甲府への小さな旅

先日、山梨中央銀行さまのお招きで甲府へ行ってまいりました。
この頃は、慌しくその地にお邪魔するのではなく、なるべく前日入りをして その街の空気や風、どんな暮らしをなさっておられるのか・・・そして食べ物などを楽しむ時間をつくるようにしております。


講演会の前日、早く箱根の山を下り、新宿からあずさ号に乗り甲府にお昼頃着き、荷物を置いてまず向かったのが、武田神社に参拝いたしました。甲斐の名将・武田信玄を祀っている神社です。信虎・信玄・勝頼の三代が63年に渡り国政を執った由緒ある館跡。境内には当時からの堀や石垣、古井戸などが残っています。


そして山梨県立美術館へ。1978年の開館以来「ミレーの美術館」として広く親しまれています。常設でミレーの絵が観られます。あの有名な「落穂拾い・夏」「種をまく人」など約70点のミレー作品を収蔵。収穫された穀物の大きな山を背景に描いているものの、ミレーは落穂を拾う貧しい女性たちを描いています。いつも農民に寄り添って描く姿が共感をよぶのでしょうね。緑豊かな公園の中にあり、岡本太郎らの彫刻作品も随所にみられ、富士山も見えました。南アルプス、八ヶ岳など四方を山々に囲まれた盆地甲府。時間がゆるせばたくさんの美しい山があるので次回はぜひ楽しみたいです。


バスで駅まで戻り新しく生まれ変わった北口広場に隣接した「甲州夢小路」を散策しました。古民家の移築、明治・大正・昭和の城下町を再現したレトロな雰囲気を楽しみました。しっかり職人さんたちの手で造られたことが分かります。私は・・・といえば、まず入り口の”甲州ワイン”を一杯!白ワインをいただきました。駅前のちょうちん横丁にも行ってみたかったです。夜は郷土料理”ほうとう”野菜もたっぷりの家庭料理で心がぽかぽか、幸せ気分でした。果物も野菜も、そして水の美味しさで豊かな気分になれる山梨。翌日が本番ですから夜遊びは出来ません(笑)


当日、会場には600名近い皆さまが迎えてくださいました。
「明日を素敵に生きるには・・生きがいとアンチエイジング」がテーマでした。このごろ、つくづく思うことは”ご縁”って大切、ご縁があって人は生きていられるのですね。皆さまは50代、60代、70代、そして80代の方もいらしたかも知れません。穏やかで明るい雰囲気が会場いっぱいに広がっていました。70代になって思うことは「誰かの助けになることを考える前に、誰かのためになることを考える!その方が、前を向く行動になる」としみじみ思うようになりました。
「三六五日・三六五人に会いなさい」
画家の岩田専太郎先生の教えです。演技のイロハも知らずに、飛び込んだ映画界は、決して私にとって居心地よい場所ではありませんでした。「背中を伸ばして」と言われればピンと背筋をたて、「もっと颯爽と歩いて」といわれれば膝をひっこめて歩き・・・まるで自分が自分でないようで、やりがいを感じることのできない10代後半。「先生私女優をやめたいのです。ちっとも上手にできないし、今なら違う職業につけそうな気がします」と。すると先生は「そうだね、あまり君は上手ではないね。やめてもいいよ、君はなにをやってもいいんだ。ただひとつ、これだけは覚えておきなさい。人生というものは、生涯学ぶものだよ。毎日ひとり、365日で365人の人に出逢いなさい。人に会うことで、君は何かを見つけていくことができるだろう。そして答えは自分でさがせばいい」と。
その言葉が、自分を縛っていたカセから自由にしてくれたように思います。
 何をやってもいい。
 答えは自分で探すもの。
 人生は学びの連続。
 これからどう生きていくかで人生が変わる・・・。

岩田先生が教えてくださったのです。
仕事に恵まれ、愛する家族もいますが、これまで思い通りにならないこともたくさんありました。苦しいこと、哀しいこと、悔しかったこと、そうしたものをバネにして生きてきました。様々な経験が私を磨いてくれてきたのでしょう。
人を愛し、何よりも自分を愛してあげる・・・大切なことのように思います。
あっという間に1時間半が過ぎました。
今回も素敵な出逢いをいただきました。
皆さま『ありがとうございました。どうぞお元気で!そして、人生を楽しみましょう!』