井伊直虎

2017年の大河ドラマの主役は「井伊直虎」です。
皆さま、この井伊直虎という人をご存知でしたか?正直申し上げて、私はしっかり日本史を勉強していなくて直虎という強そうな名前なので男性だとばかり思っておりました。「女性」なのですね。しかも激動の戦国時代に、一族を守ったボスでもありました。「井伊」と聞くと、井伊直正かあるいは幕末の大老・井伊直弼(なおすけ)が思い浮かびます。
安部総理が「女性の活躍」を掲げておりますが、家を守る時代が長かった女性の、はるか前の時代に、直虎のような女性が活躍していたのですね。
そこで、この度「井伊直虎 女領主・山の民・悪党」(講談社現代新書)をお書きになったな夏目琢史さんをラジオのゲストにお招きをし、直虎の魅力を伺いました。
夏目さんは、1985年、静岡県浜松市生まれ。一橋大学大学院・社会学研究科を卒業。専門は日本史です。これまでに「アジールの日本史」、「文明・自然・アジール: 女領主井伊直虎と遠江の歴史」など著書も多数あります。そもそも、夏目さんの生まれ育った浜松は直虎の地元である引佐(いなさ)地方なのです。もう中学時代にこの直虎に興味を持ち、古文書も調べていらしたそうです。
引佐地方の豪族で、直虎の両親には男の子が生まれず、直虎のいいなずけだった親戚の直親も暗殺されたために1565年(永録8年)直虎が女領主になります。
私がもっとも興味深かったのは、引佐地方のもっと山奥、オオカミの遠吼えがこだまする緑豊かな自然で生まれ育ったと推測される直虎の故郷は、ほとんど宮崎駿監督の「もののけ姫」の世界です。”山の民”非農業民。夏目さんにお話しを伺うと教養もあり、魅力的な女性でもあったそうです。「悪党」と言っても現代での解釈とは違うようです。戦国の世、なぜ女性が領主となり、なぜ近世期、彼女は忘れさられたのか・・・そうした直虎の運命をスタジオでたっぷりと伺いました。
いつの時代もその「時代の転換期」があるのですね。「女性の活躍」・・・と声高にいわなくともごく普通に「女性の活躍」のできる世の中になってほしいものです。来年の大河ドラマが楽しみになります。
その前にラジオをお聴きください。
文化放送『浜 美枝のいつかあなたと』
12月11日
日曜10時半~11時