕事が私の生活を支え、何にもかえがたい生きがいをもたらしてくれました。花があって生かされた私。死ぬまで花に囲まれていたいと思っています。』と目を輝かせて語る石橋さんはまるで少女のような美しさと、仕事をする女性として凛とした姿。眩しいほどでした。

私も「徹子の部屋」には何度か出演させていただきましたが、白と赤の花がいつもバリエーションを変え徹子さんと私の間、真ん中に生けてくださいます。

そして、収録の日は素敵な花束を頂戴いたしました。テレビスタジオとはまた違い濃いローズ色のダリアとユリなどシックな大人の色の花束でした。

素敵なお話をうかがえました。
ラジオをぜひお聴きください。そしてご本を手にとってください。

放送日は10月14日(日)、10時半~11時
文化放送「浜美枝のいつかあなたと」

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