映画『ロング、ロングバケーション』

今週も映画のお話しです。

「最高の旅をした人生」にする。
大好きなキャンピングカーで二人は走り出した。
”そう、人生は上々だ!”

半世紀以上連れ添う70代の夫婦が、キャンピングカーでアメリカ縦断の旅にでる。

夫・ジョン(ドナルド・サザーランド)の運転する年季の入ったキャンピングカーに乗り、ルートは1号線を南下しキーウェストのヘミングウェイの家へと二人は旅に出る。

妻・エラに扮するのは、アカデミー賞に4度ノミネートされ、「クイーン」で主演女優賞を獲得したヘレン・ミレン。ジョン役のドナルド・サザーランドも2017年、アカデミー賞名誉賞に輝いています。

そして、監督は今やイタリアのNo.1のパオロ・ヴィルズイ。

「私はイタリア映画の申し子ですし、イタリア映画界の一部であることを誇りに思っています。ですから、アメリカで撮影するというプロジェクトは、半ば賭けのような気持ちでスタートしたのです。」と監督は言います。

原作の素晴らしさと主役の二人が快諾してくれ、その時点で作品への情熱がさらに駆り立てられました、とも語っています。

妻は末期ガンを患い、文学教師だった夫は認知症が進むなか、ハンドルを握り東海岸の陽光を浴び、ひたすら走ります。

敬慕するヘミングウェイの家を見せてあげたいと願う妻エラ。人生を共に歩んできた二人にも秘めた出来事があり、思わぬところで露呈し、絶望し、また再生し、希望をもち、老夫婦はそのトラブルまでも謳歌してしまう、旅を続けます。

『哀切』ってこういうときに使われる言葉なのでしょうか・・・。

「最後の瞬間まで自分の人生を選ぶという問題にたいしてどう向き合うか」を考えさせられる映画です。

最期の瞬間まで、息子達の意見を、理解ある医師たちの考えを尊重しますが、自分の人生を選ぶ自由は自分達本人です。

そこにはアメリカのヘルスケアシステムがあると言われています。人生の最後に多額のお金が使われる仕組みになっているとか。そのような背景を監督はどのような形で示したかったのか。

名優二人の演技は、演技をしていることをも忘れるほど自然体で、ユーモアがあり、人間的な魅力溢れる芝居なのです。だから名優なのですね。

唐突なラストは申し上げませんが、心に深く余韻を刻んでくれます。

”そう、人生は上々だ!”

そう・・・こんな愉快な旅ができたら人生最高ですね。たとえ何があったとしても。
いい映画でした。至福の1時間52分でした。

TOHOシネマズ日本橋などで上映
映画公式ホームページ
http://gaga.ne.jp/longlongvacation/

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