コンビニ人間

第155回 芥川賞受賞の『コンビニ人間
大変興味深く読みました。わたしたちの生活に欠かせないコンビニエンスストアを舞台にした小説です。「コンビニエンスストアは、音で満ちている。」で始まります。
受賞なさった村田さんは、1979年、千葉県生まれ。玉川大学文学部を卒業後、2003年、「授乳」で、第46回群像新人文学賞優秀賞を受賞して作家デビュー。2009年「ギンイロノウタ」で野間文芸新人賞、はじめ2013年、「しろいろの街の、その骨の体温の」で第26回三島由紀夫賞受賞。など活躍されている方です。
受賞発表のときの村田さんのはにかんだ感じ、授賞式の日、7月19日もコンビニで働いていた・・・というエピソードに私自身驚いたものです。つまり、私は村田さんご自身が「コンビニ人間」なのかしら・・・と思ったのです。
村田さんが書いた「コンビニ人間」は、36歳の独身の古倉恵子が主人公です。大学卒業後も就職せず、コンビニでバイトも18年目。(この辺は村田さんと一緒)コンビニで働いている時にしか生きがいを感じられません。ある日、そのコンビニに婚活目的で一人の男がやってきて、主人公の古倉に「そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい」と突き付け、物語が展開していくのですが、そのコンビニでの描写や、なにか・・・ちょっと普通ではない人間たち、もしかしたら、私など敬遠したいタイプのように映るのですが、読み進めていくうちにその主人公たちに作家は限りなく慈しみをもち、周囲からは厄介者に映る男に主人公は寛容なのです、とても。
作品の中で、36歳の独身の主人公は「結婚は?」とか「まだバイトなの?」と家族や周囲から異物扱いをされます。この本を読んでいると世の中の「普通であること」や「世間一般の価値観」に対して村田さんご自身はどのようにお考えなのかを伺いたくなりました。登場人物がとても魅力的、人間的に思えてくるのです。
村田さんはコンビニ勤務歴18年、深夜2時に起きて早朝6時まで執筆。午前8時から午後1時までコンビニ勤務。その後、喫茶店で執筆。夕食後、お風呂に入って寝る。週3回のペースで働きながら小説を書くのが、原稿が進むし、バランスが取れる・・・とおっしゃいます。作家歴13年、コンビニ店員歴18年!
ラジオにお招きしてじっくりお話しを伺いました。小さい頃から読書好きな少女で、空想壁があり、少女小説家になりたかったそうです。
みなさんはコンビニってよく利用されますか?
私の場合、住む町にはコンビニがないので、月に何回か箱根神社に参拝に行った帰りには早朝かならず寄ってみます。工事現場に行く前にトラックの助手席でお弁当を食べている人や観光客、時にはお年寄りがひとりで買い物や、様々な人に出会います。一人用の便利なお惣菜、日用品、おむすび、サンドイッチ・・・新聞や雑誌、など等。
「買い物難民」といわれるお年よりが多くいる日本列島。コンビニの役割は大きいですね。最終のバスで小田原から終点の町までバスで帰って来る時など辺りの商店の灯りは消えて真っ暗。バスの中からコンビニの煌々と光る灯りにホッとすることも。そのコンビニの中でくりひりげられているドラマの数々。「コンビニ人間」は大変興味深かったです。
芥川賞作家 村田沙耶香さんにじっくり2週にわたりお話を伺いました。ぜひラジオをお聴きください。
放送日は9月11日と18日
文化放送「浜 美枝のいつかあなたと」
日曜10時半~11時まで。
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