映画 『アンジェリカの微笑み』

今年106歳でとうとう亡くなったマノエル・ド・オリヴィイラ監督の長編映画です。舞台は監督の故郷ポルトガル。監督が101歳のときの幻の傑作です。構想から60年のときを経て、いま私達の前に現れました。
ポルトガル、ドロウ河流域の町を舞台に、ユダヤ人青年イザクが、若くして死んだ女性アンジェリカの遺体の写真撮影を頼まれたことから、彼女の虜になってしまう物語。彼女の美しさに魅入られ、思いを募らせる彼に応えるかのように幻影が現れます。半世紀以上を経て、この脚本を監督自身が現代の物語に書き直し、映画化したものです。
100歳を超えてもこの瑞々しい感性はどこからくるのでしょうか。ドロウ河の印象的な風景、モノクロームの幻想シーン。主演のイザクを演じているのは監督の孫。アンジェリカはスペインの人気女優ピラール・ロベス・デ・アジャラ。
ふたりが抱き合って川の上を飛ぶモノクロームのシーン。夜が来て、明け方近く、イザクがベッドで寝ていると小鳥が迷い込んみ、飛び去るのと入れ違いに彼女が天井近くに現れる。差し伸べてもつかめない彼。そこから一気にストリーは展開していきます。  宗教、生と死、愛、政治的な背景。私はポルトガルのユダヤ人について何ひとつしりませんでした。ひとつ間違えば怪異になるテーマをオリヴィラ監督は見る者を映画的な、映像のもつ至福のときへと誘ってくれます。
この映画の感想はなかなか表現が難しいです。
ただ、生きている幸せを感じさせてくれたこと。平和について。愛について。社会を取り巻く様々な側面をもっと知らなければ・・・と気づかせてくれたこと。イメージの美しさに魅力を感じ、早々と箱根の我が家に戻ってきました。黄昏の山の稜線を眺めて106歳で亡くなったマノエル・ド・オリヴィラ監督は私達にどんなメッセージを託してくださったのでしょうか・・・。
やはり、映画は好きです。人生の一部です。
http://www.crest-inter.co.jp/angelica/

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