映画「女神の見えざる手」

ワシントンの辣腕ロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャスティン)は自分の信じることに果敢に挑む。政府を陰で動かす、といわれる”戦略の天才ロビイスト”を見事に演じている。
でも正直に言って映画が始まった15分はあまりのテンポの速い演出についていけず、私の頭は混乱していました。
「何なの・・・これって!」状態でした。
でも気がつけば2時間12分のストーリーに引き込まれ、したたかな女性スローンに”あっぱれ”と拍手でした。
私がびっくりしたのは脚本です。何と初めて執筆した脚本が映画化され、もともとはイギリスの弁護士だったジョナサン・ペレラが映画学校などには通わず、手に入った脚本を片っ端から読み、そして学びこの作品を完成させたとのこと。
弁護士だった彼女はBBCのニュースで、不正行為で逮捕された男性ロビイストのインタビューに着想を得ての執筆だったそうです。そのロビイストを女性に置き換えた、その着想が素晴らしいです。
現代社会において女性が実際このような仕事の仕方がゆるされるのか・・・マシンガンのようにしゃべりまくり、何よりも大切なのは仕事、絶対に勝つ、「女性のステレオタイプを打ち壊すような物語を伝えられるなら、喜んで引き受けるわ」とジェシカ・チャスティンは語っています。
原題は「ミス・スローン」
エリザベスの人生は、仕事がすべて。パーティーに顔を出すのも、戦略の根回しや、裏事情をつかむのが目的。眠る時間がもったいないので、眠気止めの強い薬を飲む。私生活での交友はほぼゼロ。もちろん恋人もいない。男性への欲望は高級エスコートサービスで満たす。部下さえも裏切る、目的のためには。
全米500万人もの銃愛好家がいるといわれるアメリカ。その背景には政治の世界が大きく関わっていることが映画でよくわかります。私の全く知らない世界。作品自体はフィクションですが、実際のエピソードの数々がヒントになっているそうです。そして「アメリカの銃規制を実現するには、ミス・スローンが何人いてもたりない」と言われます。
監督・製作総指揮はジョン・マッデン。
「恋におちたシェイクスピア」(98)がアカデミー賞作品賞を受賞。そして私の大好きな「マリーゴールドホテルで会いましょう」など数々の名作を世に送り出している監督がこう述べています。
「がむしゃらで刺激的なエネルギーが爆発するように展開させる。そして、勝利への執着心からくる虚しさに主人公が気づいたとき、それまでのスピディーな流れを、均衝状態と沈黙で途切れさせるような作りをめざした。」と。
トップ・ロビイストを完璧に表現したファッションを見事に着こなしているジェシカ・チャスティン。
でも、私がとても印象深く感じた繊細な演技。
フッとした瞬間の表情、目の動き、人間味ある主人公を演じた彼女に堪能しました。
映画ですから、あまり詳しいストーリーは申しませんが、もしご覧になられたら『ラストシーン』の最後の最後に見せる目はだれに向けているのでしょうか?私なりに勝手に想像をしましたが、さて。
映画公式サイト
http://miss-sloane.jp
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