映画「グッバイ・ゴダール!」を観て。

現在87歳のジャンリュック・ゴダール監督は今年もカンヌ映画祭に新作を出品している現役監督です。フランス・ヌーベルバーグの草分け的存在だった監督。フランス映画界において「生ける伝説ジャンリュック・ゴダール」ともいわれます。

60年の「勝手にしやがれ」そして「気狂いピエロ」など、私には衝撃的な映画でした。その監督を描いた「グッバイ・ゴダール」を観てまいりました。

『グッバイ・ゴダール』を撮ったのは「アーティスト」でアカデミー作品賞と監督賞を取っている巨匠ミッシェル・アザナヴィシウス監督。

ストーリーは「中国女」の主演にアンヌ(ステイシー・マーティン)を抜擢します。ノーベル賞作家フランソワ・モーリャックの孫娘。その19歳のアンヌに一目惚れしたゴダールは彼女と2度目の結婚をします。

原作は昨年亡くなった彼女自身の回顧録によるものですが、ミッシェル監督がどこまで物語構成しているか分かりません。新聞記事によると「彼の脚本には、皮肉とともに軽妙さがある。この映画の撮影は、ギリギリの線上を歩き続けることが必要でした。誰もが常に『やりすぎていないか』ということを注意していました」と書かれていました。

世界中で学生たちが反乱を起こした1968年前後。フランスでも5月革命が起り、まさに政治の季節。ゴダールもデモに積極的に参加します。フランスは、自由・平等・博愛を国是としている一方で、つかまった学生たちはあの五月革命の頃には警察署から悲鳴が耐えなかった、と知り合いから聞いたことがあります。

そんなデモに参加していたゴダール。警察隊と学生や群集が血を流す、そんな場面もゴダールの行動をユーモラスに捉えているのです。プライベートでは嫉妬深く、エゴイズムで、アンヌとの仲も彼女が女性として成長していく過程で徐々に暗雲をはらんでいく・・・。

『人間ゴダール』を描いているのですが、そこは、フランス。ユーモアのなかにも「どこまでが真実なの?」とも思いました。べつに「真実」が必要だとは思いませんが、あの時代のゴダールフアンにとっては”何か虚仮(コケ)にされてるな~”という思いにかられます。

以前私が10代の頃にカンヌ映画祭で、と来日された時にお目にかかったことがあります。私の目には人間的に魅力的で理論家、そしてユーモラスな人との印象が残っています。もちろん人間ですから表面だけでは分かりません。

でひ聞いてみたいです。『ゴダール監督!いかがでしたかこの映画は?』と。ただ、横に手を振るだけでしょうか。それとも笑って許すのでしょうか。ゴダールフアンの方、ご覧になったら感想をお聞かせください。

アンヌ役の主演女優 ステイシー・マーティンが素敵です。美しいです。ゴダールの活躍したあの時代の空気間は見事に伝わってきます。

『グッバイ・ゴダール』   いいえ、あなたは永遠です。

映画公式ホームページ
http://gaga.ne.jp/goodby-g/

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