映画「男と女」


皆さま~・・・あの”ダバダバダ~”のメロディーで知られるクロード・ルルーシュ監督の『男と女』が、50年ぶりに鮮やかな映像と音でよみがえりましたよ!
日本初公開は50年前の10月15日だったそうです。その記念すべき10月15日、恵比寿ガーデンプレイス内「YEBISU GARDENN CINEMA」で初日を迎えました。50年前公開の時、私は22歳。主役のアヌーク・エーメのシックな衣装に魅せられ、メロディーに酔い、俳優達の演技やスピーディなレース展開に強烈な印象を受けました。公開時29歳だった若き監督、クロード・ルルーシュ。
早朝一番のバスで芦ノ湖の向こうに美しく見える赤富士を眺めながら下山し、恵比寿の劇場に向かいました。10月15日・1回目の上映です。早朝の秋晴れの美しい都会は清々しく、まさに映画日和でした。上映までの1時間は周辺を散策し、お茶を飲み、50年前の自分自身を振り返りました。「007は2度死ぬ」への出演が決り私の人生が大きく舵を切り、新たな道へと進みはじめた時期だったと思います。
10時10分、映画が始まると「男と女」ではなく、いきなり1台の車(フェラーリ275GTB)が夜明けのパリをアクセル前開で走りぬける8分28秒のルルーシュ監督の幻の短編・ドキュメンタリー『ランデヴー』が始まります。「男と女」から10年後、ルルーシュ自らがハンドルを握り、豪快なエンジン音、ハンドルの振動が観る側に伝わり、凱旋門、コンコルド広場、オペラ座、ピガール広場と駆け抜けていくのです。助手席にいるような錯覚になり、すでにここから『男と女』は始まっています。
1966年フランスから生まれた名作。初デジタル・リマスター版。1967年アカデミー賞外国語映画賞&オリジナル脚本賞、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞&主演女優賞など、賞を総なめにしたラブストリーは強烈な印象を与えました。
ただ・・・今回私は50年ぶりににこの映画を観て思ったのは「私ってなんと子どもだったのかしら」ということでした。『男と女』の心のひだ・・・うつろう想い、愛、まったく理解できていなかったことに気づかされました。そして、フランス映画のもつ奥の深さや、大人の機微。素敵です。
今、この年齢になりもう一度観ることができた幸せ。
(シニア料金で観るのが申し訳ないです(笑)
最高の”自分へのご褒美”の日でした。
当時の監督は、破産寸前で映画を撮るお金もまったくなく低予算で作られたことなどが、初日のサプライズで明かされました。そう・・・主役のアヌーク・エーメの夫役ピエール・バルーが来日され壇上で語ってくださいました。エピソードや音楽も手がける彼は歌まで口ずさんでくれました。キャストも含めわずか13、4人のスタッフでの撮影、主役の二人は車の中のシーンなどではライトを手に持ち照明もつとめたこと、ロケはわずか3週間ほどだったこと、などなど、今年83歳のピエールは「今でも当時の仲間とは仲良く交流がありますよ」と語ってくれました。飛行機の都合で当日の朝、成田に着きそのまま映画館に駆けつけてくださいました。
人生ってコツコツと積み重ねてくると、神さまがご褒美をくださいますね。
そんなラブリーな一日、日暮れ前にまた芦ノ湖の向こうの富士山を眺めながら家路へとつきました。
映画の公式サイト
http://otokotoonna2016.com/

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