一汁一菜でよいという提案

2016年も間もなく終わろうとしています。何かと慌しい日々ですね。そんな中、心がほっこりする本に出会いました。大切にしたいと思える本です。
土井善晴著『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社)
ページをめくるとこのように書かれております。
 一番大切なのは、
 一生懸命、生活すること。
 一生懸命したことは、いちばん純粋なことであり、
 純粋であることは、もっとも美しく、尊いことです。
一汁一采とは「ご飯、味噌汁、漬物」を原点とする食事の形。ご飯と味噌汁だけでもじゅうぶんです。塩気が必要なら漬物の代わりにご飯に味噌を添えてください。と書かれ具沢山の味噌汁にご飯の写真。
そうですよね・・・私たちが長年ご先祖から受け継いできた考え方、生き方ですね。どうしてもお話しを伺いたくラジオのゲストにお越しいただきました。
料理研究家の土井善晴さんは1957年、大阪生まれ。スイス、フランスでフランス料理を学び、帰国後、「味吉兆」で日本料理を修業しました。
土井勝料理学校の講師を経て、1992年「おいしいもの研究所」を設立。変化する食文化と周辺を考察し、命を作る仕事である家庭料理の本質と、持続可能な日本らしい食をメディアを通して提案されています。
NHKの「今日の料理」、テレビ朝日系の「おかずのクッキング」の講師も務めておられ、私は随分参考にさせていただいております。
土井さんはおっしゃいます。日本には、手を掛けるもの、掛けないもの、「ハレとケ」があり、そのけじめをつけることが大切です、と。
「ハレとケ」では食材も使い分け、例えば魚のアラは、ハレの場には使わない。頑張りすぎている若いお母さんの中には、味噌汁は「きちんとダシを取らないと!」と思ってしまう人もいらっしゃいますが、湯に味噌を溶けば、味噌汁になる。
ケの概念は日常の家庭料理。現代社会では(ハレとケ)2つが混乱していますね、と。そして、「家庭の台所」には料理する音、匂いがあります。それが、安心感につながるのです。と。貧しくても
たしかに私たちが子どもの頃は生活の中にけじめのついた日本らしさがありましたよね。貧しくても一生懸命に生活することが、その後の高度経済成長で性能の良い製品を作る土台になったのですよね、たしかに。
3年前に、和食がユネスコの世界無形文化遺産に登録されましたが、私たちはもう一度日本の家庭料理を担ってきたおばあちゃんや母親のもとに行かないといけないのかもしれませんね。
来週はクリスマス。そしてお正月へと「ハレ」の日が続きますが、日常は心が暖かくなる「一汁一采」でじゅうぶんだと私も思いました。
“頑張りすぎないこと”はとても大切です。
未来を担う子ども達の”食”が心配です。
ぜひ土井さんのお話しをラジオでお聴きください。
2週にわたり放送いたします。
文化放送 「浜美枝のいつかあなたと」
12月18日と25日
日曜10時半から11時まで。


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