『終わった人』

刺激的なタイトルの本。
「定年って生前葬だな」という書き出しではじまります。
この度、『終わった人』をお書きになられたのは、脚本家の内館牧子さんです。正直、「キビシイ・・・タイトルだわ。」と思いましたが、ページをめくると愛と定年男性へのエールであることがよく分かります。
内館さんは1948年、秋田市生まれ。東京育ち。武蔵野美術大学を卒業後、13年半のOL生活を経て、1988年、脚本家デビューなさいました。
「思い出にかわるまで」
「ひらり」
「出逢った頃の君でいて」
「私の青空、」など数々の人気作品があります。
大相撲にも造詣が深く2000年から10年間、横綱審議委員を務め、現在東北大学相撲部総監督を務めておられます。
最新小説が「終わった人」なのです。これから定年を迎える人、あるいは夫とともに歩ん妻や家族、若い世代など、どんな人が読んでもリアリティあふれる描写に引き込まれました。内館さんの観察眼や物語の展開に時間を忘れ読みました。これはぜひ直接お話を伺いたい・・・とラジオのスタジオにお招きいたしました。
本の帯には「大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定を年迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方くれた。妻は夫との旅行などには乗り気ではない。『まだ俺は成仏していない。どんな仕事でもいいから働きたい』と職探しをするが、取り立てて特技もない定年後の男に職などそうない。生き甲斐を求め、居場所を探して、戸惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?」・・・とあります。
ジムやカルチャースクールに通ったものの、エリート意識が抜けず、満たされない日々が続いていたところに年下の女性との出会いがあり、ある会社からの誘いがあり・・・と後は読んでお楽しみください。
スタジオでは寺島尚正アナウンサがー『現役時代から、定年後は別の人生が始まると覚悟しておいたほうがいいのでしょうか?』と真剣です。シリアスな話の中にユーモがあり「う~ん、分かるな奥さんの気持ち」・・・など私は普遍的なテーマも内館さんの手によると、・・・こんなに人が愛おしくなるのね・・・と思わずうなずいていました。
スタジオに現れた内館さんはチャーミングで素敵な方。7年前に大病をされて、13時間の大手術をなさり2週間もこんこんと眠り続け、奇跡的に目を覚まされたそうですが、お元気で、今でも何にでも興味を示され、学び、ワイン教室、最近は将棋にも夢中とのこと。すごいバイタリティーです。
「勉強することが大好きなの」とおっしゃられます。
故郷についてや、「終わった人」のラストにも関係してきますが、私は伺いました。
「熟年離婚する夫婦と離婚を踏みとどまる夫婦には、どんな違いがあるのでしょうか?」・・・と。
その答えは、ラジオをお聴きください。
そして、将来避けられないテーマ・・・をご夫婦で語りあってください。
文化放送「浜美枝のいつかあなたと」
日曜日、10時半~11時まで。
放送日は12月20日と27日の2回にわたります。
1回目は本を中心に。
2回目は内館さんご自身についてです。


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